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Anne
2020年2月13日 22:48
予想外だった。ただ、想定の範囲内ではあった、はず。『サキへ……いや、佐紀子へ』緑に光るペンライトで埋め尽くされた客席から、さきこぉ!と声が上がる。やめてよ、違う。あたしは佐紀子なんかじゃない。まだ今日が終わるまでは、あるいはあと数十分でいいから、サキのままでいさせて。『お母さんから見た佐紀子は昔から変わらず、いつも大人しくて、ぼーっとしていて、本当にアイドルをやっているのか、はじめのうちは信