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苦しまず楽に三文ぐらいの感想を書きたい人のためのノウハウ

このブログは、
「天才的な作者様方に感謝の気持ちを送りたい!でも語彙力がねえ!っていうかどう書けばいいのか分からねえ!
……などと思っている人のためのブログである。

一応他分野にもある程度応用は効くと思われるが、二次創作作品、特に小説についての感想を主眼として書いているので、注意されたし。


初めに

先に言っとくと、感想書きとはパターンゲーである

……この言い方は少しよろしくないかもしれない。正確には「フォーマットに則ればそれなりの感想は書ける」と言った方がいいだろうか。

感想というのは要するに、「貴方の作品を読んでどう思ったかを伝える」為のものである。であれば、別段大して凝った感想を送り付ける必要はない。ただ「この作品を読んで」「こういう感情の動きがあった」ということだけが伝わればよい。最低限それだけ作者に伝わっているならば大抵の作者は喜ぶだろう。創作家というのはかくも単純な生き物である。

どのくらいの長さで書けばいいか

当方、数年来の感想書きにして年に数百件の感想を書き殴っている狂人ではあるが、その経験から言わせてもらえば、一般人の楽に書ける感想は三文程が限界である。何なら慣れている人間であっても、とんでもなく性癖にぶっ刺さったとかでもない限りでは、三文程度が楽に書き切れる限界値である。

要するに、クソデカ感情マシマシ長文感想を書けるのは好みの作品でぶん殴られた狂人だけである。理性の残った素人が書けるような物じゃないし、下手に真似しようとすれば空中分解か爆発炎上必至である。相当のことでもない限りは止めておくのが賢明だ。

(逆に言うと、この文章を思い出すような暇すらなく言葉が湧き出してきたのであれば、そのまま本能に身を任せて感想を書き殴り続ければよい。その感想はまず間違いなく作者様の心を打つだろう。)

どうやって感想をひねり出すか

ここからは実際の、感想の内容を考えるにあたっての話だ。

三文、と先に言ったが、これは別段連続させる必要はない。というか、下記の通りに文を三つ書き出し、それを並べればそれで充分である。感想というのは感情の羅列であり、連続させる必要は全くないのだ。

以下に挙げるのは、比較的書きやすい「感想に入れると良い文」の一例だ。他にも「作中人物に言葉を投げかける」とか「この作品に出会うまでの経緯を語る」とか「作品の概要を語る」とか、とにかくいろんな手法があるが、そういうのは大抵総じて扱いにくい。ともあれ、これらの中から書けたものを三つほど並べれば立派な感想の出来上がりである。

1.感情を示す

別に感想書くからと言って、余計に気負う必要はない。

「貴方の作品良かったって思ってる人がここにいますよ!」とだけ伝えたいのであれば、「良かったです」と、それか作品によって「面白かったです」「唸らされました」「感動しました」「泣きました」なんて言葉を投げつければよい。そんな一言じゃ感動を表しきれない? なら!マークをぶちまければいいんじゃないかな。

「めっっっちゃ良かったです!!!!!!!感動しました!!!!!!!」

途轍もなく頭悪そうな感想だが、めっちゃ感動したんだな……というのは伝わってくる。

2.共感を示す

XX(任意のカップリング)いいですよね」とか書いておけば喜ぶ書き手は多い。特にカップリング布教系の作者に多い傾向である。「XXは幸せにしてあげたい、分かります」「XX可哀そう……可愛い……」とかも同系統。要するにこれは「作者様の伝えたいこと伝わりましたよアピール」である。

「やはりさとこいはすれ違いが似合う……お姉ちゃん可哀想可愛い……」

ただし、これで気を付けるべきはちゃんと本文の主人公格について言及するべきという点である。何故か? 基本的に、作者というものは書きたいものを作品の中心に持ってきたがるものだからだ。一番書きたかったことに理解を示されるというのは、それだけでも、テンションが、上がる。であるからとりあえず、主人公格や作中のメインカプについて褒めておけば、まあ、相当のことがない限り安泰だろう。逆にサブキャラについて褒める場合は、それを主人公格への感想に並べて配置する必要があることは、気を付けておきたい。

3.良かったところを引用する

「『(本文引用)』←ここ好き」

これは万能である。冗談抜きに最強である。場所が場所ならナーフされるレベルの万能武器である。

何故なら作者は自分の強みが分からないからだ。

この書き方さえすれば、作者はどこの表現が自分の作品で好まれているかが判断できる。褒められた表現は自信へ繋がるし、次回作でもある程度気を使われるかもしれない。感想が作者を育てるとはよく言ったものである。

ただしこれにも気を付けるべき点がある。長すぎる引用は宜しくないのだ。当然である。作者は別に自分の作品を読みたいわけじゃない。であるから数文からなる場合などは、最初と最後の数語程度を切り出すなどすると良いだろう。

「『寧ろ注意深く見たならば、……捕食者の如き鋭さも内包していたのである。』のところ大好きです」

或いは別に、冒頭部だけでも場合によっては問題ない。

「『寧ろ注意深く見たならば、』のあたり大好きです」

4.引用シーンをかみ砕いてみる

引用から一歩踏み込んで、好きなシーンのことを自分の言葉で表現すると、更にしっかりとした印象になる。有体に言えば「読み込んでくれている」雰囲気が出るということだ。別に必須事項ではないが、例えば引用部が長いときなどはこういう手法を使えると格段に読みやすい感想になる。

「こいしちゃんが出てくるところめっちゃいいですね!」

当然ながら、これの問題はある程度の言語力が必要であるという点だ。

特に難解で奇妙な作品だとかでは、なにが起こっているのか理解に苦しむことも多い。抽象度の高い作品なども同様である。

作者に「違うのだ……違うのだ……」と言わせたくないのであれば(そして読み解けている自信がないのであれば)、こういった手法を用いることを止めておくのも一手だろう。別に必須技能というわけでもないのだし。


終わりに

というわけで、どうだろう。参考になっただろうか。

当然のことだが、感想を書くからと言って必ず三文必要なわけではない。ちょっと長めの雰囲気を出したい場合に常人に書ける量の限界値が恐らくその程度であるだろうというだけであって、作者に届けることができるのであれば一文だけでも一向に問題はない。書けぬ三文より書いた一文である。

参考になるかは分からないが、ついでなので、当方のこれまでに書いてきた感想まとめへのリンクを貼って、本記事を締めようと思う。

この記事を読んで、感想を書こう、作者様方に感想を送り付けようと思い立つ読者が一人でも増えたなら幸いである。

https://togetter.com/li/1486775

https://togetter.com/li/1413736

(了)

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