イグBFC4劣悪感想紀行 メンタルブレイク編 41&42&35

 無理だ。俺はなんでこんなことをしている? それは報いだ。
 清流に住みあなたの人生の時間を食べて生きるイグナイトファングマンV3。作戦目標はあく。かくとう、むし、フェアリーに弱い。ポケモンに謝れよ。

※かなり情緒不安定な仕上がりとなっておりますので、メンタルに影響を受けやすい方や、ぐだぐだ語るやつが嫌いな方は即刻ブラウザバックしてください。



やり直し編一覧

メンタルブレイク編一覧


メンタルブレイク編の趣旨

 感想はひとときの幻。無漏路むろじへの道行、しばし連れ合いを楽しもうぞ。
 メンブレしたサクラクロニクルの姿を嗤って、ゴミ箱に投げ捨てよう。

※感想書き直した方がいいなと思ったやつを選んで書いてました。今回で終わります。お疲れさまでした。


基本的に書くこと

 メンタルブレイクした状態で以下を書きます。

  • 感想

  • その作品のアホであるところとはなにか

  • どこがわざとらしいか

 その他、作品の向こう側にいる作者の方に伝えたいことも書きます。


41『棒立ち』蕪木Q平

 開幕ほくろという点が他の作品と被っていることになんとも言えない気持ちを抱いたこの作品。作品リストの掲載順の被害者ではなかろうか。でもこの位置にいるってことは初動が遅かったということになるので、ある意味では自業自得である。そしてイグの性質なのかなんなのかよくわからないけど、このあたりになってくると「どこがアホなんや?」という作品が頻発するので、ひとつひとつの作品から生じる負荷が凄まじいことになっていた。
 この作品はやや下品な表現が目立つが、その使われ方を見るとどうしても文芸的な雰囲気を感じてしまう。イグ作品としては割と上級者向けというか、これをイグとして楽しもうとすると、まず前提としてこの作品はイグBFCの参加作品だと頭の中に置いておかねばならず、しかもそれを忘れるとあっという間に読書体験を破壊される。
 この作品は主人公がロクでもない過去を想いながら、そんな過去さえもかすむような現在のロクでもなさを表現している作品。って感じに読めた。正直、いまでもこの作品を読むとうんざりする。現実のうんざり感をそのまま想起させるような、そんな物語がここには書かれている。
 この作品のアホなところをどうにかひねり出そうとするならば「自分の筆名を利用して私小説風のオチをつけてるところ」あたりになると思うが、そのくらいではこの作品から受ける圧倒的なうんざりパワーをどうにかすることはできない。イグにも薬にもならないと言ったが、強力な鎮静効果を持っているので薬に分類されるのが正しい。
 本作のアホ要素は「とりあえず下品ワードを使う」「一部をカタカナにしてアホっぽさを演出」「小学生時代の記憶になってるのでアホっぽさが台無し」「筆名に絡めたオチ」「それくらいじゃどうにもならないほど読んでて憂鬱」ってところですね。なんかこれアホでもなんでもないやん。
 感想を書いていて余計に元気がなくなるという、呪術的な作品だった。重力を感じたい人はどうぞ。私はこのあたりにしておかないとパーフェクト・メンタルブレイクしそうなのでそろそろ失礼させていただきます。この作品はアプローチが真面目すぎて全部裏目に出てるな。イグナイトファング! 燃えろよ燃えろよ半紙よ燃えろ。キーボードを打つ手を温めるために。


