思春期の水曜日 其一九
一限の数学が終わった。噂話が駆け巡る時間は、少しずつ冷めていっている。短時間での、次の授業の準備やトイレを済ませる必要に追われ、学級委員に群がる人波もなくなった。
しかし、あたしもあのメモを見せられた時は何も言えなかった。
生まれる前から
まさに運命の人、と自信満々に誇る学級委員の姿に、驚きを通り越して絶句した。
国語の授業の準備をして、あたしは空想に耽った。運命は生まれる前から決まっているのか、そうでなく自分で創るものなのか。
どちらだろうと、学級委員の二人は天下無敵なのは一層不動のものとなった。
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