見出し画像

「想い」と「現実」をつなぐもの

大学生の進路を決める頃、「これをやっていきたい!」と思えるようなものがなく、「こうありたい!」と自分の口から自分の言葉で言うこともできなかった私は、当時必要以上に焦っていたし、そんな人は世の中から必要とされていない気がして過去最高に落ち込んでいた。

多分こういうことで悩む学生は少なくなくて、「自己分析」とか「自分探し」とか「自己啓発」とかに就活生で取り組むことは多いと思う。

この頃の私も、まさに就活生向けの「自分を知る」プログラムみたいなものにも参加して、そこでは確かに成長もあって、どんな強みがあるか、自分の価値観は何かとかそういうレベルで「自分を知る」ということは一通りできた、自分に向き合う時間は取れたように思う。(もともと思想や哲学、心理学の分野は好きなタイプだったからそのものへの興味もあった)

それでもそのときの私は、その落ち込んだ状態から抜け出すことは結局できなかった。

自分に向き合って、自分を捉え考える時間をとって、その後、「で?」と。

それを、じゃあどうしたら自分の仕事に結びつけていけるのか、そこがわからなくて、

こういう自分を捉えること、ものを考えることが大切だということを伝えたい!というところに一旦着地させて、倫理の教師の道は選んだけれど、

一方でいちばん肝心なところがまだ自分は掴めていないという自覚もあって、高校生の彼らに最後の踏み込んだところまで伝えられない自分に私はずっと言葉にできない強い葛藤があった。

その後結婚を機に教師を辞めた後、「また学校の先生をやればいいのに」と周りからもたくさん言ってもらった。

でも全くその気にならなくて、自分の無意識のうちにも本能的にも、求めているものを見つけるために、やはり自分は一般企業のビジネスの世界に身を置く必要があるとどこかで思っていた。

「学校の先生」という経験しかなかったところから、かろうじてそれが活かせるかたちではあったが企画開発・法人営業・新規開拓の世界に飛び込み、その部署で仕事をすることにわがままを言ってこだわり、しがみついて鍛えられて気がつけば6年が経っていた。

結婚して仕事も変えて一から出直しという、住む場所も周りの人も環境も全てが変わって、それはそれで幸せで楽しくて食らいついて挑戦して失敗して悔しくて面白くて、、目の前のことに夢中な忙しい日々だったこともあって、

大学生の頃に自分の中でへし折れたものや教員時代の生徒たちに明確に示せなかった自分の葛藤の正体は、この頃には、すっかり私の中の奥底に封印されてしまっていた。

だけど、出産育休のためにそれまでの仕事に区切りをつけてその夢中の「日常」を手放して行く中で、自分の中に置き去りにしてきたものが、少しずつその封印を解こうと動き出し始めていくことになる。


自分がこれが理想だと描くものにまっすぐ向かって仕事をしていきたい、

自分が心底実現したいと思うことにかけて、どうせ人生の大半の時間を割いて働くなら、そういうものに向かって生きていたいという、学生の頃からの自分の素直で正直な気持ちだった。

そんな中、育休から復職しつつも、次に自分はどこを目指していくのか、キャリアを模索していくなかで出会ったのが、

「個性を際立たせその魅力に光を当ててファンをつくる仕事」

私にとってのブランディングだった。


その人のコアにあるものを起点にしていく、
その人のいちばん強い想いから始めていく、
それが誰にとってどんな価値なのか、
仕事として何を届けて生きていくのか、
そのふたりと存在しない個性は何か、
どんな魅力なのか、
これらを自己満足ではなく社会の側から見て成立させるところまで持っていく、
その道をビジネスとして継続的に歩んでいけるところまで持っていく、

このしかも、それまで曖昧過ぎると思っていたものをビジュアルとして目に見えるものにしていく、
だから人に伝わるし、
その人のファンができていく、、

画像1

それまでの私自身のへし折れたと思っていたものや絶対大事だと思ってるのに明確になっていなかった肝心なところ、

なぜ自分が人の深いところにあるものに迫っていくことに興味があって思想哲学や心理学の教師をして、その後諦めきれず営業を通じてビジネスの世界にいきたいとその異色の道を選びとってきたのかというところ、

「もしかしてこれって私が実現したいと思っていたことが実現していく方法なのかもしれない、、」

と思う感覚、

そのあと会社を辞めてその世界に没頭していく中で何度も壁にぶつかりながら、アップダウンの激しい時間の中で次第にこれらの全てのピースが繋がっていって、やっとの思いでたどり着いた確信だった。


画像2

(※キービジュアル撮影の様子)


正解のない時代に、どの道をどう選択して自分の道をつくっていくかを実現する方法。

人が自分の意志と自分の価値を自覚して「自分を生きていける」方法。

この、人の個性に深く添いながら、その人の芯にあるものから始めて、その人が生きる道として実現していくこと、

今ならもう確信を持って心の底から言える。

この「想い」と「現実」をつなぐ部分こそ私がこれまでずっとこだわってきたところで、その人が本来繋げたいはずなのに分離しがちなこの部分こそ、私自身が繋いでいきたい、「生きたい道」なのだと。

もちろん、人はそんなに単純じゃない。だからこそ難しくて深くて尊くて、希望なんだと思う。

(ついつい、また長くなってしまった(^^;)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?