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Diary|不調なこの頃、歩いてみる、パンケーキとレモンティー

歩くのが上手ではないな、と思った。

仕事が休み。午後2時前。自宅から15分ほど歩いて、喫茶店に来た。

今日は天気が良い。
最近カラリとしない天気が続いていただけに嬉しい。
でも風がとても強い。
春の風はからだにあまり良くないと聞くので、上着の前をしっかりと閉じて、肌をさらさない格好で、そのおかげかあまり寒くはなかった。

3日ほど前から調子が悪い。

心が、浮いたり沈んだり、やたらに甘いものが食べたくて、爆食したり。夕食後に家にあるお菓子を食べ漁ってインスタントラーメンまで食べたりした。

そのせいか肌荒れが酷い。そして便秘。
それでも、食欲が急に湧き上がって、それはからだの食欲というより心の食欲というべきものだと思うけれど、とにかく制御ができない。

生理も10日以上遅れていて、妊娠している可能性はないけれど落ち着かない。からだの状態が良くないのは、やはり、気持ちのいいものではない。

今朝は、7時過ぎに起き、服を着替えて洗濯機を回し、なんとなくボーッと過ごしていた。
1日はまだ始まったばかりなのに、今日1日何をして過ごせばいいのか、何をして過ごしたいのか、まったくわからなかった。

心の声が読めない。
心とからだが伴わない。

そんなときに、何かを「決める」ことはとてつもなく億劫だ。それでも何をするにしてもしないにしても、日々は選択と決断の連続である。
ボーッとしていたけれどお腹がすいて、食べたいものがなぜかうどんで、むしろ、うどん以外食べたくないという気分だったので、半ば仕方なく、9時頃になってうどんを作って食べた。鶏ガラスープと醤油でつゆを作り、豚バラと春菊を入れ、チンした冷凍うどんの上からかける。この前から暴食しているにも関わらず、こんなところで栄養バランスが気になる。

そのあと図書館の本の返却日が迫っていたので、本を返しに行った。思いがけず今日は休館日で、借りることはできなかった。返却ポストに本をそっと入れた。

帰り道、スーパーに寄り、大体1週間分の食料を買う。予算の3,000円にほぼぴったりのお会計だったので嬉しかった。

さて、話は冒頭に戻る。

わたしは歩くのが上手ではない。
ふと、喫茶店まで歩いていて気がついた。

たぶん骨盤が歪んでいる。足の筋肉も、筋も固くて、スムーズに足が運べない。足を動かしているのに、想像する速度よりずいぶんゆっくりと景色が進む。
頭のなかの歩く速度と、実際の自分が歩く速度の差が、こんなにもあるのか、と驚いた。

散歩をあまりしないから、上手く歩けないのかもしれない。でも、「歩く」という当たり前のように為せると思っていた行為にも、必要な感覚やコツがある、というのは発見だった。

そういえば最近、観葉植物を買った。

部屋に緑を飾りたくて、わたしの背丈よりすこし低く、大きく曲がった幹がチャーミングな植木を部屋で育てている。

その木を買って帰った日の夜、ヨガをしているときに、自分自身も木のようなものかもしれない、と思う瞬間があったことを、今日再び思い出した。
ヨガマットの上に伸び、背骨を丸めたり、反らしたり、ねじったり。
木のように硬く伸びやかであれ、と自分のからだに願った。

からだと心は、最近のわたしのテーマである。

「からだと心は分離しているのだろうか」とか、「心はからだの一部ではないのか」とよく考える。

考えても答えは出ない。でも、答えが出ないからいいのだとも思う。

やはり喫茶店という場所は落ち着いた。
スフレパンケーキとアイスレモンティーを注文した。
「注文をいただいてから焼き始めるため、お時間2、30分ほどいただきますがよろしいですか?」と店員さんに訊かれた。本を読んだり、noteを書いたり、ゆっくりと時間を潰すつもりだったので「大丈夫です」と答えた。

店内の雑音が心地いい。途中でやって来た中高年のおばさまたちの会話が聞こえて、すこし嬉しくなってしまう。わたしは中高年のおばさまたちの会話を聞くのが好きだ。なんだか絶妙に面白い。平静を装って、つい聞き耳を立て、心のなかで楽しんでいる。

スーツ姿でやって来た一人の男性。しきりに席を立ち、そわそわしているなぁと思ったら、途中で高齢の男性を連れて席に戻ってきた。どうやら保険会社の人のようで、高齢の男性を相手に保障がどうとか、疾病が~、などと話しているのが聞こえてきた。高齢男性が帰ったあともすこし残って仕事をしていた。

まったく関係のない誰かを、まったく関係のないまま観察することに、なぜかすこしだけ心が浄化される。

運ばれてきたパンケーキはふわふわで、バタークリームと添えられた生クリームが甘くて、とても美味しかった。レモンティーが良く合った。

帰り際、お会計を済ませたあと、お店の人が出口まで立って、「お気をつけてお帰りくださいませ」と丁寧な挨拶をしてくれたのが嬉しかった。

帰りは、すこしだけ歩き方を意識して歩いた。
踵から地面を蹴るように、足首をしなやかに。
すると行きよりも早く歩けた。呼吸がほどよく弾んで、心地が良かった。

帰り道、なぜかトランクを開けたまま走行している車を見かけた。河津桜が咲いていた。
春。この季節を歩き切って、次はまた、夏を歩こうと思う。




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