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未経験広報が1年で1,900件以上のメディア掲載を実現した裏側【5,000文字】

生産者さんから直接で食材やお花などを取り寄せられるオンライン直売所「食べチョク」で広報PRを担当しているしもむらです。

先日「新しい広報の教科書」の著者である栗田さんからお声がけいただき、広報さん向けに講演をさせていただきました。

まさか1年前まで「広報」と「PR」の違いすら話せなかった私がそんな機会をいただけるなんて思いもしなかった....

年末の振り返りも兼ねて、講演のときにお話した内容を一部noteにまとめることにしました。初めてのnoteなので自己紹介も記載しています!興味のあるところだけ読んでいただけると嬉しいです。

1.広報を目指した理由

新卒でネオキャリアに入社し、法人営業をしていたのですが、2年目の冬から人事に異動し、新卒採用の集客やブランディング周りを担当していました。

ネオキャリアは、当時年間数百人の採用を行っていたので、予算総額は数億。その数億の予算の90%程度の決裁をもらい、管理媒体は15種類以上、パートナー企業は30社を超え、取引先とのリレーションや目標設計など、全てを担当させてもらいました。他にも採用ホームページのリニューアルや、パンフレット・動画のディレクション、オウンドメディアの企画、SNSの戦略設計や運用などなど、特に”採用広報”と言われる分野の仕事が、楽しくて楽しくて仕方ありませんでした。たった一つの仕掛けによって多くの人からのフィードバックが変わっていく。振り返れば、この頃から広報に興味を持ち始めていたのだと思います。社内のメンバーでも気づいていない会社の魅力がある。それを引き出して伝えていく仕事ってこんなに楽しいんだと思うようになりました。

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当時、内定者向けに0から作ったパンフレット(自作)

2.ビビッドガーデンへの入社理由

改めて「私はどんな眠った魅力を引き出して貢献していきたいのか?」を自分にフラットに問いてみました。せっかくの機会だったので「一度きりの人生でチャレンジしたいことは何か」「何ができたら死んでも良いくらい幸せか」も同時に考えました。

そこで出てきた中で特にやりたいと思ったのは「地方に眠る魅力を伝えていきたい」ということでした。過疎化/高齢化が進む衰退地域と言われる地方にも、未だ知られていない魅力的な資源は溢れています。伝統工芸品や観光地、文化、名産品、食材などなど。そんな隠れたものの魅力を顕在化させて、頑張る人が報われるようにサポートしたい。と考えるようになりました。

それからは、そういった事業をやっている会社に訪問に行ったり、地方を回って観光地をリサーチしたり、貢献できる形を模索していました。

ちょうど新潟魚沼でユリ農家を営む従兄弟との会話の中で出てきたのが「球根は高いのに花の値段は固定で決まっているから儲かりづらい」「台風などの自然災害で全てが0になる」「作ることは得意だけど、売ることに関する知識がほとんどない」といった内容でした。そんな課題を聞いて、もし農家の販売先の多様化が実現できたら、よりよくなっていくのかもしれない、そんなことをぼんやりと考え始めていました。

そしてその1週間後、知り合いとの雑談の中でたまたま紹介してもらったのがビビッドガーデン 。それまでビビッドガーデンを知らなかったのですが、生産者と消費者を直接つなぐオンライン直売所「食べチョク」を運営していて、「まさに従兄弟と話していたような事業をやっている会社だ」と驚きました。

当時のビビッドガーデンはシリーズAの資金調達発表直前で、ここから影響力をあげていくぞ!というタイミングだったのでとても興味深かったのと、広報1人目をちょうど募集していたのでここでチャレンジしたいと思い2019年10月に入社しました。

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ネオキャリアの新卒採用部に送別会を開いてもらったときの写真。