42『セカンドチャンス』十佐間つくお

 開幕窃盗の罪で捕まる、裕福という言葉と無縁な男が主人公。彼は正常とは言い難いメンタルをした女性との間に子をもうける。その赤ん坊が傑作と呼ばれる小説を書き始めるが、その作品によって得られる利益を守るために主人公は次々と人に手をかけていく。男のまわりに漂う「なにかを死なせてしまう」という魔はついには赤ん坊にまで及ぶ。赤ん坊は頭を打って以降、それきり小説を書かなくなった。そして男は生計を立てるために犯罪行為の片棒を担いでいくことになる。
 イグに限らず、性器などを利用して一見ナンセンスにも思えるような文章表現をする、という場面には意外と遭遇する。なんでだよ。そのため、普通と言われる作品群と比べると異質そうに見える割に、読んでみるとなんや普通やないけ、という印象になってしまう作品。表現を無視してストーリーだけを追いかけると、主人公はセカンドチャンスを掴もうとするもその方法が不法であるために最終的には失敗するという筋になっており、読んでてちょっとなんだかなあって感じ。構成がちゃんとしているがゆえにアホっぽい要素を取り入れてもぜんぶ裏目に出ていて、まともな作品に見えるという具合になってそうですね。
 本作のアホなところは「主人公が異能に目覚めてて草」だ。窃盗の罪で捕まってしまっている時点で普通に犯罪者である主人公だが、女刑事に拉致られてからは一度も捕まっている様子がない。おそらく警察の目を欺く特殊能力を獲得したのだと思われる。他にも両親をパイロキネシスで始末していると取れる描写がある。やっぱり超能力者やんけ。とんでもないヴィランが世に解き放たれてしまった。
 というわけで本作のアホなポイントはこう。「脱獄したあとの主人公が説明なしで異能に目覚める」「主人公は犯罪に手を染めすぎ」「赤ん坊の世話はちゃんとしてて草」「悪いことしてるやつはセカンドチャンスなど掴めないという定石は守ってる」「なんかいい感じに主人公には報いが訪れてるような気がしてくるけど、実際にはなにも解決していない」書いていて、なにがアホなのかわからなくなってきている自分を感じた。
 イグっていったいなんなんだ。 


36『アイの試練』はんぺんた

 メンタルブレイク編はメンタルブレイクから回復して終わらなければならない。そんな気がした。なのでいやしのはどうを放つ本作で〆としよう。
 もう本人が自作解説しているので不要だと思うけど、本作は『ときめきメモリアル(本家が来年で三十周年を迎える。おめでとう)』と『ドラゴンクエスト4』が悪魔合体して生まれた怪物みたいな作品。開幕で沙織里という、どう考えても藤崎詩織をモデルとしたキャラが登場する。台詞はあまり本編っぽくないが、オマージュなのは一瞬で伝わってくる。主人公はこの娘にガチ恋してしまっており、彼女とVR空間での幸せを得るためにAIを組み込んで自律して動けるようにしようとする。ところが組み込んだAIが粗悪品だったため、沙織里は主人公に襲い掛かってくる。唱えてくる呪文が「ザギ」ってのもだいぶひどい。明らかにドラクエのザキだ。成功すると即死する。なおボスや即死耐性を持つ相手には効かない。主人公はここでアイのために「たたかう」ことを選ぶ。主人公の右手が光ってうなり、沙織里を倒すことに成功する。経験値はおそらく年齢、もらえるお金は当然KONMAIもといKONAMI円である。(とある音ゲーでKONAMIがKONMAIと誤植されていたことがある。それ以降、難しすぎる譜面と相対したプレイヤーがキレたときにスラングとしてKONMAIとぶちかますようになった)
 本作のアホなところは「アイにお金をケチるとロクなことにならない」だ。一番高いやつを買え。
 アホポイントは無数にあるが、わかりやすいところだと「主人公の名前がモテオくんで草」「ヒロインが沙織里で草」「伝説の銅像で草」「スイキスもたいがい名前が悪魔合体で草」「VRまわりの値段高騰しすぎで草」「ホームページで草」「いくらでも払うとか言いながら一番安いAI買ってるの草」「沙織里の同人ゲー自分で作れよな展開で草」「ザギで草」「トラクエで草」「シャイニングフィンガーで草」「573円で草」って感じか。

▼解説

  • 沙織里
     KONAMIから発売された恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』のメインヒロイン藤崎詩織が元ネタと思われる。命名規則から考えると本名は肘崎沙織里とかだろう。幼馴染で高嶺の花なのはゲームと一緒。パーフェクト超人のため、幼馴染の主人公に対しても態度が冷たいことで有名。一緒に家に帰ることさえ断る。攻略難易度も高いようだ。なお2023年のRTA界隈ではこの藤崎詩織を目隠しで攻略するパフォーマンスが披露され、会場に異様な笑いを提供した。

