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#ペットショップに行く前に って? 【その壱】

SNSを見ていると「 #ペットショップに行く前に 」という#を見かけることがあります。

Instagramでは20.6万件もの投稿が!

ーどう言う意味なんだ?
ー愛護団体が流行らせたい#なんじゃない?

今回の記事は、この#が伝えたいであろう真意についてです!

※少し重い内容になりますが保護犬保護猫を語るのであれば避けては通れない、不遇な命が生み出される原因の話なので、しばしお付き合いください!


平成31年4月1日から令和2年3月31日の間で、
全国の保健所に犬が約3.3万、猫が約5.3万匹が収容されています。
(参照:環境省HP
この数字が多いのか少ないのか、増えているのか減っているのかの話はまた別でするとして、そもそも保健所に収容されたのち殺処分されてしまう犬猫たちは何が原因で生み出されているのか?


〜ペットビジネスのカラクリ〜


近年ペットブームが続く日本では、動物は多額のお金になります
特にアジアを中心に流行っている小型犬や特定の品種の猫は本当に高く売れます。
日本人はペットショップへ出向き、犬猫の容姿や愛嬌、血統などで購入を決めています。
「可愛いから飼いたい!」
その行為自体は悪気のないものです。私だって経験があります。
でもこのペットビジネスという市場の裏側には、一般的には知られていない事実がいくつかあります。

ペットビジネスという市場では、ペットショップの販売基準を満たしている(例えばスコティッシュフォールドなら耳が垂れている※、マンチカンなら足が短い等)かつ、疾患の出ていない容姿のいい赤ちゃん動物だけが商品として選別されて高値で販売されます。

※スコティッシュフォールド
折れた耳が可愛いと人気の種類だが、これは遺伝的な耳軟骨の奇形によるもの。
耳の折れ具合を調整するなど品種改良が繰り返されているこの品種は、難治性かつ慢性的な骨軟骨異形成という関節炎を高い確率で発症してしまうことがわかっている。人が脱力したような座り方が可愛らしく人気の"スコ座り"も、猫自身が足の関節にかかる痛みを緩和するためにとっているポーズである可能性が高い。可愛い外見とは裏腹に、慢性的な関節の痛みを伴って生まれてくるこの品種について、事実を知らない日本人が多く、未だに人気がある品種。


そしてこの市場の裏では、そういった厳しい販売基準のハードルをくぐることができずに商品として販売できない、もしくは売れ残った動物が殺処分されるという負のサイクルが表裏一体で存在します。
この負のサイクルは、大量の犬猫が死ぬだけでなく無数の問題を抱えています

【その壱】
商品として愛情もコストもかけられず
狭く不衛生なケージで生きる動物


ペットとして販売されている犬猫は全頭がペットショップで産まれているわけではありません。
犬猫を販売するパピーミルと言われる子犬(子猫)工場や悪徳ブリーダーと呼ばれる動物の繁殖業者から、競り市等を通して犬猫を購入している場合が約6割だそうです。

冒頭にお伝えしたように、日本では容姿/血統のいい犬猫は高額で売れます
つまり販売側からすると、そういった犬猫を大量生産して市場に出せば、とても儲かるわけです。
しかし実際の出産では、容姿のいい犬猫だけが産まれるわけではありません
人間と同じで、美人とイケメンだけが生まれるわけではないし、痩せっぽっちも太っちょものっぽもおちびも、病弱な子も五体不満足な子も産まれるけれど、人間でいえばそれは欠陥ではない、それが個性というものです。
でも日本では、それがペットの話となると一変してしまいます。
購入者がほしいのは、容姿/血統のいい子犬子猫です。
さらに言うと、生まれて間もない小さな子犬子猫であるほど可愛いとされ、売れる確率が高くなります。
そのため、繁殖業者は高額で売れる見込みのある容姿のいい子犬子猫だけをペットショップに売り捌きます

では商品に選ばれなかった子はどうなるの?
その対応は様々ですが、人間に飼養されているとは言えない結末を迎えます。

 
ー病気を放置されて死んでしまう子
ー餌を与えられず餓死する子、共喰いする子
ー狭い空間に大量に詰め込まれて圧死する子
ー洗剤を注射されて殺される子
ー冷凍庫に入れられて殺される子
ーさらに格安で販売する業者へたらい回しにされる子
ー子供を産み続けるためだけに生きる繁殖犬(猫)にされる子

どれも対人間であれば犯罪として捕まる対応ですよね。

殺すために毒薬でなくて洗剤を打つのは、安いからだそうです。
殺すために冷凍庫に入れるのは、費用がかからないからだそうです。

なぜここまで費用を抑えたがるのか?
殺さないといけないのか?


