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稽古で悔しいって思う時も、はっと新たな気づきがある瞬間も、全部すきで大事にしたい。

『性をテーマとした語りと即興の実践』、あっという間に気づけば公演の本番まで一ヶ月を切った。毎回、テーマの難しさや繊細に扱いたいって部分も含め悩んだり模索したり、自分なりに迷うことあるけど、一つ一つの稽古での気づきが沢山あって楽しい、興味深い。

そして私にとってすごく嬉しい自身に対する発見の一つが、私は他者と共に興味のある分野について学ぶのが好き、ということである。
いや、字面だけ見るとそんなの当たり前じゃん、て感じかもしれんけど。勉強自分でやるなんて無理だよーて自主的にやることを苦手としていた私にとっては、世紀の大発見みたいな気持ちだった。

下記の『性をテーマとした語りと即興の実践』の稽古日記でも、学ぶの苦手意識あったけど楽しい!ってことについて触れている。

そう、全くもって自慢じゃないけど、私は座学とか勉強が得意じゃない!というか眠くて頭に入らないことが、多い。学生時代、授業の爆睡常習犯で、ハリセンの洗礼を恩師から浴びたの、もはや懐かし…というのはまた別のお話笑。

話がそれました…とにかく上記のnoteに書いたマイズナーテクニックの基礎的な内容シェア会では、実践的にワークをやる時間が多かったのもあってわくわく取り組めてよかった。

でも他の稽古や時間でも、振り返ると一気に色んなこと覚えるのは無理でも、私自分で思ったより積極的に学びたがってないか?と最近気づいた。
もちろん参加する!て嬉しくて勢いで言ったとはいえ、出演が決まった時、勉強せねばという思いはあった。
様々な意味を内包しているこの「性」という言葉において、私が最も最初に頭に浮かべると同時に知識がないとコンプレックスのように感じていたり、知っていかなければ、という思いがあるのが、「ジェンダー、セクシュアリティ」だった。LGBTQ当事者ではないからこそ考えねば、と緊張もしていたし、今もプレッシャーはある。企画側として参加する時点で、より一層繊細に物事を扱うことは大切だとは思っているし、実際にメンバーの皆が細かいところまで配慮していることに助けられると同時に、そこまで自分は考えが及んでいなかった…!と内心落ち込むこともあって。

でも、今同時にこの日々が自分にとって大切で、尊敬している座組の皆と話し合ったり考えを共有して、語りと即興に向けて稽古していけるのが嬉しい。自分一人じゃ私はこのテーマに触れて他者とも話そう、色んな性に関する作品をみよう、て地点に辿り着けなかったのではないかと思う。私の考えを率直に迷いながらも言っていいんだ、て思えたり、答えはないからこそ試行錯誤していくその過程は、勇気がいるけど、話し合っていけるということが心強くて。

そういえば、結構何年も前、多分10代だったか、地元の図書館でマンガでわかるLGBTQ+、の本が紹介されていたのをみたことがある。

ふと目に止まったのになぜかそのとき、私はよくわからないや、て手を伸ばせなくて。それから月日が経って、SNSでもパレットークというアカウントでLGBTQ に関するマンガが載っているのをたまたま見かけて読むようになった(当事者の友人から話を聞くようになったりして、前よりも実感をもって知りたいという姿勢に変わっていた時期だと思う)。

この間LGBTQ勉強会に参加した時もその本が紹介されていて、私は地元の図書館にたしかこの本あったなぁと思い出し、今度は迷わず借りに行った。
『性をテーマとした語りと即興の実践』の稽古では、作品シェア会の時間があって、お互いのおすすめ本などをそこで共有する。家で一人で何か読みながらも、こんなことみんなに話したいなぁて思える。
誰かに伝えたい、考えがそれぞれであっても尊重して分かり合いたい、各々が生きやすさを模索できる環境だったり、一緒に学ぼうって語り合うことができる人がいることは、学びの最大の力になる。もちろんこれは性に限らず、そうだとも思う。

