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インナーチャイルドとの向きあい方

インナーチャイルドとは、

おとなの自分の中にいる、子どものころの自分のことです。

心の中にいる存在なので、目には見えません。

けれど、話をすることはできます。

仲良くなることもできます。

本当の子どものように、

愛情をそそぎ、関係を深めていくことで、

本当の親子以上に、信頼しあい、

かたい絆で結ばれたパートナーのような関係をきずくことができます。

インナーチャイルドは、より自分らしく

しあわせな人生を歩んでいくための頼もしい相棒なのです。


では、インナーチャイルドと信頼しあい、

支え合える関係をきずくためには、どうすればいいのか。


今回は、わたしがいつも、

どんなふうにインナーチャイルドとつきあっているか、

どのようにして信頼関係をきずき、

パートナーシップをはぐくんでいるのか、

そんなことをお話したいと思います。


インナーチャイルドと、仲良くなればなるほど、

良いこと、うれしいことがたくさんあります。

たとえば…

・自分を好きになれる

・自信が持てる

・自己肯定感が上がる

・自分の本心がわかる

・本来の自分らしさを取り戻せる

・心の傷が癒える

・何事にも動じないどっしりとした心が手に入る

・楽観的になり、何が起きても大丈夫と思えるようになる

・やりたいこと、好きなことが明確になる

・感情に振り回されることがなくなる

・小さなことにしあわせを感じ、感謝できるようになる


インナーチャイルドと、良い関係を築きたい、そのための方法を知りたい、

そんな方の参考になれば、うれしいです。


インナーチャイルドって何?

