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美術展『ゴッホと静物画』 ひまわりだけじゃない、ゴッホが描く鮮やかな花

開催概要
展覧会名 ゴッホと静物画 伝統から革新へ
会期 2023年10月17日(火)〜2024年1月21日(日)
時間 10:00〜18:00
会場 SOMPO美術館

本展は、ゴッホが活躍した19世紀とその前後の時代の「静物画」に焦点を当て、ゴッホが影響を受けた画家や、のちに影響を与えた画家たちの作品とともに紹介するもの。ゴッホの作品25点を中心に、全69点の展示があります。

ゴッホの静物画

展示は「伝統 −17世紀オランダから19世紀」「花の静物画 −『ひまわり』をめぐって」「革新 −19世紀から20世紀」の3章で構成されています。
ゴッホ、そしてSOMPO美術館といえば《ひまわり》があまりに有名ですが、初期の頃には花を描いた作品はほとんどなかったそうです。展示室に入り、最初に出会うのは《麦わら帽のある静物画》(1881年)。《ひまわり》のような明るく鮮やかな配色と異なり、茶や黒を中心としたダークな色調で描かれています。
ゴッホらしい明るい色彩の作品は、1886年〜1887年のパリ滞在中に多く描かれたそうです。なかでも第1章の最後、朱色の壁に展示された《野牡丹とばらのある静物画》は、大きなキャンバスの暗めの配色の中に赤や青、黄色、白の花びらが艶やかに際立っていて圧巻でした。

花の絵は当時のブルジョワ階層に人気が高く、多くの画家にとって花は魅力的な主題だったとのこと。しかし、ゴッホが描いた花の静物画はさほど多くないと言います。静物画を色彩の研究対象とみなしていたことが理由と推測されているようです。練習(?)にも関わらず、これほどの精度のものを残していることに驚かされます。

ゴッホ《野牡丹とばらのある静物画》/混雑で撮影が難しかったのでポストカードの写真を。

その他の作家の作品

ゴッホが技術的に影響を受けたというモンティセリの《花瓶の花》、印象派のルノワールの《ばら》や《アネモネ》、ゴッホと縁深いゴーギャンの《花束》、ポスト印象派のセザンヌの《りんごとナプキン》など、有名画家たちの作品を見ることができます。

ルノワール《アネモネ》/優しい筆のタッチ。
ゴーギャン《花束》/鮮やかな赤に目を奪われる。

会場の様子

休日の10:30~の入場回に日時指定券をとって行きました。指定券を持っている方がほとんどのようで、当日券売り場にはほとんど人がいませんでした。入場までは手荷物検査の列がありましたが、スムーズで、ほとんど並ぶことなく会場に入ることができました。
会場内は、ほぼすべての作品が撮影可となっていて、良いポジションで撮影するために作品の前に人が渋滞しているという状態。本展の目玉となる《ひまわり》と《アイリス》の比較展示の前にも人だかりがすごく、”共通点や対照的な点を比較して楽しむ”ような鑑賞は難しかったです。
グッズショップは最大1時間待ちの日もあったようですが、午前中は混雑はなく、レジの待ち時間も数分でした。
私が会場を出るころ(12時頃)にはエントランスにも人が溢れていましたので、ゆっくり見るのであれば平日または休日の早い時間がねらい目のようです。

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