蘇ってなに?
チーズ発祥の逸話で、日本でいつからチーズって食べられてたんだろう?って投げたままにして早11ヶ月。…汗
最初に輸入されたチーズのことは書いたけど、そもそも日本では「チーズ」は造られていなかったのだろうか。
乳製品を取る文化も必要性もなかった民族だけど、「チーズらしきもの」はなんと、
飛鳥時代
に登場する。
それが「蘇」と呼ばれるモノ。
「チーズらしきもの」と言われているのは、今一般的に「チーズ」と認識されているものとは明らかに別モノだからだけど、
チーズの伝播を見てみるとちゃんと「チーズ」だと思ってる、わたしは。
この「蘇」のレシピが残っていないから、現在に正確に再現できないのが残念だけど、
恐らくこうなんじゃない?ってのは再現されて、「飛鳥の蘇」と言う商品名で販売もしている。
文献に残っているレシピによると、
この色を見て、過去の記事を読んでくださっている方、チーズ好きな方はお気付きかも、ですが、イエトストっぽい、ですよね。
味も、イエトストっぽい、です。
イエトストを上品に、柔らかく(食感だけじゃなく感覚的にも)した感じ。
普通(何が普通なのかわからないけど)チーズは、ミルクを酵素で固める事が多い。
チーズは元々が「仔牛の胃袋の中の再現」であるから、西洋では仔牛の胃(第四胃)にある酵素(凝乳酵素=レンネット)を使ってチーズ造りをしていた。
時々、場所によっては植物(チョウセンアザミの雄しべなど)に含まれる酵素もミルクを固めることを知って、植物性レンネットを使うこともあるけど。
今は、化学の発展により、微生物レンネットや遺伝子組換レンネットなどもあり、むしろコッチの方が主流だったりする。
メソポタミアの三角州あたりで発祥したと言われるチーズは、西(ヨーロッパ)には酵素で凝乳する方法が伝わった。
一方東(インド、モンゴルなど)に伝播したチーズは、ミルクを加熱することによって固める方法が主流となった。
インドカレーに使われるパニールもそう。
あれ?パニールってチーズなの?
そう思われた方、確かにねぇ、私達がよく知ってる「チーズ」とは、若干別モノですよね。
チーズとは、
ミルクを固めて水分を取り除いたもの
なんですよ。カンタンに言うと。
FAOでもWHOでも定義してることです。
だったら、酵素=レンネットで固めようが、加熱して固めようが、「チーズ」ですよね。
蘇がチーズじゃないなら、
イエトストもチーズじゃないし、
リコッタなんてもっとチーズじゃない!
と、思うのでアリマス。
「蘇」は、
日本で最初に造られたチーズ、です。
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