3.広報としてやっていること

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ひとり広報として、戦略設計から実行まで担当しています。戦略は事業戦略から逆算して、各部署のメンバーとすり合わせながら作っています。私たちが情報を届けたい方は生産者さん、消費者、自治体さん、採用候補者、連携候補企業などと多いので、戦略は「優先順位を明確にするため」という位置付けです。もちろんメディア掲載は手段なので、どんなメッセージを届けたいかというところから逆算して、より積極的に掲載していただきたいメディア名をバイネームまで決めることもありますし、カテゴリーごとに決めることもあります

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結果目標、露出目標、行動目標の3つで目標を設計しています。広報未経験の私は最初からこういった目標を作れたわけではないので、最初の1ヶ月はあらゆる広報さんに出会い、勉強会に足を運び、メディアさんからもフィードバックをもらいながら考えていきました。最初の3ヶ月は行動目標だけ決めて、トライアンドエラーを重ね、2020年1月ごろに戦略を決めています。

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目標に沿って行動を重ねた結果、プレスリリースは1年間で48本(12月27日時点)打ち、Web媒体・雑誌・新聞・ラジオ・テレビと全方位で1,900件以上の露出につながりました

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もともと第一次産業の専門メディアや、IT・経済系のメディアの掲載が多かったところから、より多くの人に届けていく五大新聞をはじめ、クローズアップ現代+・メレンゲの気持ち・シューイチ・スッキリ・がっちりマンデー!!・ノンストップなどのテレビ、それから東北・北陸・東海・関西・四国・九州などの地方局にも徐々に掲載いただけるようになってきました。最近では代表の秋元がNスタの水曜コメンテーターとしてレギュラー出演もさせていただいています。

また、よりお客様層であるMORE・LEE・25ans・mina・anan・クロワッサン・macaroniなどの雑誌にも掲載いただきました。

(いつもお世話になり多くの気付きをいただいているメディアさん本当に本当にありがとうございます....)

4.広報に力を入れるメリット

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(1)コミュニケーションコストが下がる
広告では伝えられない想いやストーリー、背景を伝えることができるので全方位で事業を理解していただくスピードが上がります。(社内外で誤解されない、営業しやすい、広告効果があがるなど)

(2)インバウンドが増える
生産者さん、取引先などからの問い合わせに繋がったり、ユーザーが定着したり、広報はピエロになれる部署だと捉えています。営業やマーケ、コーポレートなど、全部署のアシストができます。

(3)適切な候補者からの採用応募が増える
社内のカルチャーや社員の経歴、ビジョンなどを適切に伝えていくことによって、社内に合った候補者からの応募が増えます。
例えばビビッドガーデンの場合、ビジョンを発信していくことによって第一次産業や食に思いをもった人からエントリーしてもらえますし、応募数も格段に増えました。去年の今頃、インターン生のエントリー数は1ヶ月半で300人くらいだったのですが、最近ではありがたいことに2日間で300人の学生さんから応募が来ることもありました。

(4)社内のエンゲージメントアップ
広報によってポジティブな口コミが広がっていくことによって、社員がより誇りや使命感を持って働くためのきっかけになると考えています。他にも、社員のご家族や大切な方から会社を理解してもらい、応援されやすくなると思います。

5.意識している5つのこと

リソースが限られるひとり広報として、意識していることを5つのTipsにまとめました。

5-1.取材イメージから逆算して考える

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「誰に何を伝え、どうアクションしていただきたいのか?」「ニュースバリューは何か」「そのためにどんなメディアさんに掲載していただくことがベストか」「ネタを探すときにメディアさんはどんなワード検索をする可能性があるのか」を考えて露出イメージの解像度をあげます。そのうえで、企画作りやプレスリリース作りにつなげていきます。

5-2.企画には「ストーリー」をのせる

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企画では、事実を伝えるだけでなく具体例や事例、背景、目的、想いなどをセットで盛り込みます。ときには時間軸をずらし複数のリリースを掛け合わせることで、企画を立体にしていきます。すべてを伝えず企画に余白をつけることで次の企画につなげることもあります。これができるとプレスリリースがそのままメディアさんの企画になります。

実際につくったプレスリリースを、PRTimesの社員さんに紹介していただきました...!

