絶滅収容所での隠語

今日のおすすめは!

『4歳の僕はこうしてアウシュビッツから生還した』
マイケル・ボーンスタイン、デビー・ボーンスタイン・ホリンスタート著


『世界ノンフィクション全集28』収録「アウシュビッツの五本の煙突」
オルガ・レンゲル著



絶滅収容所での隠語


「製パン工場」

ユダヤ人が連れて行かれる焼却炉の事。
吐き気を催す不快な甘酸っぱい、肉の焼ける匂いの煙を発している。
赤煉瓦の建物にある煙突。

「白い館」「浴場」

アウシュビッツ絶滅収容所内にあるガス室の事。
たくさんのシャワー設備があるが、出てくるのは水ではなく、ガスである。天井が低く、狭い。

「死の穴」「死の溝」

焼却炉が本格操業するまで使用された死体を火葬する穴の事。

「カナダ」

アウシュビッツ絶滅収容所に到着した際に取り上げられた貴重品が運ばれる倉庫の事。
囚人にとってカナダは富の象徴であった。
カナダで働く囚人はコマンドーと呼ばれた。
数少ない楽な仕事であった。
集めた貴重品を選り分け、ドイツに送る作業をした。
カナダで働く女達は、盗みが見つかれば死刑になると知りながら、子供達の為に下着やセーターをこっそりかすめていた。

「スポーツ」

ドイツ人側が使用した言葉。
炊事要員が食料の盗みを働いたのを発見した際に、両手に重石を持たせたまま長いこと収容所内を駆けさせ、毛髪を頭の中央から幅8センチほど切り取る事。

「T4」

「安楽死作戦」は通称「T4」と呼ばれた。
拠点が現在のベルリン・フィルハーモニーの本拠地近くにあるティアルガルテン4番地にあったからである。
殺害対象は、同性愛者、政治犯、難病のために働けなくなった人、身体障がい者(極度の近視の人含む)などが入れられた強制収容所にまで拡大していた。

「KL」

強制収容所の事。
現在は「KZ」と略している。


*また次回お会いしましょう!



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