1人でも幸せだけど、2人ならもっと幸せ、は崩れやすい
「あなたがいなくても、わたしは幸せだよ。でも、あなたがいると、もっと幸せ。」
わたしたちは、当たり前のように、心からそう思っている。
この考えを持っていると、楽だ。相手に過度に依存せず、期待しすぎることもなく、自然体で一緒に生きていける。
わたしは、この関係性が好きだった。
でも、彼と会うことのできない日々が続くなか、わたしは一人の休日を過ごしながら、自分の不完全さ、物足りなさに気づいた。
自分はひとりで幸せだったはずなのに、彼のいないベッドをただ恋しく見つめてしまうような、そんな「らしくない」自分がいた。彼のいない日々を、退屈で、もの悲しい気持ちになっている自分が。
「こんなはずじゃなかったんだけどね」
自嘲まじりに彼にこぼして、「良いのか、悪いのか分かんないね」と笑うと、彼は笑わずに、テレビ電話越しにまっすぐ私を見て言った。
「良い悪いじゃないよ。1人でも幸せである状態と、君がいないと幸せになれない状態は、移ろいやすくて、どちらも幸せなことだ」
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