見出し画像

洗い流すような雨の日

今まで当たり前に良きものとしてそこにいて、だから好きになって長年応援していたものが、その人たち本人は何も変わっていないのに突然世界の中で良きものではなくなってしまって、本人たちがどう思っているかなんてわからないけどこんな風に話題の中心になって次々に手のひらを返されていく様子を見せつけられて、どうしたらいいのかわからないという素直な気持ちを言うことすら正しくないようで躊躇われながら、息が詰まるように苦しいね。昨日から寝られないし、しんどいね。

アイドルを好きになって応援することはそれなりに大きい出来事で、彼らのように日常に当たり前のように存在しているパターンでは特に。私だって10年とかそれくらい、友人や家族と同じかそれ以上にその存在に助けられたり人生を輝かせてもらったと思っている人がどれくらいの分母として存在するのか想像もつかない。作品やキャラクターではなく相手が生身の人間そのものであることは、それだけの興奮と充足感、そしてときに絶望を与えてくれる。結局人間関係だなと思う。アイドルとファンの間には、人間関係が存在していて、コンテンツを消費していくのとはまた違った情緒があるのです。

人間関係がうまくいかなくなるときのこころのくるしさといったら!自分がなにかしてしまったのかと、もうその一手で嫌われてしまったのだろうかと、あるいは軽んじられたり捨てられたのかと、ぐるぐる回っても相手の頭の中にしか答えが出ないことがどうしようもなく不安なとき。あるいは、その逆。今まで普通に付き合えていた相手のなにかが変わってしまって、とあるひとつの出来事や積年の積み重ねによって、このままの関係を維持できなくなること。そして古くから1番やりきれないとされる当人同士の問題ではなく環境や外部に起因したうまくいかなさなど。

わたしが人間関係があまり得意でないと思っているいちばんの理由は、それがゆっくりゆっくり時間をかけて信頼を築き感情を確認し合っていかなければらなず、でもそれは勘違いだったろ突然崩れ落ちたりもして、それを解きほぐすか傷が癒えるにはまた長い時間がかかるということ。すぐに答えが出したくなってしまう性質との相性が悪い。モヤモヤしているとこうやって文章を書きはじめて何か言わないことには気持ちに整理をつけられない。せっかちで自分本位でよくないなあ。

昨日の夜はすごく悲しくなって、やっぱり自由意志なんて幻想だってひとりでつぶやいていた。人ひとりひとりがどう選択してどう頑張ったかとかどんなミスをしたかとかって実はミクロすぎて全然関係なくて、大きな流れに巻き込まれ続けるだけなんだよ。人権とかがあって努力とかができると思ってないとしんどいからそう思ってようねってなってるだけで。どんなに考えて選択した環境も行動も、後から自分とは関係ないところで根底からひっくり返され続けて自分にはもはやどうしようもないような状況っていっぱいあって、それで得したり損したり人生みたいなもの全部きまっちゃって、考え方とか性格とかそういうのも全部遺伝子の運と環境のあと付け。自分以外のなにもかもが自分の手ではどうにもならない以上、どんなに自分なりに頑張ったところで、正解の人生になんて辿り着けない。なにかに失敗しているか、失敗したことになる。正解に辿り着けたとしたらそれは、とても狭い世界を見ているか、抜群に運がいいと思うけど。

わたしが今働いている業界だって、動物愛護とかサステナ的には不要で残酷で最低だって訴えられていて、本当に全部の流れがそうなったら終わりだし。それでもわたしにはそれしかないし誇りがあるからしがみつきたいと思うかもしれない。そして世界から置いていかれるか、結局は必要だよって許されていくのか、わかんない。今はすごいね、いいねって言われていてもいつ手のひらを返されるかわからない。でもわたしは今生きていて今の正解をいつかのために手放せない。だってそんな世界にはならないかもしれないし、別のあらゆる仕事にだって常にリスクはあるのだから。それがどんなに正しく見えても。

うまいこと潮流を読んで常に「良い」とされてるほうに逃げられるような人って一握りで、しかもそれって感情的にはそんなにいいことでもないただの生存戦略。生きるために生きてないもん。やりたいことのためにってそういう人ほど乗り遅れてずぶずぶになるんだねーきっと。頭悪くてごめんね。イライラしちゃうよね……。

あーあこんなことで「アイドルも同じ世界に生きる人間」と心底思うとは!

いや普通に苦しいし、いろんなものの意味が書き換えられていく中で書き換えられてしまったものでも背負って最後まで人生やらなきゃいけない側のことばかり考えてしまう。本当に一発でドカンと破滅してしまうならそれでいいけどそうじゃなくてジワジワとなんて酷いね。誰かとかじゃないよ、他にそもそも明確に苦しんだ人とかいるし、全部仕方なくてでもこういう一人称視点で見たらこんな世界、ってはなし。

どれもこれも全部、時間が解決するでしょうからほうっておいてね。世界がどうなるかなんて誰にもきっとわからない。それが人の心をかき乱しあらゆる欲望や正しさへと走らせるけど、でもそれだけがつねに希望でもある。どうせ余生だし、なんてどんなときもあかるく生きようとするのは自分。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?