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家の内外

今年はすでに2回渡米。その間に、気づいたことなど。
アメリカにはHome Owners Association (HOA)というのがある。
話を聞いていると、日本のマンションの管理組合に近い感じ。
基本的には住民の代表からなる理事会があって、管理会社があって、
住民は月々の管理費を払って管理会社にいろいろやってもらっている。

んだけど、そのやってもらっている中身が結構日本と違う。
面白いのは家の内外の感覚。
日本人から見ると、庭はある意味、敷地の中だから私物。
どうしようと私の勝手……的なところがある気がする。
ところが、どうも、アメリカでは、玄関に面した前庭は、かなり公共の場的な位置づけになっている……もよう。

従って、管理は各自の責任だけれど、一定レベルの公共性を求められる。
ので、前庭に雑草がぼうぼう生えていたり、ゴミ箱などが放置してあったりすると、HOAから警告が来る。
で、実際に知人の家に、警告が来た。
ちなみに、そのお隣さんにも傾向が来た。
知人宅は雑草問題で、そして、そのお隣さんは、ガレージから出した粗大ゴミを放置したために……。

知人は、速攻で管理会社に電話して、速やかに対処しますと言ったらしい。
1週間以内になんとかしないと……。
というけれど、私から見ると、夏場草むしりをさぼった我が家の庭に比べたら、ものすごくきれいなんですけど……お宅のお庭、状態だったので、
一体どこが問題なの? ときいてみた。
すると、背の高い雑草がそここにあり、駐車場のあたりにも雑草が出てきているのがまずい、と。
ついでに「それを放置しておくとどうなるの?」ともきいてみた。
そうしたら、「罰金!」なのだそうな。
ビックリ……。

効果てきめん、知人宅はあっという間に雑草むしりを完了し、お隣さんのガレージ脇にならんでいたものはガレージの中に収まったのか、きれいになくなっていた。そりゃそうだ、そんなことでお金とられちゃねぇ。
そして、その翌日、お隣さんには植木屋さん(庭師さん?)が来て、芝生の手入れ。
「ってことは、芝生も文句言われたのかも」
と知人。厳し〜い。芝生も伸び放題だと文句言われちゃうのか〜。
驚いている私に、家をきちんと手入れしていないと、家の評価も下がるし、
犯罪も増える、と知人。
確かにね。道路にゴミが散乱していたり、落書きがひどい地域は荒れた感じがするし、そこにひっこしてこようとは思わないよね、と、納得。

ちなみに、この前庭はパブリックスペースという感覚に関してもう一つ言うと、パブリックスペースだから、パジャマで出たりするのは基本NG.
知人宅にはカフェテーブルがあるのだけれど、朝ご飯をそこで食べる時も、
もちろん、パジャマはNG。
ホテルで、スリッパは室内、部屋から出るときはゆかたもダメだし靴に変えてくださいっていうのに、似ている。
ちなみに、お隣さんが前庭でパーティーをやったときは、
ご近所さんもちょこちょこ顔を出していた。
これが裏庭だと、プライベート感がアップし、声をかけていない人がくることはなさそう。

そう思うと、人目につくところの雑草は、パブリックスペースだと思ってとった方がいいということよね……とちょっと反省。

得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)