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「科学コミュニケーター」ってなんだ

こんにちは、科学コミュニケーターの田中沙紀子です。

…と自己紹介しているのですが、「科学コミュニケーター」っていったいなんだ? 

私はいつも「科学と市民をつなげる橋渡しをしています」と言っています。が、これもよくわからないよなあと思います。と思いつつ、橋渡しという漠然とした言葉を使うのは、それだけ守備範囲の可能性が広いから。科学の解説をするのもお仕事、研究者の話を伝える場をつくるのもお仕事、その話を専門家でない人がわかるように伝えるのもお仕事、科学についてみんなに考えてもらう働きかけや場作りもお仕事、もっと積極的に研究に参加してもらうのもお仕事です。いろいろやってるよってことです。

活動内容だけでなく、目的もさまざま。「子どもたちに科学のおもしろさを伝える」ということもあるし、「高校生と医療技術の使い方について考え、意見を持ってもらう」ということもあるし。なので、「科学コミュニケーターです」と言われても、それだけでその人が何をしているのか、わかるはずもないのです。

では、私はなにをしているのか? みんなが生きやすい社会にしたいなあ、という目標をもって幅広くやっています。偏見は、科学の視点からフラットに見ることで是正されるかもしれない。マイノリティの苦労は、技術の力で大きく改善するかもしれない。そのためには、研究者も市民もみんなが意見を交わすのが当たり前でないといけない。そう思っています。みんなが本当に生きやすい社会なんて、たぶん永遠に訪れないけれど、なにもしなければ今よりもいい方向にはなかなか行かないので、取り組み続ける所存です。

具体的にこれまでやってきたことをいくつか貼っておきます(2020年5月現在)。よろしければ覗いてみてください。

①コロナ禍を受けたいま、さまざまな「ちがい」をもつ私たちのコミュニケーションの課題を、聴覚障害者や四肢切断者の実例を参照しつつ、みんなで考える会@ニコニコ生放送(無料で見られます)
【お呼びした研究者】落合陽一氏(筑波大学准教授、JST CREST xDiversity プロジェクト研究代表)、菅野裕介氏(東京大学准教授)、遠藤謙氏(ソニーコンピュータサイエンス研究所、株式会社Xiborg代表取締役)、本多達也氏(富士通株式会社)、島影圭佑氏(株式会社オトングラス代表取締役)

②車いすの技術がおもしろい。そして、だれにとっても、便利な移動手段になる可能性があるね、というイベント。
【お呼びした研究者】青木岳史氏(千葉工業大学准教授)
続いて、おしゃれな車いすをシェアリングしてみんなで使えるようにできないか、という実証実験(取材)。
【取材先】横浜市温暖化対策統括本部SDGs未来都市推進課

③コロナ禍での、介護の課題とできることについて@ニコニコ生放送(無料で見られます)
病院や高齢者施設での面会禁止を受けて、オンライン面会に役立つかもしれない技術として、「テレイグジスタンス」と「OriHime(分身ロボット)」もご紹介。

④スポットを浴びづらい難治・希少性疾患の話
【取材した先生】今村恭子氏(東京大学大学院特任教授)

〜番外編〜

■毎年恒例!毎年バタバタ!ノーベル賞発表と同時に即時解説!@ニコニコ生放送(無料で見られます)

■イグノーベル賞もおもしろい!


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