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半沢直樹の生き方は現実社会でも可能か?

半沢直樹を見ていて、
半沢直樹の原作作家、
池井戸 潤さんが、
半沢直樹をはじめとした
自身の小説で描かれる主人公のことと、
現実世界とのことについて、
面白いことを書いていたことを
思い出しました。

自分の小説では、戦う主人公が描かれるが、
現実の世界で「倍返し」の発想で得るものはない。
ビジネスの世界ではけんかをしたら終わり。
そのことは覚えておいてほしい。
多様性の中で生きていることを自覚しよう。

ということを、
2019.4月の日経新聞、
「一歩踏み出すあなたに」
という連載記事で、
語っていたのです。
↓※当時の日経新聞WEBページはこちら

様々なご自身の経験と
あれだけの小説を書く際に、
実際の企業に対する取材を
積み重ねている中での発言。

あくまで作品はエンターテイメント。

読者の安易な期待に応え、
「半沢直樹のように真っすぐ生きろ!」
みたいな無責任な発言ではなく、

自身の本音で、
現実の中で重要視すべきことを、
しっかり伝えてくれている姿勢に、
ますます尊敬の念を抱いたことを、
覚えています。

更に池井戸さんは、

企業は利潤を追求し、
上司や同僚は同じゴールを目指す組織の一員。
意見の違う相手に感情的になるのではなく、
経済合理性を考え、
本当に必要なこと、やるべきことを
見つめていく視線が大事だ。
問題が起きたとき、
他人をみるように自分を見つめるスキルは
きっと自分を成長させ、
解決策に導いてくれるだろう。

と説いています。

好き嫌いの感情で、敵対するのではなく、
本当に欲しい成果に向けて、
いかに協働できるかを考える。

組織の中で、
キャリアと成果を積み上げていく姿勢として、
非常に役立つアドバイスだと感じました。

ちなみに、池井戸さんが、
今20代で会社に入るなら、

ベンチャーがいい。
ポイントは組織がなくても
自立できるスキルを身につけられること。

とのこと。

多くの学生に、
半沢直樹の原作者がこう語ってる
と改めて伝えたい。

そして、決して高学歴ではなくても、
志を持つ学生に、勇気を与えたい。

たいした学歴がなくても、
仕事の中でスキルを身につけ、
自立できる力をつければ、

高学歴で、大企業入れたはいいが、
会社の看板背負わなければ
生きていけなくなった人に対し、
人生で大逆転できる可能性が、
十分にあります。

だから、
大企業に入れないことを嘆かず、
堂々と、入れる会社、今いる会社で、
できることを、どんどん増やせば良い。

特に、
自分の強みを活かし、
「顧客や市場に対して提供するサービスで、
 お金を払ってもらえるだけの具体的な価値」
をつくることを考えて動く。

ということが重要になってきます。

大企業も、経営が悪くなれば、
中高年はガンガン
リストラされている。

大企業が安定しているのは、
あくまで会社であり、
そこに属する個人の安定は
決して保証されてはいない。

僕は、
大企業、中小企業、ベンチャー企業、
全て経験しているからよく分かりますが、
大企業の看板だけで、
ビジネスをしていた人材は、
資本関係等、何もない
中小、ベンチャーでは
ほとんど役に立たない。

大企業では、
人・物・金を中心とした
使えるリソースが
当たり前にたくさんあるが、
中小、ベンチャーには、
当たり前に無いからです。

通用するのは、
仕事においても、人においても、
個人に対する信頼、信用が、
市場や人に対し、
創造できている人達だけだ。
と何度も思いました。

自立を求められることは、
誰にだってある。

ということを忘れてはならない。

銀行から作家として
自立して活躍されている
池井戸さんの言葉は、

これからの時代の
キャリア形成の在り方を
とても強く示唆している。
とも捉えられます。

そういった意味では、
半沢直樹のように、
組織の看板力だけに頼らず、
自分自身の能力と信用力で
生きていくことを、
決意する必要がある
とも言えます。

半沢直樹の生き方を、
そのまま現実世界で通すことは
リスクを背負いますが、
半沢直樹の自立した生き方の姿勢は、
逆に見習うべきなのかもしれません。


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