見出し画像

P.5 転換地点

僕の人生における大きな転換地点が30歳の時に訪れます。

きっかけを作ってくれたのは母でした。

とある精神保健福祉士の方のセミナーの開催をどこからか見つけてきてくれて僕と一緒に会場まで行ってくれました。
しかし当時の僕はまだ外出するだけで精一杯。
とてもとても役所の会議室に数時間(と言うか数分も無理)も座っているなどできなくて、母は会場で公演を聞いて僕は駐車場の車の中で予期不安と格闘という形でした。

セミナーが終わり母が車に戻ってきたのと時を同じくして、セミナー主催の精神保健福祉士の方がチラリと車の中を覗き込み僕と目が合います。
お互い軽くぺこりと挨拶。
その時にはこの方が僕の命の恩人になるとは微塵も思っていませんでした。

帰宅後、母から講演の内容を聞いたと思いますが全く覚えていません。
しかしAさんの勤務されているデイケアを知り、母の進めもあってかそのデイケアに入所の面談に行きます。

その時の面談担当の精神保健福祉士の方が、僕の第二の命の恩人になります。
面談時に「大変でしたね。さぞご苦労されてきたのでしょう。」と言われた瞬間に、「あぁ、この世に僕の苦しみを理解してくれる人が居るんだ」と思い一気に気持ちが楽になったのを今でも鮮明に覚えています。

そのまま通所の手続きをしてもらい、デイケアに通う日々が始まります。


僕一人では何もできませんでした。
うつが酷く何も手に付かず何かをしようと行動を起こす気力も体力も無い。
パニック障害も拗らせていたので外出もままならない。
そんな時に動いてくれた母への感謝は言葉に言い表せないほどです。
セミナーを開催してくれた精神保健福祉士の方にも、面談で女神のように見えた(笑)精神保健福祉士の方にも感謝の気持ちでいっぱいです。
この出会いが僕を変えてくれたのです。


周囲のサポートを受けながら回復への道を見つけることができました。
元気を取り戻してきた現在、立場を逆にし、サポートする側にまわれるようになりたいと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?