内省

最も個人的なことは、最もクリエイティブなこと

アカデミー受賞のコメントでポン・ジュノ監督が語った、マーティン・スコセッシの言葉がすごく良かったです。

「本当にありがとうございます。映画の勉強をしていた時に本で読んで、今も大切にしている言葉があります。『最も個人的なことは、最もクリエイティブなことだ』。マーティン・スコセッシの言葉です。私は、彼の映画を見て勉強しました。一緒に監督賞にノミネートされただけで嬉しいです」

ものつくりって受け手あってのものですから、相手がどう面白く感じてもらえるかを考えなければ成り立ちません。

ただそれは、考える順番としては後の方だと思ってます。それよりも自分の興味を深いレベルで掴むことが先です。

ぐうっと自分の中に潜り込んで潜り込んで、もうこれ以上潜れないところまで潜った先にある「興味のコア」を掴むこと。

掴んだらそれを一気に引き上げ外界と接続してあげること。それがうまくできると、「ああ、うまくつくれたなあ」って感じになれます。

なにか面白いネタを掴んだとき、その時の反応だけで進むと深みが出にくいんですよね。「ほー!」とか「すげー」とか、瞬間のリアクションだけだと踏み込みが浅くなるというか。

それはどういう「ほー!」なのか、その「すげー」はこれまでの「すげー」とどう違うのか。自分の深層にあるコアをいかに言語の世界に引き上げてあげられるか。そこに時間をかけることが肝心だと思っています。

「最も個人的なことこそ、最もクリエイティブなこと」という言葉の僕なりの解釈です。

最後に10年ほど前に整理した、自分なりの編集原則を置いておきます。

1.自分が面白いと思えるものを見つける
2.その何が面白いと感じたかを掴み切る
3.その面白みを持ったものが、他にないかを探しきる
4.それを誰に伝えるべきか考えきる
5.相手が興味ゼロでも興味を持てる切り口を考えきる
6.そのことが伝わる方法を考えきる

前半はリサーチ、後半はイマジネーションです。これをやりきれれば、結構面白くなりえます。

この深堀りについては、また別の機会に。

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