シェア
七咲
2020年3月1日 23:01
「煙草、吸うんだ。」背中に張り付いた時に、香水に混じって独特の匂いがした。嗅いだことのある、誰かが吸ってた煙草の匂い。私が尋ねると、あなたはもごもごしながら、「やめられなくなっただけだよ、若気の至り。」と、遠くを見つめて答えた。その瞳に私は映っていなかった。もしかしたら、いつもその瞳に私は映っていなかったのかもしれない。初めて煙草を吸っているところを見たのは、朝焼けが綺麗な時間。ベラン
2020年3月1日 18:02
ちょっとした癖まで知ってるのに、あなたと私は付き合ってない。 足と手の親指がひどく反り返る。私だけが知っている秘密にしておきたい。横になって、見える足先。指。親指だけ力がぐっと入ってるみたいに、他の指より反っている。手の親指もそう。ふと広げた時に、ぐっと反っている。親指だけ。それに気づいているのが私だけならいいのに。そう思うから、言えないでいる。何気ない会話の時に、