【エッセイ】AIに訊いた「国の借金」#3
前回
国の借金というのは負債である。政府/財務省は負債のことばかりを盛んにアピールして国民負担の増加を正当化するが、当然ながら資産だって保有しているはずである。
この資産についていろいろな見方があって、日銀の保有資産も含めるべきだという人もいる。実際、為替介入の場合には、政府の指示で、日銀に因って日銀の資産である外貨準備金が売買されるのであり、日銀の資産を日本政府が利用するわけだから、このような考え方に矛盾はないと私も思っている。
今回はそのあたりについてAIに訊いてみた。
私の質問とAIによる回答 第三回
(質問)
日本の財政を貸借対照表で示すとして、資産として計上するものは日本政府の保有するものだけではなく、日銀が保有する資産も加えるべきなのではないか?また、それを加えた場合、負債より資産の方が大きくなり、赤字ではなくむしろ若干の黒字になるという試算もあるが、これについて説明せよ。
(ChatGP)
日本の財政を貸借対照表で示す場合、通常は日本政府(中央政府)の財務だけが考慮されます。しかし、日銀(日本銀行)の保有する資産を加えることで、全体の財務状況が異なる見え方になることがあります。以下で詳しく説明します。
政府と日銀の財務
政府の財務:
資産: 政府が保有する資産には、公有地、建物、インフラストラクチャー、企業の株式(政府出資の企業)などがあります。
負債: 政府の負債は主に国債です。これは国内外の投資家に対する債務となります。
日銀の財務:
資産: 日銀の資産には、国債、外貨準備、その他の金融資産(株式、不動産など)があります。
負債: 日銀の負債には、発行した日本円、銀行からの預金、金融機関からの借入金などがあります。
貸借対照表の統合
政府と日銀の財務を統合した貸借対照表を考えると、以下のようなポイントがあります。
日銀の国債保有:
日銀が保有する国債は、政府の負債である一方で日銀の資産です。これを統合して考えると、政府の負債と日銀の資産が相殺されるため、全体としては純負債が減少します。
日銀の外貨準備:
日銀が大量の外貨準備(ドルやユーロなど)を保有していることも、資産としてカウントされます。これも統合後の貸借対照表の資産の部を大きくします。
金融緩和政策の影響:
日銀が量的緩和政策を通じて国債を大量に購入しているため、日銀の資産が膨らんでいます。この政策により、政府の借金が事実上日銀によってファイナンスされる形となっています。
試算と黒字の可能性
この統合貸借対照表を用いた試算によれば、以下のような結論に達する可能性があります。
資産の大きさ:
政府と日銀の資産を合わせると、合計資産額が非常に大きくなります。特に日銀の外貨準備や保有国債の価値が高いことが寄与します。
負債の相殺:
日銀が保有する国債分が政府の負債から引かれるため、純負債が減少します。
純資産:
以上の結果、負債よりも資産の方が大きくなり、純資産がプラス、つまり若干の黒字となる可能性があるという試算が成り立ちます。
結論
このような試算は、日本の財政状況をより包括的に理解するための一つのアプローチです。政府単体の財務状況を見ると莫大な負債がありますが、日銀を含めた統合的な視点で見ると、資産が負債を上回る可能性があります。しかし、これはあくまで試算であり、実際の財政運営や経済政策には多くの複雑な要素が絡んでいます。そのため、総合的な評価と慎重な政策判断が必要です。
ざっくり言うと
当然ながらあくまでも試算であるという前提でだが、政府と日銀の試算を合計したとすれば、日本の財政は赤字ではなく、黒字である可能性があるということ。
ここで非情に大きな要因というのは、やはり国債である。
政府が赤字国債と言って負債として計上しているものは、日銀が買い取って日銀の資産となっているので、まるっと相殺されてしまう。
この段階で政府の言う「借金」は帳消しになるのだ。
そして外貨準備金。
これについても、先日も行われた数兆円の介入によって為替があれだけ動く。日銀はこれを200兆円規模で保有しているという。円高の時に大量に買われた外貨は、円安時に莫大な利益を生んで膨れ上がっているということなので、円安の時に売却してもその利益の放出ということになるので、現金はそれほど大きく減少しない。
個人的な感想
やはりこういう試算が成り立つことを考えると「国の借金」という事自体が、政府/財務省によって流布された、国民負担率増加を正当化するためのペテンと捉えたくなる。
借金のアピールではなくて、統合された資産負債を完全に透明にして包み隠さず、日本の国家としての財務のプラマイをはっきり国民に提示し、また提示された国民はたとえ相手が国家だろうと、しっかりとそれに反逆し、悪政を打倒する気概を持つべきだと思う。
もちろん民主的に。
次回
「国の借金」については自分的に知りたいことは知れたように思う。
AIに問い合わせてみて、けっこう面白かったので、ついでにここ暫くで気になっていたことも番外編として訊いてみることにした。
次回、番外編1は、やはり気になる「増税」「国民負担の増加」「金融政策引き締め」のタイミングについてである。
(つづく)