ネットリテラシーを今一度

 先日、AbemaTVで放送されているしくじり先生という番組を見ていた。しくじり先生という番組では、人生でいわゆるしくじってしまった人を先生に見立てて、生徒に扮した著名人にしくじった経験から学んだことを講義していくという番組である。

 その中で直近の回では、迷惑行為をしているところを動画に撮ってそれをネットでアップした人が先生役として登場した。その人というのが、コンビニのおでんをツンツンして大炎上してしまった通称おでんツンツン男さん。この名前を聞いてほとんどの人が例の動画を直ぐに思い浮かべたであろう。あの時期は連日連夜問題の動画がワイドショーを騒がせていたことは記憶に新しい。

 番組が進行していくにつれて、当時の経緯や背景といった事について核心に迫っていったが、実はあのおでんは廃棄予定だったということ。そしてコンビニは既に閉店していたということ。勿論やったこともそれを動画としてあげたことは悪いと言うことは言語道断であるが、メディアやSNSなどの一部分を切り取った断片的な情報であれこれ判別してしまうことに再度怖さを感じたわけである。

 当時の私も馬鹿げた動画だな、なんでこんなことをするのだろうと思っていたと記憶しているが、このような背景を知らずに頭ごなしに悪いと批判するのがどうなのか分からなくなってしまった。世に出回っている情報が全てという風にすり込まれてしまっているおかげで真実に対する善悪の判断が狭まってしまうと今回のしくじり先生を見て感じた。

 勿論迷惑行為をすることは全くもって良くないことではあるし、問題であるのは百も承知であるがそれと同時に、今一度ネットの向き合い方についても私たちは考えていくべきであろう。
お読みいただきありがとうございました。

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