とりとめ日記(124)鏡の向こうのトート閣下

二月某日。三連休最終日。花組公演『エリザベート〜愛と死の輪舞〜(2014)』を観た。一回目は華麗なる世界と歌に酔いしれ、明日海りおさまの美しさと横顔のかっこよさに痺れて本編をよく理解せず終わった。二回目でぎりぎりの理性を保ちながら鑑賞し、泣いた。なんて深い歌劇なんだと。
おそらくトート閣下は「もう一人の自分」を表している。エリザベートが絶望するたびに死を囁き愛を乞い惑わそうとして、拒絶される。それって今をなんとか生きている私と同じだと図々しくも感じた。
トート閣下とエリザベートのやりとりからは「矛盾と葛藤に苛まれながら、それでも生き抜く」という強いメッセージがある。

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