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【現代詩】「output」#6


前回

欠片がそこいらじゅうに散乱してバラバラだバラバラになって光り輝きながらしかしその輝きの鈍さがあたかも自身を埋没させてその埋没の向こう側でチラチラと視線を横に滑らせながら他からの認識を得ようという腹黒さを秘めまるでそこに純真はなく小狡いその表情に私は私は目を背けたくなるしかし欠片よなぁなぁそのトチ狂いながらもまだ蠢いて深奥からの沸騰が破裂せんばかりにその表面に浮き上がっているのが解るぞなぁなぁ苦しかろう小狡い視線で憐れみを乞うのかなぁなぁその曝け出された姿態の醜悪さに振り向くのは断裂された思考と不具の凌辱に身悶える特異性癖に日々泣き腫らすあの連中くらいではないかしかしそれがきっと底からの望みなのだろうな光はあるか光はあるかなぁ光はあるかプランクトンの死骸で淀んでしまったその深海からぷくぷくぷくぷくと膨れた肢体を泡立たせて真意を晒せ欠片たち真正を顕せ欠片たちまだまだ居るぞ見回してみるが良い飛び散った断片をかき集め灰色に着色した阿呆面の神にくっせぇ柔軟剤を擦り付けて犯せその存在を冒涜してどこまでも嗤えそのためにこそ欠片おまえはそこに在れ

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