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コードの機能を感じながら曲を聴くとハーモニー感覚が養われる

コード進行を柔軟に作ったり、コードへの対応力を上げるためのトレーニングとして、

「コードの機能を感じながら音楽を聴く」

というやり方がおすすめできます。

こちらで、その詳細について書きます。

※当記事はこちらのポッドキャストの内容を編集/再構成したものです。


コードの機能三種

コードの機能には、大きく分けて

  1. トニック(安定)

  2. ドミナント(不安定)

  3. サブドミナント(少し不安定)

の三種があり、例えば「Cメジャー」のキーにおいては、

  • コード「C」=「トニック」

  • コード「G」=「ドミナント」

  • コード「F」=「サブドミナント」

がこれに相当します。

このような点を前提としつつ、

「音楽から生み出されているハーモニーが三種の機能のうちどれに相当するか」

を考えながら聴くというのが、冒頭で述べた「コードの機能を感じながら聴く」という行為の具体的なやり方です

これに適しているのは、いわゆるカラオケなどで歌えるような「ハーモニーとメロディラインがはっきり感じ取れる曲」で、かたやダンスミュージックのような、リズムを強く押し出すような音楽はこの聴き方にあまり適していないといえます。

コードの波

これを実施するうえでポイントになるのは、「コード進行の波」を感じる、という点です。これは、例えば、

「トニック(安定)のサウンドがサブドミナントのちょっとした不安定なサウンドに展開したなあ」

とか、

「サブドミナント(少し不安定)がより強まってドミナントのさらに不安定な響きに変化した」「そしてそれがトニックの安定した響きに解決した」

などのように、機能の移り変わりとそれによって生まれる聴覚上の雰囲気の変化を感じる、ということを意味します。

これをやることでハーモニーの感覚が養われ、より具体的にいえば、「(思いついたメロディの背景に)こんなハーモニーがあるといいな」というイメージが、具体的なコードの機能やダイアトニックコードの度数によってより細かく発想できるようになります。

結果として、コード進行を自分のイメージ通りに組み立てるのが上手になっていきます。

弾き語りによる予備トレーニング

もちろん経験が乏しい状態で、音楽を聴いてそこで繰り広げられている「コードの機能」や「響きの役割」をいきなり感じろといわれても難しいところがあるため、これを実施するうえでは日常的に弾き語りなどをして、弾いているコードの響きとそのキーの中でのサウンドの位置づけを体感として紐づけておくことがポイントになります。

例えば、Cメジャーキーの曲を弾き語っていると、

  • 「C」のコード(トニック)を鳴らしたとき→そこからすごく安定した雰囲気が感じられる

  • 「G」のコード(ドミナント)を鳴らした時→そこからすごく不安定な響きが感じられる

のように、弾き語りを通して各コードが実際にどのような雰囲気を生み出しているかを体感することができます。

さらに細かいところでは、Cメジャーのキーにおける「Am」のコードはトニックの安定した響きをマイナーコードでアレンジしたようなサウンドを持っていますが、そのような微妙な違いも弾き語りをやることで感じ取ることができます。これはその他のコードについても同じです。

特定のキーの中で扱われているそれぞれのコードサウンドを、キーの中での位置づけによって把握することができますが、こちらでテーマとしている「コードの機能を感じながら音楽を聴く」という作業は、そこで身につけた「ハーモニー感覚」を腕試ししていくような行為に近いです。

これをよりトレーニング的に行うなら、

  1. 音楽のコードの流れをまず聴きながら予測する

  2. その後に(ネットに公開されているコード譜などを用いて)その曲のコードが実際にどのような構成になっているかを確認(=答え合わせ)する

というようなステップを踏めるとより望ましいです。

あわせて、これを実施するうえでは

そのキーのダイアトニックコードを前提としながら、コード展開を度数で捉える

という点が重要で、コードの流れを度数によって捉えることでコード進行の構造が理解できて、それぞれのコードの機能的役割が明確になります。そこから、身につけたハーモニー感覚や知り得たコードの展開を、キーという枠組みを問わず自分の曲に流用していくことができるようになります。

耳コピ的音楽鑑賞

つまるところ、この「コードの機能を感じながら音楽を聴く」という行為は「耳コピ」の作業に近いといえます。

音楽を聴き、その内容を音感やリズム感を駆使して自分なりに解釈し、それを自分でも描写する作業が「耳コピ」ですが、聴いた音楽のハーモニーを機能で捉える作業は、このうち、

「音楽を聴き、その内容を音感やリズム感を駆使して自分なりに解釈する」

というころまでやってる状態だといえるからです。

【メモ】あとは、それを楽器で演奏したり、ノートに書き出したりすれば、そのまま耳コピの作業になります。

これを踏まえると、ここでテーマとしている「コードの機能を感じながら音楽を聴く」いう行為は、「耳コピ」を日常の音楽鑑賞に落とし込むような作業でもあると解釈できます。

これを習慣にすることで必然的にハーモニーの感覚は養われ、曲を作る際に「ここでこんな響きがきたらかっこいいな」とか、「このあとにこんな感じでハーモニーが展開していってほしい」というようなサウンドをイメージできて、それを実際に表現できるようになっていきます。

ハーモニー感覚を鍛える意味で、ぜひこの「コードの機能を感じながら音楽を聴く」という行為を習慣にしてみてください。

(終)


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