観劇 劇団⭐︎新感線『バサラオ』
8月19日明治座公演を観てきました。
『だれかtoなかい』に主演の2人が出演した回でムロさんも「考えられない!」と笑っていたけれど、新感線でも歴代最多の公演数らしい。にもかかわらずチケット完売、補助席や3階の立ち見券まで出ていて驚かされます。VBBの頃からは考えられない倫也さん人気。グッズ売り場、私の隣もその隣も倫也さんのアクスタ買ってましたわ…。
私は研音のファンクラブ抽選で取っていて、2列目。近くてありがたいがめっちゃ首痛くなる。3時間半あるからね?
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください
生田斗真、生誕39年公演
ストーリーは、いのうえ歌舞伎・中島かずきさん脚本ではお約束の2転3転の裏切りが畳み掛ける展開で、まぁそうなるよね、というオチが見えるものの懲りずに好きなやつ。
顔が良くてその美貌で天下を取ろうとするという、ぶっ飛び設定の悪役主人公を斗真くんが演じている。彼の顔立ちはかっこいい部類に入ると思うのだけれど、本作で演じたヒュウガは中性的な美しさが印象的でした。
情報解禁から自分の観劇まで日が空きすぎてすっかり忘れていましたが、本作は生田斗真生誕39年記念興行。「サンキュー公演」との名目で、つまりは斗真くんのための舞台なのです。登場シーンからクライマックスまで、台詞、歌、踊り、演出すべてが斗真くんのために用意されたと思われる“見せ場”が度々ある。そういう客演の主役をとにかく魅力的に見せるということを、新感線は本当に気持ちよくやってくれる。
一方で、幕府のスパイを足抜けしたカイリを中村倫也さんが演じる。豪華絢爛な衣裳とド派手メイクで浮世離れしたヒュウガとは対照的に衣裳もメイクも控えめ、至って普通なのになんとも言えない色気が漂う。その要因は間違いなく声。歌はもちろんのこと台詞すらもメロディを奏でるように響く。倫也さんの声がやっぱり好きだ、と再確認する。
やがてヒュウガとカイリはある目的のためにバディとなり、幕府と帝の争いを激化させていく。そして当然ながらただのバディじゃあないんですね。(お約束)
配役もお約束
美しい女大名に経験豊富なりょうさん、帝の守護役に新感線2回目のフレッシュな西野七瀬ちゃんというのも、新感線作品にはよくある客演。意外だったのはりょうさんや西野七瀬ちゃんもかなりの数の殺陣シーンがあったこと。客演の女優さんってアクションに長けた方以外はそんなに殺陣はやらないイメージだったから。1幕では七瀬ちゃんと倫也さん一対一の戦いもあり、2幕の展開へ繋がる重要シーンを担っていました。
劇団員の皆さんもお約束の配役。島流しにされた帝役の古田さんは開演してだいぶ経ってからの登場なのだけれど、そこに立つだけで場が引き締まる。執権役の粟根さん、よし子さんもまぁぴったりな配役だし、中谷さとみさんは今作も可愛くて、カナコさんの美声も聴ける。殺陣も、斗真くんvs古田さん、斗真くんvs川原さん、斗真くんvs倫也さんと、見たい組み合わせは全部ちゃんと見られます。
お約束とはいえマンネリや飽きにならず毎回安心して楽しませてくれる。というか全力で楽しみに行きます。笑
狂い桜が舞うステージ
公演時間も例に漏れず長い。休憩入れて3時間45分だったか?
Xでは「3時間超えでもあっという間だった」という感想も多かったけどそんなことはない。笑 私の首が限界です。
今回の舞台装置で圧倒的な存在感を放つのが、狂い桜のセット。季節を問わず咲くことからその名がついているらしい。オープニングでは桜が煌びやかに輝き、桜吹雪もあり、戦闘シーンでは床に散った花びらが舞う。終盤ではヒュウガの心情を反映して葉桜になる。
桜のセットはもう少し遠めの席からも見てみたかったなぁと。客席降りがとにかく多くて演者がビュンビュン通路を走り抜けていくので、1階の後方席あたりが実は一番楽しいんじゃないかと思いました。
ただこんなに通路を使うのになぜ花道を使わないのか。こんなに歌があるのになぜ生バンドじゃないのか。惜しいと思っていたら予算の都合だと制作発表で明かされていました。
薔薇サム2はめちゃくちゃ予算あったってことか…?
登場人物みんな狂ってる
これもいのうえ歌舞伎にありがちかもしれませんが、終盤は主要キャラクターが次々に死んでいく。容赦ない。振り返ってみれば、本作の主要キャラクターみんな欲望や復讐心に狂っている。まともな人っていたかな?
世を支配し絶頂に立って躍り狂うヒュウガの狂気は特に恐ろしかった。
それだけに、カイリがヒュウガを殺したいと憎んでいた理由だけが拍子抜けというか、他の展開に比べて弱いと思ってしまいました。クライマックスの、最も重要な部分なのに。もう少し他になかったのかな・・
本作はコロナ禍で中止になった偽義経のリベンジ公演でもあるということで、当時公演が中止になる数日前にギリギリ観劇できたんだよなあと、そんなことも思い出しながらの観劇となりました。
最近チケットも高いし渋谷や新宿は苦手でそちら方面の劇場は避けてるので、次の観劇はいつになるやら…ですが。やっぱり大好き、定期的にやってほしいお祭り的な新感線舞台でした。
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