過敏性腸症候群(IBS)は本当に病気なの?
私はもうかれこれ20年ほどIBS(過敏性腸症候群)とお付き合いしている。
日本人の15%ほどはこの病気に罹患していると言われているみたいなので、さほど珍しい病気でもないようだ。(なのにほとんど出会わない不思議!みんな隠してるのかな?)
重症化するととんでもなくQOLが低下するにもかかわらず、未だこれといった治療法が確立されていない最悪の病気(笑)
そんなIBSに対する私の向き合い方や考えたことを書いてみる。
IBSと現在進行形で付き合っている私の半生
私は小学生高学年の頃からこの病気だった。
まだその頃は自分のお腹に起きている症状が病気だとは捉えていなかった。症状が症状だけに(知らない方はググってね)親や友達に相談することに抵抗があったし(バレてたかもしれないけど)、こんなにもネットが普及していなかったから調べることも出来なかった。
今思うとよく分からない理論だけど、何か自分が気付かないうちに悪いことをしていて、その罰としてこんな恥ずかしい思いをしなきゃいけないんだと思っていた。(その頃から因果応報とか無意識に信じていたのかな?)
高校生になって初めて私は過敏性腸症候群という病気を知った。携帯電話を持つようになって、自分で症状について調べるようになったのがきっかけだった。それからしばらくは親に相談するか葛藤していたが、勇気を出して母親に自分の病気を打ち明けた。そして自ら病院に連れて行って欲しいと頼んだ。
母親は私を心療内科に連れて行ってくれた。その頃の過敏性腸症候群の認識といえば、ストレスで起こる便通異常くらいのものだったから。
病院の先生は私の話を聞いて抗うつ剤と整腸剤を処方した。
抗うつ剤・・・。心療内科だから当然かもしれない。
それでも疑問に思ったのは、
私のメンタルは至って正常なのに、なぜ?
ということだった。
結局処方された薬を飲んでも、症状は改善されなかった。病名が判明したのに治らないなんて、と絶望したのを覚えている。
蝕まれていく心
病院に行っても治らない。何が原因か分からない。症状に振り回されるせいでどんどん普通の生活が送れなくなっていく・・・
そんな状況に追い詰められ、徐々に私の心は病んでいった。もう死んでしまいたいと思い、ドラッグストアを回って睡眠薬を大量に買ったこともある。
結局心を病んだからこの病気になったわけではないけれど、この病気になったために私は心を病んでしまった。
その後、元気な心を取り戻したり、また病んだりを繰り返しながら、なんとか今も生きている。
FODMAPとの出会い
つい2、3年前のこと。私はやっとIBSの原因がFODMAPであるという概念に出会えた。この時に思ったのが、やっぱりあのときの私の精神は正常だったんだ!ということだった。
それまでの私の食生活は、まさに高FODMAPのオンパレードだった。パンやパスタが大好きでよく食べていたし、腸内環境を良くしようとヨーグルトや納豆などの発酵食品をせっせと摂取していた。ヨーグルトに関してはヨーグルトメーカーまで購入して自分で作っていたほどだ。良かれと思ってやっていたことが逆に悪化させていたとは本当にショックだった。
症状は身体が必死で伝えてくれているシグナル
低FODMAPの食事を徹底し始めたら、驚くほど症状は落ち着きはじめた。完全ではないけれど、症状の80%ほどは制御できているのではないだろうか。
今の私は基本は低FODMAP食を心がけているけれど、時と場合によっては高FODMAPを摂取することもある。食事で症状をコントロールする術を体得できて、本当に生きやすくなった。
そうなってふと疑問に思ったのが、この記事につけたタイトルである、「過敏性腸症候群は本当に病気なの?」ということだった。
私たちの身体は至って正常で、身体に現れる症状は、ただ必要ないものを入れているよ、というシグナル。身体は正常なのだから、おかしいのは私たちの食事を含めた生活習慣にある。
こう考えたら、現代の食生活に身体を無理矢理合わせようとしていた自分がなんとも情けなくなった。
自分の腸に土下座したい気分だ。
身体の声を聴く
私はIBSになったことで、その症状が身体から発せられる声だということに気がつくことが出来た。
当たり前だけれど、身体はしゃべれない(笑)
必死で伝えてくれるシグナルをちゃんと聴いてあげなければ、と思うようになった。そしてそれにただ応えてあげればいいだけのことなのだ。
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