正直ずっと一人で悩んでいたことも今まであったんだなってこの企画を通してやっと気づけた部分もあって。自分はどこかセクシュアリティにおいて感覚が変なのかな、とかLGBTQ当事者ではない自分は当事者の友人の思いを理解し寄り添うことができていなかったと後悔したこととか。
完璧な正解がないからこそこれからも迷うことって色々あると思う。世の中だってもっともっと生きやすい方向に変えていくのには、悔しいけどきっと時間がかかる。

そういう一つ一つのもどかしさや葛藤に向き合う時、知識は頼りになる。悩んだ時の助けとなる、それを今やっと体感し始めているところで。だからこれからの私は、性に関することで何かためらった時は、今までのようにただ膝を抱えてうわー私はダメだぁとなるのではなく、読んだり話したりして自分にとっての解決を模索する人でありたい。
過去の自分に向けて、勘違いしそうなので言っておきたいのだが、うわー私はダメだぁって思うことは決してダメじゃない、少なくとも今の私にとっては。君は信じないかもしれないけれど、それだけ苦しむ時間を必要としたのは、本当にそれが自分にとって向き合いたくて大切なものでもあったからだと思う。
痛い、て躓いた時間をどうか否定せずにいてほしい。きっとそれは誰かの立場や辛さに思いやりをもって考える力にもなるはずだから。それで知識や経験もこれからもっと増やせていけたなら無敵じゃない?そう信じて進み続ける。

誰しも始めから傷ついたり傷つけたりしたいわけじゃないって思うから、お互いを守ったり大事にしていくために、私は学んでいきたいし、たくさんの人とそういう時間を過ごせたら嬉しいと思います。

さて、ここまでブワああと思うことをつらつら書いてしまいましたが、お付き合いくださった方、聞いてくれてありがとうございます。

10月7日に『性をテーマとした語りと即興の実践』が本番となるのをどきどきしつつも沢山の人と会えることを心待ちにしております。

ぜひあなたとこの場を共有できたら幸いです。



『性をテーマとした語りと即興の実践』公演詳細
テーマについて語り、時に即興表現を試行することで、考えを深めたり視野を広げることができる場を目指しています。
語りのパートについては、出演者・お客様ともに語ることができます。(人数の都合上、希望者全員が語れるとは限りません。)また、語りたい人が挙手する形ですので、自分は語りたくはないが人の話を聞きたいという方もぜひお越しください。

●日時
10月7日(土) 14時・18時
各回約90分
※開場は開演の20分前になります。

●場所
高円寺K’sスタジオ本館
東京都杉並区梅里1-22-22パラシオン高円寺B1-100号
丸の内線東高円寺駅より徒歩5分
※新館ではないのでご注意ください。

●出演者
daira
海原優騎
佐竹謙伸
石巻遥菜
ゆうり(獣の行進)
福本桜

●場づくりのサポート
よしこ

●音響・照明・受付
会原実希

●宣伝美術
森口大和

●料金
2500円

●共有事項
・いわゆるエンタメ性をあまり重視していません。性について語ったり聞いたり、考えを深めることができる場を目指しています。
・性に関する表現が即興でなされる可能性もあります。
・お話いただく際、特定の性別や性のあり方・人種・障がい・職業などを否定する発言もしくは場の安全性を脅かすと企画側が判断するような発言・行動をなされた場合は、注意をさせていただくか、退場いただく可能性があります。その場合の返金は致しかねます。
・参加する皆さまが安心して語ったり聞いたりできる場を目指しておりますが、意図せず不安にさせてしまう発言や表現が場に出てしまう可能性もあります。もしつらいと感じられた際は、許可を得ずとも途中退出していただけます。ご自身に無理のない形でご参加いただけますと幸いです。


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narrative.improvisation@gmail.com


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