totonoiさんと話す

谷中に引っ越そうと思ったのは、
母の様子を見るのに、もう少し今より近くに越した方がいいだろうと思ったというのがメインではあるけれど、もう一つは自分の老後(いつから老後なんだろう)の準備というか、老後のための実験を元気なうちにやってみようと考えたからだ。

例えば、年をとってくると、家がバリアフリーであることは重要。
それは、父が58で脳梗塞で倒れたからよくわかる。
しかも、父はその時、確か、2階にいたのだ。
そういうこともあって、若い頃から60以降に住む所は、お風呂とトイレと寝るところと食べるところが1Fでなければ、と思ってきた。
今、階段を上れるから、明日も上れる保証はないというのを、私は父が倒れて20代で思い知らされた。そして、つい先日も、母の70代の友人が、2階で寝ていて、足腰が立たなくなり、救急隊に下ろしてもらうという事態が起きた。

そう思うと、バリアフリーもだけれど、1Fに生活の基本が集中していることはとても重要。
でも、それだったら、管理の大変な戸建てよりも、マンションの方がいいんじゃないかという考えもあるわけで。
そして、今から大枚はたいてマンション買って引っ越すのがいいか、
安い賃貸でいくのがいいか、あるいは、
1階だけでもリフォームしてバリアフリーにするか、
なんていうことを、どこかで具体的に考えなければと思っていた。

そして、もう一つ、一戸建てで暮らすのと、マンションやアパートに住むのでは、光熱費始めどれくらい違うのか。生活費も、全く一人でやってみるとどうなのか……といったことを、体験しながら考えて、対策をたてられるといいなぁ、と思っていた。

さらにいうならば、25年ずっと同じ家に住んでいたので、
それなりに荷物があり、それも、どこかで一度
片づけたいと思っていた。
もちろんね。
思うのは簡単。
でも、実際に、いつやるかっていったら……。

今回の引越は、母をいいわけにして、
そういう自分の中にあったあれこれの疑問を清算するための引越だった。
いつまでここにいるかもまだはっきりはしていないけれど、
向こう10年住むことはないだろう。
ローンを組んだりということが起こるなら、当然年齢的なリミットも
あるわけで。

幸か不幸か非常事態もあって、あまり外にも出られない。
この間に、少しずつ情報を集めることも考えようと、
暇な時にネットであれこれ検索している。
それでたどりついたサイトの一つがtotonoiさん。
Style&Deco (すみません、こういう英文のチェックを生業としている
私としては、eと&とDの間にそれぞれスペースが入るよとかって
思っちゃうんだけど、まぁ、それはともかくとして)というリモデルなどをやっている会社が提案してる、不動産コンサル的なお仕事です。

totonoiは、これからの50代の「住」をその生き方に合わせて整えることの提案を中心に、大人が心地よいと感じる家以外の居場所、「大人のサードスペース」づくりも行っていきたいと考えています。不動産のプロの視点と大人世代の感性、そして、これまでリノベーション設計で培った知見を生かし、大人世代が自分の暮らしをもっと楽しみ、広げ、深めるための場を、不動産オーナー様や地域の方々とつくり上げていきたい。そして、同じ思いをもった大人たちがが緩やかにつながる場と生き方を提案していきたいと考えています。

いいじゃん。と思って御連絡しました。
年明けからSさんという方にコンサルしていただいています。
最初に2時間くらいZoomでお話して、あとは基本メールでのやりとり。
でも、なんというのか、売らんかな、
ガツガツというビジネス展開ではなく、
いろいろなアドバイスをいただき、気づきをいただき、
こちらも情報提供して……というやりとりが続いています。

これはこれで、老後に備える過程にいる私にとってはとても
大切なことなので、こちらも折々、記録に残していきたいと思います。



得意技は家事の手抜きと手抜きのためのへりくつ。重曹や酢を使った掃除やエコな生活術のブログやコラムを書いたり、翻訳をしたりの日々です。近刊は長年愛用している椿油の本「椿油のすごい力」(PHP)、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」(光文社新書)