#7_音楽を楽しむ

事務局の山内です。

本日は事務局の一側面をブログにするということで、お茶とは関係のない私の趣味である「一日本人が楽しむメタルミュージック」をテーマに、書き連ねてみようと思います。

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メタルは日本では非常にマイナーな音楽であり、メタラー(メタル好きの人の呼称)というと変わっているとさえ思われたりもします。少なくとも普通に生活をしていてメタルを耳にすることはまずありません。そんなわけで、仮にメタラーのポテンシャルがある人でも、中々メタルに出会わず、聴き始めるのが遅くなることがあります。
私の場合は、2000年RIZEが日本のヒットチャートに現れ、その音楽に衝撃を受けたのをきっかけに、それまでJ-POP以外聴いたことなかった趣向が一転、アングラミュージックを漁りだし、17歳にしてやっとメタラーの道を歩みだしました。

まず日本国内のメタルを語る上で外せないのがX JAPANです。彼らが世に送り出した曲は幅広い世代の日本人に聴かれています。その音楽性は壮麗なヨーロッパのメタルに近いものがありますが、一般の日本人はこのような音楽に馴染みがなく、メタルではなくX JAPAN特有のものと認識しているのではないでしょうか。そしてXJAPANに影響されて登場した多くのバンドはメタルではなくヴィジュアル系とカテゴライズされ、音楽性、世界観共に日本特有の音楽文化を築いています。

HR/HM(Hard rock / Heavy metalの略)に限らずですが、ヨーロッパのバンドは日本人に人気があるとよく言われています。クラシックに通ずるような華麗で壮大な曲は、X JAPANの影響もあってか、メタルとはいえとても聴きやすいのだと思います。ただし歌詞については西洋の神やデビルやドラゴンなど、前提となる文化的知識がないとわからないテーマが多く、たとえ日本語訳を読んでも、何を書いているかがわかるが理解できていないのが実態だと思います。

一方アメリカのスラッシュメタルに端を発するエクストリームなメタルも、生粋のメタラーには人気です。太鼓で舞うと書いて「鼓舞」と成るこの文字のごとく、力強い音には人を鼓舞する力を持っているもので、その意味でスラッシュメタルは聴くだけでヘドバン(激しく頭を振ってノること)したくなるパワーを持っているように感じます。私は純粋にこのパワーが好きで、アメリカのバンドを聴くことの方が多いです。

因みに日本でメタルというとこのようなスラッシュメタルを想像していて、ヨーロッパのHR/HMは、「へー、これもメタルなんだ」と言われることがよくあります。このあたりもX JAPANにメタルのイメージを持っていないがゆえのコメントのような気がします。

敢えて上述のようにヨーロッパとアメリカを分けて表現しましたが、少なくとも15年前の自分はこのように理解していました。

しかし今音楽に地域性があるという考え方は時代遅れなのかもしれません。というのも今やYoutubeやSpotifyによって世界中の音楽に手軽に触れることが出来るようになり、音楽は国境を越え、無限の可能性を秘めることとなりました。こうして世界中のあらゆる音楽にインスパイアされて、新たな音楽が生まれるのは素晴らしいことだと思います。

ただし一方でネットによるボーダレス化により、地域が持つ文化の深堀りが疎かになっているとすれば、それはそれで寂しい気がします。

自分ごとではありますが、私は15年前にワーキングホリデービザでオーストラリアに1年半近く滞在していました。そこではドラマーとしてバンド活動に勤しんでいまして。このバンドでは侍ロックという、真面目に考えるとわけのわからないカテゴリーを自分たちで作り、全身和服に身を包み、和楽器の音源を使い、和旋律のみを使用し、日本語のみで作詞された曲を引っ提げて活動をしていました。海外でやる時には海外に寄せようとしがちですが、私たちは敢えてそうしませんでした。ただ結果的に楽しんでついてきてくれるファンはそれなりにいました。

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私たちの価値は、徹底的に独自の和の世界観を崩さなかったことにあったと思っています。ある芸術を理解しようとした時、鑑賞者は鑑賞者としての素養がなければ真に理解して楽しむことは出来ないと言います。もちろんその域に達すること、それを志すことは素晴らしいことです。しかしたとえ素養がなかったとしても、五感でいいと感じるものを純粋に楽しむことだって、一つの芸術の楽しみ方です。他国の音楽でいえば、そもそも言語が理解できないという大きなハンデを背負っています。それでも素晴らしい音楽に出会ってハマりだすと、そこから自発的に深掘りし、楽しみ方も変わっていくものです。そしてその過程において極めたいと思った時にこそ極めればいいのだと思います。

そんな私は、最近はどれも中途半端な真似事バンドばかりで中々いいバンドが出てこねぇな、と知った風にぼやきつつ、Hatebreedの新譜をSpotifyで聴きながら、今日もメタラーとして生活しています。

注)ここに書いた内容には私個人の主観がかなり入っており、細かな情報は正確さを欠くことを断っておきます。

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