インナーチャイルドとは、おとなの自分の中にいる、子どもの自分です。

記憶にある、いちばん小さいころの自分の姿をイメージしてみてください。

それが、インナーチャイルドの姿です。

イメージの中で話をしたり、

触れ合ったりすることで、

インナーチャイルドとの関係性を深めていくことができます。


インナーチャイルドに話しかける

インナーチャイルドと仲良くなるために、日常的に話しかけてみましょう。

たとえば、

「お腹すいたね。ラーメンとおそば、どっちを食べたい?」

など、ちょっとしたことでよいのです。

インナーチャイルドは、なんと答えてくれるか、

じっくり耳を傾けてください。

そして、インナーチャイルドの希望をかなえてあげましょう。

「ラーメンを食べたい気分!」

という答えが返ってきたら、ラーメンを食べに行きましょう。

インナーチャイルドはよろこんで、

笑顔になってくれるはずです。


インナーチャイルドが笑顔になると、

おとなの自分にも、喜びが伝わってきます。

ふたりいっしょに、おいしいラーメンを味わいましょう。


とはいえ、どうしても、希望をかなえてあげられないこともありますよね。

「ラーメンは、ちょっとカロリーが気になるな…」

「近くにラーメン屋さんがない!」など…

このような場合は、残念だけど、今日はラーメンは食べられないんだ、

と伝え、インナーチャイルドの気持ちに共感してあげましょう。


ここで、やってはいけないことは、

インナーチャイルドの気持ちを否定し、無視することです。

ラーメンを食べたいという気持ちを、なかったことにしてしまうことです。

気持ちを理解してもらえず、

無視されてしまったインナーチャイルドは、

おとなの自分を信用できなくなり、

心を閉ざしてしまいます。


「ラーメンが食べたいんだね。大好きだもんね」

「ラーメンおいしいもんね、その気持ちわかるよ」

「ラーメンを食べたい気持ちは分かった。でも、昨日、少し食べすぎちゃったから、今日はおそばにしようね」

「気持ちを聞かせてくれて、ありがとう」

などと、優しいお母さんになったつもりで、

声をかけてあげるとよいです。


食べもののほかにも、

「右と左の道、どっちを通る?」とか、

「今日はどの本を読む?」とか、

本当にささいなことを、なんでも聞いてみましょう。

コンビニやスーパーに行ったとき、

「この棚の中から、ほしいものをひとつ選んでいいよ」

と、聞いてみるもの、よいです。

ちょっとしたおかしやジュースを、選ばせてあげる。

それだけで、インナーチャイルドがすごくよろこぶのを感じられます。


インナーチャイルドが、いつも笑顔でいられるようにする。

そうすると、おとなの自分にもよろこびが伝わり、

しあわせな気持ちが内側からわきあがってきます。


インナーチャイルドの声を聞く

こちらから話しかけるばかりではなく、

インナーチャイルドの方から、声を上げてくることがあります。

インナーチャイルドの声とは、「ネガティブな感情」です。

いらいら、もやもや、悲しみ、恐れ、怒り、自己卑下、絶望感、罪悪感、恥ずかしい、悔しい、寂しい…。

これらの感情はすべて、インナーチャイルドが発しているS・O・Sです。

インナーチャイルドの声に耳を傾け、

その気持ちを受け止めてあげましょう。

「何にそんなにいらいら・もやもやしているの?」

「何がそんなに悲しいの?」

「どうしてそんなに怒っているの?」

と、問いかけて、

インナーチャイルドが何を感じているのか、

何に苦しんでいるのか、

じっくりと探っていきます。


ネガティブな感情の中には、

子どものころに負った、心の傷が隠されています。

その傷を見つけ出してあげましょう。


ひざをすりむいて泣いている子どもに、

絆創膏をはってあげ、

もう大丈夫、痛くないよ、となぐさめてあげる。

そんな風に、インナーチャイルドにより添ってあげます。


この時のコツは、ただじっと、気持ちを聞いてあげること。

否定したり、善悪の価値観でジャッジせず、

どんな思いにも共感し、尊重してあげることです。

そして、「~してほしい」という願いがきこえてきたなら、

かなえてあげましょう。

イメージの中でもいいですし、

現実にかなえてあげられることであれば、

そうしてあげてもいいです。


ここでも大切なことは、インナーチャイルドの気持ちを否定したり、

無視しないこと、なかったことにしないことです。


ネガティブな感情がわきあがってくるのは、

インナーチャイルドが傷ついている証拠。

おとなの自分は、傷ついたインナーチャイルドを守る、

いちばんの味方でいてあげなければいけません。

「このひとは私を助け、守ってくれる」と

インナーチャイルドにわかってもらう。

そうすると、おとなの自分を信じて、

心を開き、どんなことでも話してくれるようになります。


自分の絶対的な味方が、すぐそばにいてくれると思うと、

ほっとして、安心できますよね。

安心すると、心も体もリラックスして、

自分らしく、のびのびとしていられます。

インナーチャイルドが安心してリラックスすると、

その安心感が伝わって、

おとなの自分も、リラックスして、

のびのびと自分を表現できるようになっていきます。


インナーチャイルドとうまくつきあえない人へ

ここまで、わたしが、インナーチャイルドと

どのようにつきあっているか、お話してきました。

インナーチャイルドとのコミュニケーションのとり方、

声のかけ方、かかわり方のコツなど、

わかっていただけたでしょうか?


もしかしたら、むずかしいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

「インナーチャイルドの姿がイメージできない」

「子どもの頃の自分を思い出せない」

「インナーチャイルドに話しかけても、反応がない」

「ネガティブな感情が、インナーチャイルドの声だとは思えない」

こんな風に感じた方に、お伝えしたいことは、

どうか、あきらめないでください、ということです。


わたしも、はじめから、

インナーチャイルドとうまくつきあえたわけではありません。

声をかけても、返事が聞こえない。

姿を想像しても、真っ黒な影のようなイメージしかうかばない。

会話もできないし、手ごたえもない。

ネガティブな感情に飲み込まれて、ただ苦しむしかない。

そんなときがありました。


今、当時のことをふり返って考えてみると、原因がよくわかります。

それまでのわたしは、インナーチャイルドの存在を知りませんでした。

つまり、インナーチャイルドを無視し、

長い間、ないことにしてきたのです。

存在を無視されたインナーチャイルドは深く傷つき、

わたしのことをすっかり、信用できなくなっていました。


現実の世界でも、自分を無視したり、

ひどい扱いをしてくるひとを、心から信用することはできません。

信用できない人に、正直な気持ちをうち明けようと思えないのは、

当然のことです。

おとなの自分と、インナーチャイルドの関係にも、同じことが言えます。


そこで、わたしがまず、はじめにしたことは、

インナーチャイルドにあやまることでした。

「これまでずっと無視してしまって、ごめんなさい」

「あなたを見ないふりして、いないものとしてあつかって、ごめんなさい」

「これからは絶対に、そんなことしないと約束します」

そう、何度も何度も、伝えることで、

だんだんとインナーチャイルドがイメージできるようになり、

声が聞こえるようになってきました。


また、インナーチャイルドセラピーを受け、

セラピストの方に助けていただきながら、

心の傷を癒していくことも、大きな助けになりました。

ひとりで悩んでいたことが、

誰かに助けてもらうことで、

あっさりとわかるようになる、できるようになる。

そんな奇跡を何度も体験しました。


インナーチャイルドセラピーは、ひとりでもできるセラピーで、

わたしがこのセラピーに惹かれたのも、

それがいちばん、大きな理由です。


けれど、ひとりでは抱えきれなくなったとき、

迷路に迷い込んだように、八方ふさがりだと感じたときは、

誰かに助けを求めてよいのです。


本来の自分らしさを思い出す

ちいさな子どもって、無邪気で、とても純粋な存在ですよね。

おとなになったわたし達にも、

過去に、そんな子ども時代がありました。

けれど、多くの人は、自分が子どもだったころのことを忘れてしまいます。


子ども時代の無邪気さや、純粋さは、

そのひとが生まれ持った、本来の自分らしさである。

わたしはそう思っています。

けれど、多くの人は、それを忘れてしまうのです。


自分が本来、どんなものが好きで、

どんなものに胸をときめかせ、

どんなことに傷つき、

どんなことによろこびを見出すのか。

そんな大切なことを、どうして忘れてしまうのでしょう?

この問題はあまりにも大きくて、すぐに答えは出せません。

けれど、インナーチャイルドと信頼関係をきずくことで、

本来の自分らしさを取り戻すことはできます。


インナーチャイルドセラピーとは、

子どもころの無邪気さや純粋さを取り戻すこと。


無邪気で純粋な子どもの自分を、

いつも心の中に抱えて生きる。

そうすることで、より自分らしく、のびのびと、

しあわせを感じながら、生きていけるようになる。

それって、とってもすてきなことだと思いませんか?


インナーチャイルドといっしょに生きていくことは、

喜びと楽しさがいっぱいの、とっておきの魔法。

わたしは、そう信じています。


最後に

さいごに、吉本ばななさんの「おとなになるってどんなこと?」という本から、一文、引用します。

いちばんだいじなことは、自分の中にいる泣き叫んでいる子どもを認めてあげることです。ないことにしないことです。そうすると心の中に空間ができて、自分を大丈夫にしてくれるのです。どんな年齢になってもそれは同じだと思います。大人になるということは、つまりは、子どもの自分をちゃんと抱えながら、大人を生きるということです。


子どもの頃に体験したことや、感じた思いが、

おとなになったときに、どれほど強く自分を支えることになるか。

ばななさんの優しく愛にあふれた文章で、丁寧に語られています。

この本に書かれていることは、インナーチャイルドとともに

生きるという考えと、根底で通じ合っていると感じました。

興味を持たれた方は、ぜひ、読んでみてください。


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