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呪われた遺伝子とクマ
親から受け継いだ『呪い』の正体ーー。
それがカウンセリング5年目(たぶん)にしてようやく見えてきた。
今回は所謂、『毒親からの呪い』と『民族の違い』についてカウンセリング中に話した内容とそれについての所感を書き記す。
※コンプラ案件に関しては【有料】となっておりますが、基本無料でも読めます。
既に持っているものの価値
みたざらし(※以下、''み")「あけましておめでとうございますー」
先生(※以下、''先")「あけましておめでとう、今年もよろしくお願いします」
先「あれ、ちょっと痩せた?」
み「いや、逆に太ったと思いますよ。年末は久しぶりに実家に帰って、お腹壊すくらい色々食べたので」
先「お、実家はどうだった?」
み「私は普段の生活が酷いもんだから、人ってこんなに豊かな暮らしをしてるんだなぁと感激しました。誰かと話しながら食べるご飯は美味しいし、あったかいお茶は飲めるし、こたつと暖房で快適だし。私の部屋、暖房つけても寒いのに実家では暖房なくても震えないんです」
先「それは実家にいた頃は思わなかったの?」
み「思わなかったです。なんというか…もはやあることが当たり前過ぎて。むしろあの家って寒いよなぁくらいには思ってました」
先「なるほどね」
み「そういう、自分が持っているものの大切さに気付いてないことが多いんじゃないかなって思ったんです。だから今年は新しいことじゃなくて既に持ってるものを精査しようかなと思ってて」
先「うん?」
み「例えば…私は完璧主義だから70%出来ても落ち込むことがあって。だけどゼロをイチにすることの方がすごいじゃないですか?だから100%にすることを諦めようかなって思ってて」
先「うん、なるほどね。ただ、完璧主義の人だとそれは少し難しいかもね。諦めるよりひとつひとつは小さくても100%に向けて重ねていく方が楽なんだ」
み「なるほど」
先「だけど確かに君の言う通りゼロをイチにするのはすごく大変だからそれはやってみたら良いと思う。何かやりたいこととかあるの?」
み「銭湯に週3で行こうかなって思ってます」
先「えっ!?」
み「あ…めっちゃ小さい話ですかね」
先「いやいや」
み「銭湯って小さい人間の集落みたいなもんだなぁって思うんです。銭湯に行くまでの道のりも、散歩するとよく見えてくる…そういうのをお風呂で気持ちよくなりながらみたり感じたりするのってすごく楽しい」
森の妖精はただのクマ
先「そういえば実家に帰った時、お父さんとはどうしたの?」
み「ああ、会わなかったんで」
先「え?同じ家なのにそんなことある?」
み「うち、二世帯住宅で一階が祖母宅、二階が実家なんです。で、私は父親と仲が悪いから二階に上がると母が嫌な顔をするんです。だから一階の祖母宅に寝泊まりするって感じですかね」
先「へえ、じゃあ、二人で過ごしたの?」
み「いや、祖母と祖父と私の三人でした」
先「ああ、なるほど」
み「はい。あ、でも、お土産は渡しました!一応、森のクマにお供えしとけば大丈夫かなと思って」
先「なるほど笑。儀式としてね笑」
み「そうそう!笑。ひとまず母親に『お父さんにも挨拶行きたいけど、コロナで行けそうにないからよろしくお伝えください』って言っておいたから大丈夫かなと。それで周りも納得してくれる」
先「儀礼さえしとけばクマに襲われることもないもんね」
み「前に送ったメールにも書いたんですけど、まずは曖昧なままのものを言葉にしたら倒せると思ったんです。何だろう、暗い森でずっと妖精に怯えてどこにも行けない状態だった。森を抜けた先に海があるって分かってるのに。
だけどある時、その妖精がよくよく見てみると実はただの森にクマだったってことが分かったんです。すると今まで森の中でただ震えるだけだったはずがクマをどう対処すれば良いか考えるとだけで良くなったんです。
そう、私はずっと正体不明の怪物の正体が分からないことに怯えていた。だから、まずは怖いものの正体を突き止めなければと思ったんです。そうすれば森の向こうの海にだって行ける」
先「狩場が同じなんだろうね。
君と君の父親はライオンで、ライオンはライオンを食べようとはしないでしょう?ライオンが食べるのはシマウマで、そのシマウマにあたるのが君の母親と弟なんだ。だからライオンの父親とシマウマの母親が一緒にいても上手くやっていける。そういう人を探すか、そもそも狩場を同じにしないことなんだろうね」
呪われた遺伝子
み「親の話ついでに、実は気付いたことがもうひとつあって…」
先「何かな?」
み「私、ずっと誰かに大切にされたいって思ってたんです。それは私自身が誰かに大切にされた経験が少なくてだからこそそれに憧れてきたから。だから私を大切にしてくれない人とは関わりたくないって関係を切ってたんですね。
でも、よくよく考えたら私が親に期待された通りの反応をしないと不機嫌にされたことが嫌だったのに、自分自身が全く同じことをしてるじゃん!って気付いてしまって…」
先「ああ、気付いてしまったか笑」
み「そうなんです笑。もうこの『人に期待してしまう』性分は親から受け継いだ呪いなんじゃないか?って思ってしまって」
先「いや〜つくづく遺伝子の力はすごいよなぁって思わせられるよね」
み「でも気付いてしまったからにはもうそのままでもいられなくて。だからまずは自分から相手と関わろうと思って帰省したことを友達とか知り合いに連絡しまくりました」
先「ほう、すごいね」
み「はい、以前だったらどうせ連絡したところで迷惑だろうくらいに思ってました。けど実際はすごく好意的で一緒にご飯食べに行ってくれたり、おしゃべりしてくれたりで。
それで「ああ、そうか。周りが私を好きになってくれないんじゃなくて、私が誰も好きじゃなかったんだ」ってその時ようやく分かったんです」
先「前より人との距離感の取り方のバランスが良いね」
み「はい。たぶん、仕事でたくさんの人と関わる機会が増えたからかも。一時期、担当作家がみんな原稿を送ってくれなくて暇で仕方なかった時、一人一人に連絡しては上手くいかないことに悩んでて。自分ではそんなに失礼なことをした覚えはないし親切にしてるって思ってたからすごく落ち込みました。何がいけないんだろうって毎日自分を責めて。
でも、多分ですけどどんなに優しくしても嫌われる時は嫌われるし、適当にしたって好かれる時は好かれるんです。
それは自分じゃなくて相手の中にしかない感覚だから。だったら私に出来ることはより自分と合う人を見つける為に分母を増やすしかない。だけどそれでいて前から繋がってる人を蔑ろにせず、細く長くつながり続ける。そうやって関わっていこうって思いました」
※ここから「ややコンプラ案件」なので有料ゾーンです。
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