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さくほリビングカレッジ〈山の学校編〉の見どころ

さくほリビングカレッジは、さまざまなゲストから話を聞くことを通して、佐久穂町での暮らしを見つめ、新たなアイデアや挑戦のヒントを見つけにいく学びの場です。2022年度の公開収録を2023年1月19日(火)に行いました。

山との暮らしを知る、山の学校編

今回はのテーマは「山」。佐久穂町の町土の約8割は森林で、その暮らしはさまざまな自然との関わりあいのもと成り立っています。そこで、「山と関わりながら生きるとはどういうことなのか?」という問いを念頭に、山に親しむ3人のゲストをお招きして、お話を伺いました。

【一限目】ゲスト:前田俊一さん(株式会社フォレステージ 代表取締役)

前田さんの行っている「特殊伐採」は、ロープを使って木に登り作業をしたり、チェーンソーを使って木の伐採をする、特別な技術と知識が必要な、危険も伴うプロの仕事。18年前、東京から佐久穂町に移り住み、日々自然と対峙する仕事に携わる前田さんから語られる「佐久穂の森」の話。ご本人も「ずっと佐久穂にいると、当たり前になって麻痺してしまう」と仰っていましたが、わたしたちの身近にある存在の壮大さ、豊かさに、改めて気づかされました。

印象的だったお話
・「木を大切にする」という言葉は、必ずしも「木を切らない」ということではない。
・里山が美しいと、そこにある集落も美しい。


【二限目】ゲスト:島﨑和友さん(佐久穂町猟友会 副会長)

森林組合のお仕事をされている島﨑さん。ご本人曰く「週末の楽しみ」として長い経験を持つ狩猟についてお話いただきました。
かつて、佐久穂の山ではウサギがたくさん獲れたそうで、島﨑さんは日常的にウサギの肉を食べていたそうです。しかし、今獲れるウサギの数はゼロ。増えているのは鹿で、収録日の前の週は70頭ほどいるのを確認したそうです。鹿の群れと遭遇したときの臨場感が伝わってくるお話が印象的でした。猪もよく獲っていて、当日も自家製ベーコンを仕込んで持ってきてくださいました。

印象的だったお話
狙ったものが獲れた時は達成感!逃したときはがっかり…。でもそれも笑い話になって、5年くらいは酒の肴になる。


【三限目】ゲスト:笹﨑次朗さん(南佐久南部漁業共同組合 代表理事組合長)

佐久穂町で生まれ育ち、川で遊び、川に慣れ親しんできた笹﨑さん。かつては佐久穂でも、田んぼで食用の鯉を養殖している家庭が多かったそうです。笹﨑さんのご実家でも養殖をしており、魚は身近な存在でした。川遊びでもさまざまな漁法を試しながら魚をとるのがとにかく楽しかったんだとか。時代と共に、佐久穂の川から魚が減っていく様を目の当たりにする中で、暮らしの安全のために川の流れを変える河川工事などの在り方についても、お話しいただきました。魚が川を上ってくるための「魚道」を整えるお話も興味深いものでした。

印象的だったお話
・生活にも魚がいたし、楽しみも川の魚だった
・人間がのぼれない川は魚も登れない

最後は3名の座談会も開かれました。
「初心者がこの豊かな山の資源と関わるにはどんなきっかけがあるか?」「子どもたちにこの文化をつなげていくには?」など、伐採、狩猟、釣り、という観点から話が広がり、にぎやかな座談会となりました。

今回の聞き手は
左:三木敦朗さん(信州大学 農学部 助教)
右:熊本敦子さん(佐久穂町地域おこし協力隊)

信州大学で、"森林と人間との関わり"について研究されている三木先生。3名のゲストが日々接している佐久穂の山のリアルなお話に加えて、専門的視点から森林の現状などもわかりやすくお話いただきながら、今回のリビングカレッジをより深いものにしていただきました。

動画は2023年2月下旬に公式WEBサイトとYoutubeチャンネルで公開予定です!
また、公式WEBサイトでは過去の動画も公開中です。ぜひそちらも合わせてご覧ください!

▼こちらから

writer 細川敦子


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