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生きているうちに徳を積む?

「生きているうちにどんなにお金をためたって、死んだら何の役にも立たない。
死んでから重要なのはどれだけ徳を積んだかだ」
と、幽霊さんが言うんです。

最近見た、ドラマの話です。

お金が大好きな主人公が必死で稼いでいるのに、その傍らでしれっとつぶやくんですよ。

お金よりも徳を貯めろと、

確かに。
死んだらお金は使えないし、
役に立たないといえばその通りなんだけど、
でも生きていくにはやっぱりお金が必要で、
人生何があるかわからないから、老後のためとか、
ある程度、貯金しとかなきゃ不安でしょうがない、

と庶民のわたしは思ってしまうわけです。

お金は生きていく上ではやっぱり大事なものだと思うんですよね、
人は食べてゆかなければならないわけですから。

でも、幽霊さんが言う
「徳を積め」
という言葉も、妙に気になるんです。

そもそも、徳ってなんだ、

辞書には、
『善や正義に従う人的能力、善い行い、広く他に影響を及ぼす望ましい態度』
と、書かれています。

わたしは捻くれてるんで、
「善い行い」ってなんだ、
とまた思ってしまうわけです。

辞書が言ってるのは、誰かにとって「善い」ことなのではなく、社会的に、道徳的に「善い」こと、だと思うんです。
特定の人にとっての「善」が、他の誰かにとってそうだとは限らないから、

と考えてみると「徳を積む」って、難しいことだなと、

社会通念とか道徳的にとか、大まかなものは共有しているけれど、みんながまったく同じ感覚を持っているわけではないし、

そんな中で、本気で徳を積もうとしたら、
まず何がこの世界にとっての善いことなのか、
ということから考え始めなくちゃいけない……

で「徳」について、わたしが超個人的に思ったのは、
人生の中で、自分がすべきことをするのが「徳」なんじゃないかなと。

人はみんな何かしらの意味があって生まれてくる、
なので自分の生まれてきた意味をちゃんと体現して生きていけたなら、そもそも、もう「徳を積んで」いるんじゃないかと思うんです。

この世に無意味なものを創り出すほど、
神様は暇じゃないと思うので。

この世界には、
それを成り立たせるための要素しか存在しないんじゃないでしょうか、
無駄なものは何もない。

そう考えると、無意味な人間も一人もいない。
誰もが何かの大事なお役目を持っていて、
それを果たすために生まれてくるのでしょう、きっと。

別に中二病を患っているわけではないですが……
昔から思ってました、
人は何のために生まれてくるんだろうって、

人類、という大きな歯車の一部なのか、
生命、をつないでいく途中の一か所なのか、

いろいろ考えてみたんですが、
何かの一部であれ、どこかの一か所であれ、
それがなければ全体として成立しないわけです。

自分がいなくても世界は変わらない、
というのは間違いです。

脈々と続いてきた人類の系譜はその中の誰か一人が欠けても、今のこの形にはなっていないはずだから。

この世界が良い悪いとか、正しい正しくない、ということではなくて、
今目の前に存在するこの世界が決してなるようにしてなったのではなく、一人一人の歩んだ人生が折り重なってできた結晶のようなもので、

雪の結晶が一つ一つ違うように、
美しく、軌跡のようなものなのだと思うんです。

精密な機械であればあるほど、微細なネジ一個なくなっても動きません。

そして重要なのは、
わたしたちが全体を知らない、ということじゃないでしょうか。

この世界が何なのか、
どんな形をしているのか、
どこに向かっているのか、
だれにもわかりません。

だから、自分がどんなに大事な場所にいるのか、
どんなにすごい世界の一部なのか、

そんなことは感じられないかもしれないけれど、
自分のスケールは、自分が考えているものとは遥かに違っているんだと、
気づくことは重要かもしれない、

なので自分が自分らしく生きたなら、
自分の人生を生き切れていたなら、
もうすでに「徳を積んでいる」ってことだと思うし、それだけでこの世界にとって大きな意味があるんじゃないか、と思うわけです。

余談ですが、
占星術を勉強し始めて、自分のホロスコープを始めて見たとき、
そしてそれを読むことができたとき、
今までぼんやりして掴みどころのなかった人生に、
なんとなく形を見出すことができた、
そんな気がしました。

どんなきっかけで何に気づくのかは、人によって違うと思いますが、
探すことを止めなければ、
いつか答えにたどり着ける瞬間がやってくるんじゃないでしょうか。
もちろんそこがゴールではなく、途中にある一つの道案内なのかもしれませんが。

今日も取り留めのない話になってしまいました……。

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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