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家事シェアの究極の目的は? 介護と家事シェア

このところ、家事シェアの講座をするときによく話すことの一つが、
家事が全くできない夫に介護されるのは不安じゃないですか?
という話。

なんてひどいこと言うの?
という人もいるかもしれないけど、
最後妻が夫を世話して看取るという
幻想を抱いている人が、講座なんぞをやっていると
割とおられるような……

でも、確率としては半々でしょう。
どっちが先に倒れるかなんて。
でもって、先に倒れるのが妻だった場合、
家事のできない夫だと、家事もできないのに介護まで
期待できるわけがない……というのか、
行き届かない介護をされちゃうことは目に見えている
というのか……。

介護に回ったパパは、突然家事と介護に終われ
結果、先に倒れてしまう……というパターンは少なくない。
先日、知り合いがご実家のお父様と数日間連絡がつかず、
ご実家に様子を見に行ったところ、お父様が亡くなってる
脇に、認知症のお母様が座っておられた、と。
私の直接の知人で二件目。
それほど、家事と介護が両方降ってくるって、一大事なのだ。
だから、そうならないように、
本当に日頃から、家事は分担しておくに限る。

その手前の段階でいうと、
どちらかの親の介護が必要になったときに
家事のできない夫を親の介護に派遣しても
即戦力になりにくい……ことは目に見えている。
逆に、妻が介護に出て、家事をしない夫のいる家に帰ったら
そこでもうワンラウンド家事が待っていることになる。

と思うと、年齢が上がれば上がるほど、
家事が分担できれいる夫婦の方がものごとを
スムーズにまわせるようになる。

じゃぁ、どうやって家事をシェアしていくかというのが
家事シェア講座の中身になるわけだけれど、
端的に言ってしまうと、自分の思うとおりの家事をやってくれなくても
文句をいわずに
彼が一人で完遂できる家事を一つでもふたつでも増やすに限る。
もう、任せたら忘れられる、そういう家事がいくつあるかが
勝負の分かれ目とでもいうのだろうか。

ちなみに、この間の家事講座の時に、夫は仕事で忙しくてとても頼めない
という意見が出た。
私もヘトヘトだけど、彼もヘトヘト。
だから頼めない。
う〜ん。私もヘトヘト。彼もヘトヘト。だから、分けた方がいい
のになぁと思う。
と同時に、体を動かしたり、声を出したりは気分転換にもなるから、
多少の家事は、何もせずに一日寝ていたりテレビを見ているより
健康的なんではないだろうか……とおも思う。
家に帰ったら、仕事のことがちょっと頭から離れるのは
家族がいたり、家事や仕事以外のことをやるからだ。
と思うと、別にすごい家事をやらなくても、何かちょっと無心になって
取り組んでみるのは案外ストレス解消になると思う。

私の周りには、鍋を磨くのがストレス解消……という人が何人かいる。
ちなみに、私は、包丁を研ぐ。無心になって包丁を研ぐ。
それでびかびかに研ぎあがった包丁でスパンとトマトが切れると、
とてもいい気分。



得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)