  • モテオ
     モテる男は名前からして違う。モテ男ですよ、という言葉は増田こうすけ『ギャグマンガ日和』も思い出させてくれる。しかしゲーム内ネームだから自称だ。

  • 伝説の銅像の下
    『ときめきメモリアル』に登場する伝説の樹の下が元ネタと思われる。ここで告白して結ばれると永遠に幸せになれる。ゲーム内だと卒業式の日しか結ばれるチャンスがないため非常に過酷で渋滞しそうだが、実際には主人公しか待っていないため、ツッコミを入れられることがある。

  • 選択肢
    『ときめきメモリアル』は最終結果がパラメータに依存するため、選択肢を正解するだけではうまくいかないのが難しいところだ。本作ではそのパラメータの部分が省かれているが、そんなものを説明するのは紙数の無駄なので当然の取捨選択である。

  • スイキス2
     チェリオの微炭酸飲料みたいな名前をしてやがる。カフェを舞台にしてるっぽいあたりは美少女ゲームの系譜という印象を受ける。悪魔合体のされすぎで明示的にこれという元ネタが思いつかない。KIDとかから出てそう。

  • らぶハグ!
     字面は赤松健『ラブひな』を感じさせるが、ニュアンス的にはエンターブレインの『キミキス』や『アマガミ』を感じたりする。なぜかインターチャンネル『乙女的恋革命★ラブレボ!!』も思い出す。

  • ココロノメバエ
     AIを販売しているので心の芽生えなのだと思うが、『心の隙間』を埋めてくれる系サイトだと感じさせる。実際、この後の展開は藤子不二雄Ⓐ『笑ゥせぇるすまん』を思わせるところもある。別に主人公悪いことしてないけど。

  • 保存用と実用
     布教用がないあたり独占する気が出てて芝。

  • エンカウント
     ゲームで敵に遭遇することをエンカウントと表現する。事前に戦闘を想定してて芝。

  • 沙織里が あらわれた!
     ドラゴンクエストシリーズで敵が出現した時のメッセージに酷似している。

  • ザギ
     エニックス(現スクウェア・エニックス)『ドラゴンクエスト4』に登場する即死呪文『ザキ』『ザラキ』が元ネタだと思われる。なおドラゴンクエスト4はAI戦闘が搭載された初めてのドラクエである。この呪文(ザラキ)を効かない相手にも連射する『クリフト』というキャラクターがよくよくネタにされてしまう。ドラクエ4のAIは敵の耐性を学習することができるのだが、その学習が進むタイミングの問題で、クリフトがラスボスにザラキが効かないと気づくのは非常に困難である。

  • スチール
     ゲーム中に表示される静止画のことをスチルと呼ぶ。恋愛ゲームにおいては一枚絵と呼ぶことのほうが多いかもしれないが、同人ゲームを作ろうとしてる主人公的にはこちらの呼び方の方が相応しい。

  • トラクエ
     前述のドラゴンクエストシリーズが元ネタだと思われる。トランキライザークエチアピンではないだろう。(誰にも伝わらない)

  • たたかうからうなる拳まで
     サンライズ『機動武闘伝Gガンダム』においてシャイニングガンダムが使用する武装、シャイニングフィンガーを想起させる。拳が光ってうなったら、それはもうドモン・カッシュ(CV:関智一)だろうが!

  • 573円
     ときめきメモリアルの販売元KONAMIを数字で表現したもの。サイレントヒルのうたなどで公式がネタにしているように、573と言えばコナミ、765と言えばナムコである。

  • IGAAAAAAAA
     本文には出てこないが、ときめきメモリアルにシナリオで参加している五十嵐孝司氏に対して用いられるネットスラングである。別にIGA氏は何もしてないと思うが、シナリオ崩壊を引き起こしながら原稿用紙6枚で決着がつくこの物語はRTA的であり、TAS動画的でもある。IGAAAAAAAA

 おもしろいからイグではない。マジレスすると、ゲーム知識を要求する点、物語展開が素直な点、文体の端正さがイグ的にはマイナスだったかもしれないね。乙!



 メンタルリセット。
 システム 戦闘モードを起動します。

 お読みいただきましてありがとうございました。
 また来世。

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