講師は突然に、、、(その1)
「さくら、やってみるか?」
代表は唐突に言った。
「はい、やります」
僕も咄嗟に答えた。
作業中のPCから振り返り、一体なんの仕事だろう?ぼんやり妄想しながら次の一言を待った。
「よし、やるか、専門学校の講師」
代表はニヤリと笑った。
えええええ!そっち!!? 心の声が思わず口から飛び出た。全く予想してなかった。何か雑誌のリニューアルやロゴの作成など、新しいプロジェクトのクリエイティブかと考えていたのだから。
こうして僕は人生初の講師(日本電子専門学校グラフィックデザイン学科産学協同プロジェクト講師)を引き受けることとなった。
代表はいつも唐突である。「ちょっと、話がある」や「お前に頼みたいことがある」とかそうやっていわゆる社長室のような空間に呼び出したりはない。(なにかモラルに反することをしでかして呼び出されたことはあるが…) 代表なりに、できる人材、チャレンジさせたい人材に突然「やるか?やらないか?」の質問を突きつけてくる。
誤解のないように言うと、代表は誰でもいいから適当に選んだのではなく、適切だと思って僕に問いた。はず。
さすがに一瞬ほんとにやるの?と怯んだものの、任されたからには全うするのみ。
約15年前、高校の部活を卒業し、燃え尽きた頃の僕に、おまえは将来何になりたいんだ?と聞いたらおそらく「教師」と答えるだろう。でもそれは単純に部活の顧問がやりたかっただけで、人に勉強を教えるつもりはなかった。
それでも一瞬は将来描いた先生になれるのだから不思議なものだなーと思いながら仕事を続けた。
僕からだした課題はこんな感じ。
わりと自由だし、いかようにも作れる課題。
この課題で僕が特に注力してやってもらいたいことは、ざっっっくりいうと一つ。
なるべく現場でのデザインまでの工程を再現させてあげること。ただただ何か商品のデザインを作るとかは、僕が呼ばれた意味がない気がしたので、現場と同じく、リサーチからはじまり、そこから浮き上がったものを考察、それに基づいたグラフィックへの着地、展開を生徒さんに課すように設定した。
地に足のついたデザインをしてほしい。代理店の担当の人に伝わるだけでなく、その上の上司や、代理店の向こうにいるクライアントの担当および、上司、さらには取締役。そこまで数多くの人の手に触れても疑問が湧かない、確固たる裏付けに基づくデザイン。ゴニョゴニョ言うとそういうものを作ってほしい。
たとえまだ、うまく形にできなくても、小手先だけでするデザインよりよっぽどマシだ。と僕は思っている。特に学生のうちは。
普段人前で喋ることのない僕が、当日40名近い人の前で喋ることになったのだが、スパルタ塾で何回かプレゼンさせてもらったせいか、比較的ほどよい緊張感の中で頭の中を整理しながら話せたのは良かったと思う。(あの先生何言ってるかわからんかったと思う方いたらごめんなさい、、)
今回、僕の他にも4社オリエンにきていたのだが、1社目ということもあり、皆さん集中して聞いてくれたみたいで質問もいくつか出て純粋に嬉しかった。ああいう場で質問するってやっぱ勇気がいる事だし、前のめりじゃないとできないことだから。もちろん僕は専門学校時代なんて質問できなかった、そして、しようとしなかったタイプ。
だからすごい感心した。僕が専門の時知り合ったヤンチャでガラの悪そうな集団もいないし 笑
そんなこんなで11月中頃には中間プレゼンがある。
自分の地元ならではの強みだったり特徴、その土台に自分だけにしかできないオリジナリティをかけ合わせた企画の種が発表されることを期待している。完全な正解なんて僕にもないのだから、とにかく思いっきりやってほしい。
来週は「講師は突然に、、、(その2)で生徒さんの企画プレゼンの模様なり雑感」を書いていきます。
また来週!!
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