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サザエ人間の話
久しぶりに物を見て絵を描いた。先日貰ってきたサザエの殻だ。
デッサンモチーフに良く選ばれるだけあって、取っ掛かりがあって描きやすく描き込みもしやすい。
量線とか言われたな~なつかしいな~と思いながら、大まかな陰影を追いつつも、デッサンの手順などは無視して好き勝手描き始める。
サザエの大きな螺旋、その螺旋を形成するための細い螺旋。謎の丸い痕、フジツボ。
ただ手にした時にはサザエは見えていなかったのだと気付く。私はサザエという情報を見ていた。
サザエを鉛筆で追いかける。びっくりしたところから描き始めてその先を確かめるために描き進める。よくわからん痕にたどり着いてまたびっくりする。そもそももはや何を描いているのかわからない。
生物学者の福岡伸一が「子供が見ている世界こそ本当の世界で、大人がファンタジーを子供騙しとか絵空事とか言いますが騙されているのは子供ではなく大人です。」と述べていたが、まったくそうだろう。
久しぶりにサザエを描いた。知らない不思議な渦がそこにはあった。
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