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【スタートアップ!占い師】#19 占い師の帳簿ってどうなってるの?② お金のやりとりから帳簿をつけるまでの流れ

 占い師として活動をはじめて38日目。
 大事なことに気がついたさくらさん。そう、帳簿の付け方です。
 占い師は個人事業主なので、会計業務も自分で行わなければいけません。
 どこからお金が入ってきて、何に使っているのか。使ったお金は事業のために適切に使われているのか。それを明確化できるのが、帳簿です。
 どんぶり勘定だと、せっかくスタートさせた占いの事業も立ち行かなくなりますよ〜。

 今回は、占い師の帳簿のお話です。

 私も、占い師はじめたてのころは帳簿のことは全くわからんちんでした。
 わかってて、お小遣い帳レベルでした。
 そんな私のような人や会計関係が苦手な占い師もいると思うので、この回は必要最低限のところだけを、用語はなるべく使わず、めちゃくちゃ噛み砕いて書いていこうと思います。

 ここでは、「お金のやりとりから帳簿をつけるまでの流れ」をお話していきます。

 占い師の仕事というよりは、個人事業主としてめちゃくちゃ重要なので、この帳簿の回は無料で公開しております。


お金のやりとりから帳簿をつけるまでの流れ

 占いの仕事をしていると「鑑定料金をもらう」「占いの本を買う」といった、お金のやりとりは必ず発生します。このやりとりから、帳簿をつけるまでの流れはどのようになっているのでしょうか。

単式簿記・複式簿記、共通の流れ

 この2つには共通の流れがあります。
 それは、

 お金のやりとりが発生
 (お金をもらった、お金を使った、振込などでお金が行き来した)

 ↓
 お金のやりとりで発生したレシートや領収書を集める
 伝票が必要なら、伝票を作成して集める
 ↓
 帳簿に書き写す

 
 ……です。
 
 「まんまやん!」と思う人もいるかもしれませんが、かなりざっくりだと、本当にこんな感じです。
 
 これを2つの種類それぞれに当てはめて書くと、このようになります。

単式簿記の場合

 お金のやりとりが発生
 (お金をもらった、お金を使った、振込などでお金が行き来した)
 ↓
 お金のやりとりで発生したレシートや領収書を集める
 伝票が必要なら、伝票を作成して集める
 ↓
 それらを見ながら「いつ・どこで・何に・いくら入った(出ていった)・その残りはいくら」を帳簿に書く(お小遣い帳や家計簿のような感じで書く) 

 細かい内容としては、収入(仕事に直結する収入)、雑収入(仕事に直結しない収入。助成金や給付金、保険金などはここ)、経費(使い道別)を書き込んでいきます。

複式簿記の場合

 お金のやりとりが発生
 (お金をもらった、お金を使った、振込などでお金が行き来した)
 ↓
 お金のやりとりで発生したレシートや領収書を集める
 伝票が必要なら、伝票を作成して集める 
 ↓
 それらを見ながら、仕訳帳(毎日なら日計仕訳表、毎週なら毎週仕訳表)に帳簿に書く。
 売掛け(鑑定料の後払い、など)や買掛け(鑑定料の先払い、など)が発生している場合は、売掛帳や買掛帳に書く。
 ↓
 まとめて、総勘定元帳に書く

 仕訳帳と総勘定元帳の書き方は、サイトからどうぞ。

 複式簿記も、収入(仕事に直結する収入)、雑収入(仕事に直結しない収入。助成金や給付金、保険金などはここ)、経費(使い道別)と書き込んでいきますが、仕訳表も総勘定元帳も「一項目に『借方』『貸方』のワンセット」という書き方で書いていかなくてはいけなくなります。総勘定元帳は、残高も書きます。
 
 何度も書きますが、単式でも複式でも、計算や帳簿付けに自信がない人は、手書きは諦めてExcelや会計ソフトを使いましょう。

どんなときに伝票を作成するのか

 お金のやりとりで発生する、レシートや領収書、伝票。
 もらったレシートや領収書は、書かれた情報に沿って帳簿に書き込めばいいのですが、
・相手からレシートや領収書をもらっていない
・現金でお金のやり取りは発生したけれど、こちらがレシートや領収書を発行していない。あえて発行しない。
・仕事のお金(現金)の場所が行き来した。現金と口座、事業収入から生活費、など。
 ……といった場合は、自分で必要な伝票を作成しなければいけませんし、その伝票の情報に沿って帳簿に書き込まなくてはいけません。

 伝票の種類は前回でもお話しました。

 実は伝票は、証憑書類(証憑は「しょうひょう」と呼びます。取引の事実を証明する各種書類をいいます)ではないので、発行されたレシートや領収書、請求書や納品書とは違う種類の書類になります。
 ですが、現金の動きを記録しているため、証憑書類と同じ扱いになります。
 証憑書類は、帳簿と同じく長期保存しておかないといけません。
 自分で作成した伝票も、保存しなければいけない大事な書類になります。

 では、どんなときに伝票作成をしなければいけないでしょうか。
 占い師の仕事のケースをもとに、お話していきます。

入金伝票を作成するケース
・鑑定料をもらったとき
・自分の作ったグッズが売れたとき
・鑑定の先払いが発生したとき
・鑑定の後払いが発生したとき
 現金入金が確定した場合や確定予定の場合に作成します。

出金伝票を作成するケース
相手からレシートや領収書をもらっていない場合全般
・相手からもらったレシートや領収書をなくしたとき
・仕事の打ち合わせや打ち上げで使った飲食店の出費を割り勘にしたとき
 レシートや領収書がないときの代わりや、レシートや領収書が発行されない現金での出費があったときに作成します。

振替伝票を作成するケース
・上記の入金伝票や出金伝票のケース(入金伝票・出金伝票がない場合)
・現金の売上を事業用口座に入金するとき
・事業用口座から出金して現金の売上にいれるとき
・先払いでもらっていた鑑定料分の鑑定を行った
・鑑定料を後払いでもらった
・売上を生活費にまわすとき    ……など。
 お金のやりとりを「一項目に『借方』『貸方』のワンセット」という書き方で書く伝票なので、すべてのケースに対応できます。

 入金・出金伝票は使わず全て振替伝票で伝票を作成する人もいますし、入金・出金・振替伝票の3つで伝票を作成する人もいます。
 グッズ販売等を行っている人は、仕入伝票や売上伝票をプラスした5つの伝票で伝票を作成する人もいます。
 自分の仕事にあった伝票を選んで使用しましょう。

帳簿はこまめに書いておけば怖くない

 毎年確定申告のシーズンになると、確定申告の作業でお顔が真っ青になる事業者の姿をよくみかけます。
 これは、お金のやりとりで発生したレシート・領収書・伝票をまとめて帳簿につける作業を溜め込んでいたり、帳簿とにらめっこしながら確定申告の書類を作成する作業が大変なんだからなんですよね……。

 収入が多くお金のやりとりも多い事業者や会社では、税理士にお願いしたり事務職や会計部門に任せていますが、大半の占い師は税理士や事務を雇うお金はありません。書類を帳簿につけ、確定申告の書類にまとめていく作業や、今あるお金と帳簿の数字が合っているかどうかの確認を全部ひとりで行います。

 帳簿付けはこまめにやっておけば、確定申告の時期に後悔することはありません。レシートや領収書をもらったら、もしくは伝票の作成を行ったら、すぐに帳簿に書き込む癖をつけておきましょう。そのときに、お金と数字が揃っているかの確認もできるといいですね。

 次回は、「占い師が使う主な勘定科目」をお話していきます。



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