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【スタートアップ!占い師】#18 占い師の帳簿ってどうなってるの?① 帳簿の基本

 占い師として活動をはじめて38日目。
 大事なことに気がついたさくらさん。そう、帳簿の付け方です。
 占い師は個人事業主なので、会計業務も自分で行わなければいけません。
 どこからお金が入ってきて、何に使っているのか。使ったお金は事業のために適切に使われているのか。それを明確化できるのが、帳簿です。
 どんぶり勘定だと、せっかくスタートさせた占いの事業も立ち行かなくなりますよ〜。

 今回は、占い師の帳簿のお話です。

 私も、占い師はじめたてのころは帳簿のことは全くわからんちんでした。
 わかってて、お小遣い帳レベルでした。
 そんな私のような人や会計関係が苦手な占い師もいると思うので、この回は必要最低限のところだけを、用語はなるべく使わず、めちゃくちゃ噛み砕いて書いていこうと思います。


なんで帳簿をつけなきゃなの?

 帳簿をつけないといけない理由はいくつかあります。

①収支、損益を明確化するため
 収支はお金の収入と支出のこと。
 損益は、事業の財産の動きのこと。
 お金をもらって仕事をしているから収支はもちろん、事業主ですので事業(会社)の赤字・黒字もちゃんと把握していないといけません。事業としての占い師の仕事は、趣味の延長や遊びで行ってはいけません……。

②確定申告や住民税申告のときに納める税金の算出を行うため
 事業者になると、所得に応じた税金を支払わなければいけません。支払う税金の算出のために、帳簿付けが必要です。
 大半の人は確定申告のためです。
 副業バレしたくない人は住民税申告を自分で行うのに帳簿をつけ、税金計算を行います。

③事業者の義務
 事業者となった人は、帳簿の記帳が義務付けられています。記帳した帳簿は保存期間もあります。

(国税庁サイトよりスクショ)

心配なら、すべての帳簿を7年保存しておけばOK

 確定申告に帳簿の提出は必要ありません。ですが、税務調査や不当な収入による脱税(インフルエンサーや副業系に増えてきましたね)を指摘された場合や確定申告のときに不備があった場合、税務署に帳簿を提出しなければいけません。そんなときに帳簿がなかったら、脱税行為を疑われます。
 脱税とみなされたら、税金を追加で支払わなければいけなくなってしまいます。

 なので、本業副業複業限らず、仕事をスタートしたら必ず帳簿をつけましょう!

どうやって帳簿をつけたらいいの?

 実は帳簿の付け方は、国税庁がちゃんと明確にしてくれています。

 ↑テキストでは白色申告の説明が、下るとPDFで青色申告の説明が記載されています。
 他にも弥生会計、マネーフォワード、freeeなどでも帳簿の付け方の詳細が掲載されています。
 その記事をペタペタ貼り付ければこの記事を書くこともないのですが、読んでみると結構難しくて、途中で嫌になる人も多かったりします。
 帳簿のやり方は、入りさえ理解できればそんなこともなくなってきます(占いの勉強も同じだったでしょ?)。最初はわかりやすいところから学んで、少しずつ頑張って身につけていきましょう。

帳簿をつけるのに必要なもの

 最初に、帳簿につけるのに必要なものです。

・収支を記録する帳簿
 ノートでもいいし、Excelでもいいし、会計ソフトでもいいです。記録するなにかを準備しましょう。
 帳簿は、収支を記入する「出納帳」、後々相手に支払ってもらう金額や支払った金額をつけておく「売掛帳」、後々自分が相手に支払う金額や支払った金額をつけておく「買掛帳」、経費を項目ごとに書いていく「経費帳」、車や建物などの固定資産や減価償却(購入にかかる費用を分割して計上する会計処理のこと)を書いていく「固定資産台帳」があります。
 グッズの販売を行う場合は、物品の買付や仕入れを記入する「仕入帳」も必要でしょう。
 計算が苦手な人は、会計ソフトに頼ったほういいです。各帳簿の作成から確定申告の準備までやってくれます。お金はかかりますが、数字がめちゃくちゃになるよりはいいでしょう。

・お金のやりとりをした相手が発行した、レシートや領収書
 紙で発行されたレシートや領収書です。仕事でお金を使ったら、レシートや領収書をもらいましょう。
 当たり前ですが、個人的に使ったものは仕事の経費になりません。
 仕事の合間に食べるランチとか、ヘアカット代は経費にならないです。経費になるもの・ならないものは次回に書きます。

・電子取引のデータ
 通販で占い道具を買ったときの領収書、鑑定の取引(振込など)を行ったメールなど、電子取引のデータです。電子取引でも、収入や支出が発生したら、その取引を帳簿に記載します。
 なお、電子取引は紙にプリントしないで、データのまま保存します。来年から電子帳簿保存法により義務化されるので、覚えておきましょう。

・伝票
 直接の現金の取引が行われたときに記載します。
 お金を受け取ったら「入金伝票」、お金が出ていったら「出金伝票」、入金・出金以外のお金のやりとりが発生したら「振替伝票」を使います。先払い・後払いが発生するやりとりを行っているのであれば「売上伝票」も使います。
 記載された伝票は、各帳簿に記帳していきます。

・必要なら、こちらが発行する請求書や領収書
 仕事の取引で必要なら、請求書や領収書は必要です。
 請求書や領収書は、伝票と同じく、お金の取引が行われたときに記載します。控えは帳簿の記載に使います。
 ちなみに鑑定時に領収書を発行する人もいますが、領収書の発行は任意です(絶対発行しないといけないものではありません)。鑑定を受けたことを形として残したくない人もいるので、領収書の発行は臨機応変でいいでしょう。

帳簿の書き方は二種類あります

 帳簿の書き方には二種類あります。

・単式(簡易)簿記
 お小遣い帳や家計簿、市販の出納帳がこれにあたります。
 「いつ・どこで・なにに・いくら入った(出ていった)・その残りはいくら」
 という書き方をします。
 白色申告、10万円控除の青色申告は、この帳簿の書き方を使います。

・複式簿記
 ひとつのお金のやりとりに対して、貸方(右側に記載)と借方(左側に記載)のワンセットで記載する書き方です。
 貸方と借方の違いは、こちらをどうぞ。

 青色申告の55万円控除・65万円控除を受けたい方は、こちらの書き方を使います。

 ちなみに先程から出てきている「控除」というのは、青色申告特別控除のことです。
 売上から経費を差し引いた金額が所得となり、その所得の金額から所得税が決まってきます。青色申告特別控除は、その所得からさらに10万円・55万円・65万円を差し引きますよ、その差し引いた金額で所得税を決めますよ、というシステムのことなのです。控除を受ければ、本来支払う所得税よりも少なくなるのでお得です。

 さらに言うと、青色申告特別控除を受けたい人は、つける帳簿がプラスされます。
 出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳……のほかに、この複式簿記をとりまとめた「仕訳帳」、すべてのお金のやりとりを項目別に分類した「総勘定元帳」をつけなければいけません。
 「簿記とかややこしくてわからんけど、10万円控除・55万円控除・65万円控除は受けたい」という人は、とりあえず青色申告承認申請書を税務署に提出して、会計ソフトを使用しましょう。入力するだけで、細かい作業をやってくれますから、会計ソフト代は経費にできますから……!
 65万円控除を受けたい人は、e-Taxの使用が必須です。

 次回は、「お金のやりとりから帳簿をつけるまでの流れ」をお話していきます。


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