人間と同じで、犬猫だって食べないと死ぬし、居場所が必要です。
でも餌だって住む場所だって、お金がかかります。
生きるうえで充分な環境を整えてあげるのには、さらにお金がかかります。
しかし販売側からすれば売れない犬猫は商品ではないので、餌をあげる必要も住む場所を提供してあげる必要も、環境を整えてあげる必要もないのです。
利益を生まないのに、お金をかけてまで生かす価値がないのです。

それならせめて売れない犬猫は保護団体に渡せばいいのでは!と思いませんか?
しかし保護団体に渡さない繁殖業者が多いのが事実です。
理由は、市場の崩壊を防ぐためです。
保護団体に渡すことで、大金が飛び交うペットビジネスの市場から、容姿/血統のいい犬猫(でも販売基準をクリアしていなかったり疾患が出てペットショップにいけない子たち)が流出してしまいます。
容姿/血統がいい犬猫を手に入れたいと思った時、誰だって、高額を払って買うよりもほぼタダも同然で手に入るなら、それに越したことはないですよね?
するとどうなるかと言うと、保護団体が里親募集する無料に近い犬猫に人気が集まり、ペットビジネス市場は販売価格を下げないと売れないという事態が発生してしまうのです。
繁殖業者はそれを防ぐために、不要な犬猫でも保護団体に渡すことを嫌がる傾向にあります。

こういった理由から、上記のような悲劇的な結末を迎える犬猫が、日本には存在しています。

では、繁殖業者からペットショップに売り捌かれた容姿/血統のいい犬猫は幸せなのか?
ここでもまた選別があります。
今度は購入希望者による選別です。
ペットショップの店頭に並ぶことができたとしても、ペットショップで購入者に選ばれなかった犬猫はどうなるのか?
残念ながら繁殖業者の手元に残った場合とほぼ変わらないと言います。
それはペットショップも、繁殖業者と同じように営利を目的に利益を追求する一企業だからです。

心が疲れてしまう内容が続き、申し訳ないです。。
視点をかえて、法律についても少しお話しさせてください。

〜ちょっとだけ番外編〜
【法改正について】

命を軽視した利益優先のペットビジネスを変革すべく、2019年6月に動物愛護管理法の改正が公布されました。
今回の改正で代表的とされている、第一種動物取扱業者が遵守すべき数値規制の内容を一部だけ紹介させてください。
(改正の内容については保護団体側とペット事業側で各々見解が異なり、数字が定まるまでに複数回の検討会が行われました。別の記事で詳しく記載します。)

●従業員一人当たりの飼育数
 繁殖業者   :犬15匹、猫25匹まで
 ペットショップ:犬20匹、猫30匹まで
●運動スペースが分かれているケージの場合
犬:縦(体長の2倍以上)×横(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の2倍以上)
猫:縦(体長の2倍以上)×横(体長の1.5倍以上)×高さ(体高の3倍以上)
 ※運動エリアに1日3時間以上出すことが義務
●1年以上飼養する犬猫に関しては年1回以上獣医の健康診断を受けさせる
●犬猫共に繁殖のため交配出来るのは6歳まで
●犬の生涯出産回数は上限6回まで


※改正案は2020年6月から順次施工されており、上記内容は2021年6月までに施工される予定です。



繁殖業者やペットショップなど生体販売業者のバックヤードで、商品になれなかった犬猫たちが苦しんでいる。
生体販売業者から命を買うことによって動物が苦しむサイクルに知らず知らず加担してしまっている。
そう考えると、お金を出して命を買うことに疑問が生まれてきませんか?

じゃあ、「#ペットショップに行く前に」どこに行けばいいの?

結論はもう少し先になります!(ごめんなさい)

次回は、バックヤードで繁殖犬(猫)として子供を産み続けることを強要される犬猫についてフォーカスしたいと思います。

(前向きな話題になるまで、もう少しだけお付き合いください!)


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