狐狸(こり)に化かされる
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道を歩いていると、急に霧が出てきた。
『急にこんな濃い霧が出て来るなんて…早く家に帰ろう』
そう足早に歩くが、行けども行けども同じような景色で
一向に家に辿り着かない。
それどころか、見知った道だというのにここが
いまいちどこか分からない…。
「ははーん。これは狐か狸に化かされてるな…?」
そう思い当たり、その場の石に腰かけて煙草を一服。
すると霧がたちまち晴れていった…。
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このエピソードは私の曾おじいさんのお話しです。その昔父が私に話してくれました。
この話しをした時に師匠である友野も
「私もあったよそういえば!家の近くで家に辿り着けなくて車でグルグルしたことがある」
共通するのは“濃い霧が立ち込める”事。
狐狸、と言いますが本当に動物の狐とか狸とかが化けて出てきたとか、そういうわけではなく、鬼と同じで、形のない異形、妖…。
形を決めてるのは人間なので、その霧自体が狐狸と呼んでいる化かすものと考えて良いと思います。
相手がいるかどうかも実の所曖昧なもので、時空の狭間だったりもします。
日によって鎌倉にもその霧が出るのですが、とても異様な雰囲気なので幽霊が見えないとおっしゃられているような方でも気持ち悪いなぁと思われると思います。
この世は次元が複雑に交差する世界で、人はその中の一つの生きる種族。
大方住み分けはできてますが、双方共に迷い込む時もあります。
そんな時人は、目の前の怪奇に惑わされず、心を強く持つことが大切です。
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