B2BとB2Cモデルの比較からマーケティング手法の違いを考えてみた
今朝何気なくこんなTweetをしたら思いの外多くのリアクションを頂いた。
そもそも何でこんな事を考えていたかというと、B2BとB2Cの比較をすることからB2Bマーケのヒントを考えていたのだ。これまでも多くの企業様がまとめてくれているので、それを参考にしながらまず大枠を整理してみたい。この整理とデザインはbaigieさんのブログをかなり参考にしているのでこの場でお礼をさせてください。(素敵すぎて使わせていただきました。NGの場合お申し付けください)
B2BとB2Cモデルの違い
その違いからくるマーケティング方法の違い
この整理から見える結論「だから何なの」の部分も多くのセミナー等で語られる通り、下記のあたりがあげられる。
・母数が少ない →so that 潜在層をコンテンツで啓蒙しよう
・関与者が多い → 決済者を見極めよう
・単価が高い/価値も複雑 → 理解促進のコンテンツを用意しよう
・検討期間が長い → SFA/CRM/MAによるナーチャ大事
つまり、B2Bではマーケ&セールス体制の構築コンサル、コンテンツ制作&CMSサービス、ツール導入支援コンサル、広告運用、ABMが大事です!ということだ。これはこれで全く否定しないし全て大事だとは思う。(ただベンダーのポジショントーク分は差っ引いて見たほうが良いとは思う笑)
B2BとB2Cの違いをもう一歩深堀りしてみた
今回、自分なりにこの比較から、何かしらB2Bマーケのヒントを得たいなと、もう一歩考えてみたところ、かなり前に書籍で読んで印象に残っている文章が思い浮かんだ。
企業戦略は全て1)売上増か2)コスト削減か3)その両方に影響を与えるものだ(※)。それ以外は戦略とは呼ばない。
※以下事業ドライバーと表現
確かに企業の目的の1つが利益である以上(社会的価値だろうとかビジョンだろうとか雇用だとかはここでは語らない)、全ては利益に繋がる必要がある。つまり売上増かコスト削減かその両方につながる必要があるということだ。
ということは何かしらの戦略に沿ってB2Bプロダクトを導入する以上、購買理由は、B2Bはほぼ間違いなく売上、コストのどちらかのドライバーを動かしたいから購入に至る、ということになる。一方、B2Cはものにより多種多様だが、例えばアパレルを買うのは価値観によるもので損益計算ではないだろう。
事業ドライバーに寄与するB2Bサービス
例えば、
「SmartHR」さんなら、人事労務の効率化による「コスト削減」
「ノバセル」ラクスルさんのTVCM事業なら、TVCMによる「売上増」
一見遠そうな例えばリンクアンドモチベーション社のモチベーションクラウド。モチベーション把握がシンプルに訴求価値だとして、それにより狙いたいのはモチベーション向上による業績増や退職による補填コスト等をなくすこと。
最後の例として手前味噌だが、筆者が携わっているウィルゲート社のSEOコンサルや、TACTSEOでいえばシンプルにSEOによる売上の増加。ここがPVの増加にとどまらないのが重要。
事業ドライバーが購買理由だとするならば
さて、だから何なのかという結論の部分だが、
B2Bマーケティングにおいて購買理由が「最終的には事業ドライバーへの影響」ならば、プロモーションにおいての事例記事等も「直接的な効果(何)」だけではなく、それによる「事業ドライバーへの影響(なぜ)」まで言及するというエッセンスが得られる気がする。
もっといえばマーケティングにとどまらずB2Bモデルの構築においては、企業の売上を上げることに貢献するのか、コスト削減に貢献するのか、その両方なのかをイメージしたほうが良いと思う。
例えば最近見た施策や事例を紹介してみたい。
HARMOSさん。採用工数の削減や採用単価の減少に言及。
(※事業ドメイン的に具体的な数値が事例としてなかなか出せないのが難しそうである)
SMARTHRさんは、労務をラクラクに、、、して結果いくらコスト削減できるのかという「コスト削減シュミレーター」を用意しているくらいだ。
この点、ナイルさんも非常に上手く、そもそもキャッチコピーが「広告なしでも、売上げアップ。」と事業ドライバーに貢献することを明言し、実際にこのような事例がある。
※ただし、顧客への提供価値と事業ドライバーへの関連性が遠い場合、あまり事業ドライバーを押し出しすぎても顧客への訴求がずれるため逆に提供価値の記載にとどめたほうがいい場合もあることは注意したい
例)飲食店や店舗へのユニフォーム制作を提供するシタテルさんのページ。ユニフォームによるブランディング→売上アップ等につなげると分かりづらいため、シンプルにユニフォームが作れることを訴求。
飲食店ユニフォーム特集ページ
店舗ユニフォーム特集ページ
さて、だいぶ長くなったのでまとめると、
・B2BとB2Cでは購買要因が異なる
・だからプロモーションにおいても事業ドライバーに言及できると良い
ということだ。
ただ2つ補足で、フェーズによって、つまり担当者によってそれがどこまで刺さるかは様々あると思う。例えばSEOでいえばもしかすると担当者の目標はPVかもしれない。ただし、決済者クラスになればP/Lへのヒットでみたいだろうし、担当者との商談の際も1つ上の視点から提案ができたら、担当者の方も社内で稟議を通しやすかったり評価されたりと、より信頼してもらえるのではないだろうか。
また、KGIがあくまでも事業ドライバーへの貢献であるべきだと思うが、もちろんその手前にKPIがあり、例えばウィルゲートのSEOコンサルでいうPVはKPIになるし、モチベーションクラウドでいうならスコアや退職率低下がひとつのKPIになるだろう。
Twitterに寄せられた皆様のコメント
最後に皆様からいただいたご意見を一部紹介させていただく。
非常に参考になりましたありがとうございます!
最後の代表の方のTweetで「投資対効果」に言及されていることが、決済者の目線としてやっぱりそうだよなーと思わせられた。ありがとうございます!
こっちのエントリーもよかったらみてあげてください。
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