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あの頃の自分には想像さえできなかった、心療内科医A先生の言葉
今から20数年前。
職場の人間関係でメンタルをやられてしまって、心療内科に通っていました。
待ち時間はものすごいんだけど、その分、A先生は患者さんの話をじっくり丁寧に聞いてくれました。
診察、といっても、たわいもない話やA先生の面白エピソードで笑わせてもらったり、肩の力を抜いてホッとできる時間でもありました。
まだ独身の頃でしたが、A先生にアドバイスされたことがありました。
「結婚したり子どもが生まれたら、あなただと仕事との両立は苦しくなるから、家庭に入って仕事からは離れた方が良いよ。」
ずっと続けたくて選んだ仕事。やりがいも感じていたし、育休復帰してバリバリ働いている先輩も多い環境で、何故そんなことまで言われないといけなかったのか、あの頃の私には理解できませんでした。
実際には、結婚しても仕事を続けましたが、しばらくしてから仕事と家事の両立に行き詰まって立ちゆかなくなり、休職。
最終的に退職することになりました。
夫にも迷惑をかけました。
育児についても、特に小さい頃は24時間気の抜けない突発的な出来事の連続です。
パニックになったり精神的にも体調的にも不安定になりがちで、実家や市の保健師さんたちに助けてもらってばかりでした。
発達障害があると、複数のことを同時にこなすマルチタスクがとても苦手な特性の人がいます。
先の見通しを立てたり臨機応変に行動することが苦手な特性の人もいます。
それまでは仕事と自分の生活だけこなせばよかったところに、家庭生活や育児というのは最大級のマルチタスクであり、見通しを立てて臨機応変に行動することが日常になるわけです。
確かに私の場合は、仕事にしがみつくどころではなかったと思い知りました。
あの頃はまだ大人の発達障害なんて話題になっていなかった時代。
だけどA先生は私の特性を見抜いてくださっていたんだな、と改めて驚いています。
今は少し離れた場所で暮らしているので別のメンタルクリニックにお世話になっていますが、A先生のことを時々思い出しています。
今でもお休みの日は釣り三昧なのかなぁ(笑)
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