5-3.ときには売り込まない。見つけてもらう。

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「時間がなくてアプローチに時間を割けない...」「アプローチしてもメディアさんとつながれない...」悩みや失敗はたくさんありました。どうすれば最大化できるか考えた結果、記者さんやディレクターさんたちが見ている情報の中に入ろう!という思考に転換しました。検索するときにヒットするようなWeb媒体へのアプローチに注力し、徐々に他のメディアからの問い合わせにつなげていきました。

5-4.職種にはこだわらない

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(1)採用もやる、イベント運営もする

半年前まで社員数10名ほどだったので、人が足りなかったことも理由の一つですが広報PR以外の業務も担当しています。採用候補者の方とお話する機会を積極的に設けたり、イベントの運営も担当したりすることによって、インサイトの理解やペルソナの解像度アップにつなげる工夫をしています。日常の何気ない出来事がメディアさんにアプローチできるネタ作りにつながるので意識的にやっています。

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(2)生産者さんに会いにいく

ものづくりができない私たちは生産者さんなしには成り立たないサービスを運営しています。そのため、生産者さんに足を運び、お話をすることを大切にしています。最近はコロナの影響で直接伺えないこともあり、取材前には必ず電話やメッセージでやりとりするようにしています。

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(3)ユーザーになってサービスを使いまくる

自らがユーザーとなりサービスを使いまくっています。ユーザーだからこそ見えてくる細かい気付きを広報活動に活かすようにしています。(本音は美味しそうな食材が溢れていて思わず買ってしまうのですが...笑)

5-5.社内外を巻き込む

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様々なバックグラウンドのメンバーが集まっている食べチョク(ビビッドガーデン)。メンバーそれぞれの視点から発信することで、組織や社員の雰囲気を透明化しています。実際にメンバーのTweetをきっかけに取材依頼をいただいたこともあるので、とても重要視しています。

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社員から情報が上がってくる仕組みを構築するために、「基本的にすべてのスラックに参加する」「広報のネタを考える勉強会を実施」「実際に広報の実務を手伝ってもらう」「他部署のMTGに参加する」などを意識しています。

「手伝ってもらう」とか偉そうに前述しましたが、Tweetに書いてあるようにピンチを伝えると秒速で助けてくれる仲間たちがいるのです....

また、小さなことも含めて相談しあえるような広報さんとの横のつながりを大切にしています。実際に他社の広報さんから記者さんをつないでもらい取材に繋がったこともありますし、逆に記者さんを紹介することもあります。

6.2021年にむけて

2021年は経営者・責任者・生産者さんの思考をもっとインストールして代弁者のような広報PRでありたいと思っています(もちろん本人に語ってもらうべきときと、代弁者になるべきときを使いわけて。)それから、然るべきときに社会に対して情報を提供できるように、全体を俯瞰して眠ってる情報に気付けるような仕組みを作りたいです。

どんなことがあっても多くの仲間を巻き込みながら、私たちが描く世界観「生産者のこだわりが正当に評価される世界」に近づいていく1年にしていきたい。それがビビッドガーデン・食べチョクの存在意義だと思っています。そのためには、単なるサービスの広報PRではなく、生産者さんに光をあて、第一次産業の現状を適切かつ最速で伝えていきながら、新たな食の形を提唱していきたいと思います。

最後に。今のままでは、考える力もキャパシティも。あらゆる能力が理想と比較するとまったく足りておらず。落ち込むこともたくさんあるけれど。想いをひとつに集まったメンバー、全国の素敵な生産者さん、いつもたくさんの気付きをくれるメディアさんと働けていることが私の誇りです

来年もどうぞよろしくお願いします。

前職時代からお世話になっているbeyondcafeの社長カルロスさんが、先日ランチでご一緒した時に、嬉しいTweetをしてくれました😭✨
来年はもっともっともっと驚いていただけるような1年にします💪


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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