今日も誰かの編集者

世界は「言葉」で出来ている。

私たちは言葉なしでは考えることも、

何かを為すことも出来ない。


この文章が出来た時、「これは名文だぞ!」と
一人パソコンの前で喜びに浸っていた私だったが、
次第にそれが巷で使い古された普遍的な事実で
あったことに気づき、落胆する。

編集者・作家を生業にしている私にとって
言葉や文章というのは
それだけ必死に考えるに値するものであった。


私は「仕事中にマンガを読めるから」などと
かなりゆるい発想でマンガの編集者を始めた。

(そんな適当な理由で編集者になれるのかと言われれば
これが本当になれるのだから、世の中まだまだ捨てたもんじゃないと思う)

気楽に始めた編集職だったが、やってみれば
「なんて大変な仕事なんだ!」と
世の中を完全に舐め切っていた私は様々なことに頭を悩ます日々。


仕事中にマンガが読めることだって
それが日常になれば特段魅力的なことでなくなることも、

仕事量の割に給料が少ないことも、
(心の中でこっそり「出版ヤクザ」と呼んでいた時期もあった)

作家との打ち合わせはトラブルばかりで
精神的にすり減ることも

この仕事を始める前まで想像すらしていなかった。

(この時まで世の中に数多くある
「編集者の仕事は大変」などという話は
全部都市伝説か何かだと思っていた…)


しかし、まあ、私のこうした悩みも(職種はさておき)
大抵はどこにでもある「普通」なことに過ぎない。

だけどそれを「普通」で終らせ、腐らせ、
なかったことにしてしまうのは
非常にもったいない。

――いや、申し訳ないのだ、
悩んでいた過去の自分に対して、寄り添ってくれた人々に対して。

だから私は仕事の合間を縫い、作家としてそれらの出来事を
物語として紡ぎ続けている。

そしてこのnoteでは、そうした物語上では書ききれない
仕事での出来事や日々私が考えること、
面白かったコンテンツを書いていこうと思っている。

読む人が少しでも「ああ…これは痛いね」と
くすっと笑ってくれたら嬉しいです。

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

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