ヒトラーの軍事的側面
今日のおすすめは!
2冊からヒトラーの軍事的側面を読み解いていきます。
『ヒトラーとは何か』
セバスチャン・ハフナー著
『世界史劇場 ナチスはこうして政権を奪取した』
神野 正史著
*ヒトラーの軍事的側面
第一次世界大戦での前線経験を高等戦術へと昇華させ、戦後も軍事研究を怠らず、研鑽を積んでいた。
1938 年ヨーロッパ最強の陸軍と空軍をもつまでに成長させた。
徴兵制を復活させる事により、路頭に迷いかねなかった何十万人の若者が三度の飯にありつけるようになった。
戦車・大砲・戦闘機の大量生産は、何十万人もの金属加工労働者に生活の糧を与えた。
再軍備宣言により、ヴェルサイユ条約を破棄し、イギリスとフランスに対する政治的勝利を納め、ヨーロッパの勢力図を塗り替えた。
1938年時点で、独立した戦車師団、戦車軍団という新しい軍編成を創立した。
のちに他国がこぞって真似をした。1940年に、第一次世界大戦で手こずったフランスにわずか6週間で軍事的勝利を納め、軍事的天才という異名を手に入れ、最後まで頑強に抵抗していたヒトラーの反対勢力が一時的になびいた。
独立戦車軍団のアイデアを持つグデーリアンや、対フランス戦を勝利に導いた作戦を考えたマンシュタインを起用した。
ミュンヘン協定はヒトラーの勝利に見えるが、本人にとっては戦争によって勝ち取る領土を英仏にプレゼントされ、戦争の機会がのびたという事で、敗北と見なしている。
チェコスロヴァキアを意味もなく軍事占領して解体し、ミュンヘン協定の基盤を壊した。それを見て英仏がポーランドと条約を締結・更新したのを好機にポーランドに侵入して、英仏を挑発し、第二次世界大戦を引き起こした。
1939年時点で英仏はドイツとの戦争の準備や精神的な覚悟が出来ていなかった。
一方ドイツのフランスとの戦争は、対ロシア戦の前哨戦として準備が完了していたが、イギリスへは、ヒトラーの計画上、もともと同盟国や友好的中立国として想定していたため、海戦や封鎖戦争などの準備が出来ていなかった。イギリスの戦意を挫く為にロンドン爆撃を試みたが、かえって英国民の戦意をかきたてた。これは1938,1939年の政策が失敗だったと告げる最初の兆候だった。
*天才的な軍事指揮能力のあるヒトラー。
次回は政治的な側面について、ヒトラーの人生の流れに沿って詳しく紐解いて行きます。
*それではまた次回お会いしましょう!
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