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配属先にとっての環境教育隊員

着任から1週間が経った。
まだ任地に来て間もないが、既に悶々とする日々。

勤務時間は7:00~17:00。
要請内容は以下のような感じ。

要望調査票(仕様書みたいなもの)の内容
現地に来て背景に色々不一致を発見したけど…

「技術系の学校で、環境教育に関わる講義や活動を実施する」
というのが私の要請内容。
学校としては植樹や河川敷清掃活動などのソーシャルワークに既に取り組んでいるが他のアイディアがほしいという。

この要請だけ見て日本から来た私は、講義や活動案なんかを考えてここに来た訳だが、授業どころか活動の話が全然進まない。

着任当初、自分ができる事と学校のニーズのすり合わせのため、色々案を出し、CP*に相談した。
(*CP:カウンターパート。協力隊の活動を進める上での現地パートナー)
反応は肯定的だが、手応えが今一つない。現実的な計画や話合いに至らなかった。

CP「半年後、1年後、こんな授業・活動・イベントとかしたいよね!」
それはそれで良いと思う。

ではその半年まではいったい何を…?

私が着任する直前に学校全体で植樹活動したこともあり、学校として直近で野外活動するのは難しいのかもしれない。

私のCPは専門が心理学の女性の先生。人懐っこく、メールのレスポンスが早い。ただ、会話(スペイン語)も早い。
他の先生たちも優しく、人柄がよく真面目。職場環境は良いように思える。

学校は要請書にも書かれているように技術系。
私の前職(土木・建設系)に似た部分がある。土木・建築コミュニティの「環境」の部門は確かにアウェーで異質だ。
そんな私の前職の経験が要請にマッチしての配属なのだろうと思っていたので、その経験を活かした活動機会があるなら、今私が知る限りを伝えたい。
これから就職を控える学生達にとっても環境について学ぶ価値はあるだろうし、私も技術系志望の学生のために知ってほしい環境の話はある。

学校側にこの意志が伝わらない限り、私の活動は本始動しないだろう。

そんな中、現時点で話が進んでいるのはコンポスト。
着任初日にコンポストを校内に導入したいという話が出た。これの初動は早く、集められる材料で試作してみる方向になった。
コンポストも継続的に校内でできるエコな取り組みとして重要ではあるんだけども…。

私のホームステイ先は教頭宅、一緒に車通勤の為少し早めの出勤になる。
授業も活動も始動していない状況での10時間勤務(昼休憩1時間含む)は正直時間を持て余しまくる。
突発的に必要になった時用に講義用スライドを作ったり、活動計画を煮詰めたりしているが、この作業が無駄になることも大いにあり得る。

ボランティアという立場ではあるものの、やることがない日々というのはなかなか苦痛である。

学校の同僚には当然各々の仕事がある。
意識はやけに高いが言葉のろくに通じない外国人(ボランティア)の相手をする暇はないのだろう。下手に関わると仕事が増えかねない。

あれ、ボランティアってここで本当に必要とされてる?

私が何かしらの課題を見つけて動き出すことは
果たして今の正しい動きなのだろうか。
それは今求められているのだろうか。課題がニーズであるとは限らない。

と冷静になる自分と

要望調査をしたのが1年以上前とはいえ、上長が変わってないのだから、
「環境教育」の何かしらを学校として必要と感じていたはずである。
ボランティアを要請した以上は、もう少し受け入れの準備をしていてもいいのではないか。

と言いたくなる自分がいる。
悶々としているのは学校に対してだけではない。
様々な「大人の事情」あっての要請なのかもしれないが、
その片鱗が既に配属1週間で見えてしまったことに少しのやるせなさを感じる。

が、そんな事を思っていても仕方がない。
私がエルサルバドルにいる事実は変わらず、課題もあればできることもある、はず。

一旦落ち着いて校内での関係性をつくる時期と考え、様子を見ながら行動していきたい。

*

悶々とした気持ちを吐き出したものの、語学がやりたいことの大きな壁になってしまっているのも事実。
私に語学力があればもっとスムーズに、積極的に進められたのかもしれない。
見知らぬ土地、学び始めたばかりの言語、日本とは大きく異なる就労環境、不安定なインフラ、外国人としての人間関係の構築…
さまざまな障壁がある中、世界中で活動を続ける同期や先輩には尊敬しかない。

着任早々同期にはオンラインでだいぶ心救われている。
連絡手段がなかった大先輩のことを思うとかなり恵まれた環境だと思う。

明日も元気に、前向きに生きていこう。


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