幼児健診あるある②#偏食
幼児健診には、
私のような心理職が従事する発達相談のほか、
栄養士さんが行う「栄養相談」がある。
どちらも希望制で、
両方受けることも可能。
「離乳食からの移行がスムーズにいかない」とか
「あまり噛まない」などの相談は、
栄養士さんのフィールド。
「座っていられない」とか
「自分から食べない」などの行動面の相談は、
心理職のフィールド。
…という棲み分けにはなっているけれど。
そうはっきり、くっきりと切り分けられないのが子どもの相談。
食事と発達の悩みで、1番シンクロ率が高いのが「偏食」だ。
なかでも、
「園では食べるけど家では食べない」
↑これ結構多い。
同じ食材、同じメニューなのに、
園では食べるけど、家では食べない。
親からすると、ナゾでしかない。
その子ならではの事情があるのだろうが、
発達心理の視点からは、こういう見方がある。
以前、
コップ、スプーンの使用と社会性との関連について、書かせていただいた。
(その記事はこちら↓)
園の食事は、集団活動の一環として行われる。
皆と一緒に、という社会的な場面。
そうした環境のなかで、
園では、食事の理解が自然と深まる。
お友達というモデルがいて、周りを見ながら、
自分の食事の道具を揃えたり。
食器を運んだり。
一つひとつ準備をしながら、
食事に向かっていくプロセスがある。
そして、
周りが食べている様子に
背中を押されるように食べ始める。
入園がひとつのきっかけになる、
そんな子どもも、なかにはいる。
スモールステップで取り組む、
園の先生方の努力が実を結ぶこともある。
(時々、園訪問に行くが、その対応のきめ細かさに頭が下がる)
少し前だが、
相談した親子に、
園では食べるシチューを家では食べないという子どもがいた。
ちなみに、中に入っている具材は同じ。
その子は5歳。入学間近の年長さんだった。
私のなぜ?に、その子はキッパリ答えた。
「味がちがう」
ああ。
なんだか、すごく腑に落ちた。
私たち大人から見ると同じ1つのメニューだが、その子からすると別個の2つのメニューなんだ。
その子はかなりの偏食で、
元々、食べられる範囲が狭い。
入園して少し範囲が広がり、
最初は口にしなかったシチューを食べられるようになった。
しかし。
家のシチューは別メニュー。
それが食べられるようになるには、
またさらに、別のチャレンジが必要ってことなのね。
親が気がつかないところで、子どもたちは結構、チャレンジしている。
たぶん、チャレンジの連続。
そんな目線でふと我が子を眺めると、いつもより少しだけ優しくなれる。(気がする)
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