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#エッセイ

わたしはそれをXと呼ぶ……わたしの故郷はもう、なくなってしまったのだから。

わたしはそれをXと呼ぶ……わたしの故郷はもう、なくなってしまったのだから。

 昨年の10月に27歳になった。アラサーだ。もちろん日本社会全体で見ればどう考えてもわたしは若者だけれども、「若者」という期待に常に応えられる年齢ではなくなった。気がついたときには、わたしよりも若い世代の「大人」が生まれていて、彼ら彼女らと何のギャップもなしに会話をすることはもはやできない。
 今日(2月10日)の朝たまたま開いた産経ニュースで、LINEなどのメッセージアプリにおいて文末に句点「。

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小澤征爾さんの思い出。そのじんわりとした魔法は、まだわたしのなかに染みたままなのです。

小澤征爾さんの思い出。そのじんわりとした魔法は、まだわたしのなかに染みたままなのです。

ある程度ニュースが落ち着いた頃に、この個人的な場所へ投稿しようと思っていました。小澤征爾さんの思い出についてです。

一度だけ、小澤征爾さんの指揮で演奏をしたことがあります。2017年夏のセイジ・オザワ 松本フェスティバルでの「小澤征爾音楽塾」。曲はラヴェルの《こどもと魔法》です。小澤さんはすでにかなりのご高齢で、けっきょく本番はデリック・イノウエさんが振り、小澤さんはリハーサルに何度か立ち会うだ

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