【日記】不定スーダラ週報20240115週
前回
なんでもいいから具合悪けりゃ病院いけ
日曜の夜から始まった夜勤の初日は特に問題もなくむしろ快調に進んで翌日深夜に隣の職場の人間がやってきて〇〇亡くなっちゃったじゃんと言い出しこいつがまた普段からとてつもなくいい加減な人間なのでなんだこいつは何を突然変なこと言い出しやがってと最初相手にもしていないなかったのだがしかし気にかかってしまったので当班の班長に訃報って回ってないよね?と尋ねてみたところそういえば回ってましたよ課が全然違いますけど〇〇さんて方と返答があり愕然翌朝に諸々情報収集してみたらどうも先週から体調が芳しく無く時々遅刻してきたり週末などはメンテナンス中に動けなくなってその場の同僚が家までおくろうかと進言するような状態だったようで当然上司同僚等先週はずっと病院へいけ病院へいけと何度も勧めていたらしいのだが本人はいやいやそのうち治るっしょみたいなノリで過ごしていたという彼は以前私の部下だった男で多少短気なところはあるが極めて実直生真面目で職場が繁忙な時に目を離すと休憩を取らずに作業をしていたりすることがあり食事と休憩はなにがあっても必ず摂れ休憩することで業務が遅れたとしてもそれはお前の責任ではない休憩を摂るのは従業員の義務であると諭さなければならないことも度々あったまたそういう人間なので有給休暇などもほとんど取得せず上司が人事からお叱りを受け強引に取得させるというようなこともあったしかししかしだそういう行動に出るという分確かに丈夫な男で私の知る限り体調不良で欠勤したことがないもしかしたらそういう自分の丈夫さを過信していたのかもしれない家庭は母親とふたりきりでその母親も大病でほとんど動くことができず日常の世話は彼がしていると聞いたことがあるもしかしたらもしかしたらであるが彼の脳裏には自分が病院にかかって入院にでもなったら母親の世話をどうすればいいのかという悩みがあったのかもしれないそうして我慢をしてしまったのかもしれない死者の意思を推察するのは野暮だし愚行だと承知してはいるがその生真面目さが結果として母親に大きな悲しみを与えてしまったのかもしれないと思うとやりきれない気持ちになる自転車で通勤途上に倒れ救急搬送されるときには心肺停止出勤してこないことを心配した上司が電話をすると救急隊員が出たようで急いで病院に駆けつけたが間に合わなかったということだタラレバもまた野暮また愚行ではあるけれどももしなんとか会社にたどり着いていてくれれば多くの従業員や守衛が処置をする各所にAEDは設定されているし従業員全員が緊急処置の講習を受けているし診療所には医師も看護師もいる実際構内で倒れ一旦心停止になった者が通りがかりの従業員に救われたという例がいくつかあるしそういう発作がおきた従業員は身体的にも負担の軽い職場に異動になり通院なども気兼ねなくできる体制ができているいやしかし倒れる前になんとか倒れる前に病院に行って欲しかった近所の開業医でもなんでもとにかく医師に診てもらって欲しかった若い人間が亡くなるということは周囲にも大きなショックを与える昨夜のお通夜で会った人間すべてが1週間近く経過した時点でさえまだ呆然としているように思えた