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イギリス大学院 : 修士論文の指導教官はどう決まるのか②

イギリス大学院生兼主婦@ロンドンのさけとばです。気が付いたら5カ月ぶりに投稿になりました。昨日ようやく修士論文を提出でき、心のゆとり(笑)を取り戻したので、学校生活の紹介を再開したいと思います。

修士論文の指導教官が決定するまでの過程(つづき)をご紹介します。
前編はこちらです。

1. 教官との面談

論文の指導教官は、学生本人による希望申告に基づいて決定されます。具体的には、今年の指導教官候補者リストの中から3名を選んで、希望する研究テーマと共に提出する、という流れになります。

私は、組織内でのキャリア形成に関する研究をしたい!と思っていたので、人事マネジメントの中でも、キャリアに関する領域で研究論文を出している教官3名と面談して、自分の研究計画について意見をもらうと共に、「あなたを希望指導教官として申請しても良いですか?」という事前ネゴを行いました。

①1人目の教官候補:中国人の若手女性教官N


キャリア研究の中でも特に「中年期のキャリアの停滞感」についての研究を多く発表しているこの教官。受講した講義内容も、話し方も分かりやすくて、クリアなコミュニケーションが出来そうだったので希望候補に選びました。まずは、面談設定のためにメールを送ってみます。

私「 修論で個人のキャリアにおける価値観と、キャリアの停滞感の関係を調べてみたいと思っています。例えば、〇〇とか、〇〇とか。
おそらく、教授の研究領域に近いと思うので、あなたを希望教官として申請したいと思ってるのですが、研究内容についてディスカッションさせてもらえませんか?」

ざっと概要をメールで伝えると、即レスが返ってきました。

N「あら、それは私の研究領域ど真ん中ね。課題設定もクリアだし、面談なしで、希望申請してもらってOKよ!楽しみにしとるわ~!」

あっさり許可を頂き終了しました。結構面談の準備してたので拍子抜けしましたが、認めてもらえて一安心。

②2人目の教官候補:ポルトガル人の中年男性教官R

キャリアの研究の中でも、「個人のキャリア観と、組織の人事施策の関係」の研究をしているこの教授。私たちの学年の講義は担当していなかったため、どんな人柄の教官か情報がなかったのですが、研究内容が私の興味関心に近く、一番やりたい研究に近い領域だったので、勇気を出してコンタクト。あっさり面談設定してくれました。

R「おお~、君が今期初めて論文についてコンタクトしてくれた学生だよ。ようこそ!さあ、君のアイディアを聞かせてくれたまえ♪」

私「ありがとうございます。あなたの〇〇の論文を読んで、個人のキャリアの価値観と組織の施策の関係をこういう形の研究で明らかに出来るのか、と学びました。私もこのような手法で〇〇の考察を深めたいと思っているですけど、現実的だと思います?」

R「グッドアイディアだね~♪。それに似たような研究だと、〇〇とか、△△があるよ。私も参画した研究だけどね。記事送るから読んでみて。あと、この辺はもっと焦点を絞った方がいいよ。」

私「わわ、この研究はまだ読んでませんでした(汗)。ありがとうございます。あの~、あなたを希望教官として申請させてもらってもいいですか?」

R「もちろ~ん!きっと面白い研究になるね。楽しみにしてるよ!」

とってもポジティブな人でした。そして支援的。コンタクトして良かった。。

③3人目の教官候補:ドイツ人の中年女性教官 U


キャリア研究の中でも、「ジョブ・クラフティング」という仕事への主体的な向き合い方や調整によって、仕事のやりがいを高める研究をしているこの教官。コンサル仕込みのシステマティックなレクチャーと、溢れるパッションが魅力的で、ビシバシやってくれそうな雰囲気に惹かれてコンタクトしました。

U「さあ、貴方の研究計画を聞かせてちょうだい!」

私「これこれこうこう。。。(説明)」

U「とても良い着眼点よ!さあ、それをどんな研究方法で明らかにするの?」

私「今考えているのは・・(説明)」

U「よく考えているわね。ただ、修論はあなたが持っているリソースで研究を進めないといけないから、〇〇は本当にカバーできるかしら?実現可能性をよく吟味して課題を絞り込んだ方が良いわね。」

私「まさに。。その通りですわ。。ここはもっと詰めないとですね。。」

U「そうよ!課題設定ミスると悲劇だから、ちゃんと事前に研究しておいた方が良いわよ。〇〇や、〇〇が参考になるんじゃないかしら。」

私「よ、読みます!」

教官「いずれにせよ、興味深いテーマよ。私が指導できると思うわ。更にディスカッションできるのを楽しみにしているからね! じゃ!」

講義の時同様に、バシッと指摘してくれて気持ちの良い面談でした。


2.指導教官の発表

3人との事前コミュニケーションを経て、希望教官の申請を提出しました。
結果。。2人目のポルトガル人の教官が私の指導教官にめでたく決定しました。

クラスメイトの多くは、希望した教官のいずれかが割り振られたようですが、中には「え、この人誰?私全然この教官希望してなかったのに。。」という方もいました(苦笑)
特に、講義の担当をしていた教官には人気が集中する傾向があるようで、私のように、講義を受け持っていなかったRのような教官は比較的競争率が低かったのかもしれません。

今回の面談のプロセスを経て思ったのは、とても教授陣が支援的であったということです。私の先入観としては「教授陣は忙しくて、メールしてもなかなか返ってこず、アポを取るにも一苦労。。」という感じだったので、学生からのコンタクトにとてもタイムリーに対応してくれ、まだボロボロな研究計画や漠然とした興味関心の話にも辛抱づよく付き合ってくれて、前向きなアドバイスをくれる3名のそれぞれの姿にプロフェッショナルを感じました。

指導教官が決まった!と安心しているのもつかの間。
気が付いたら第2セメスターも中盤に差し掛かり、またテスト期間へと突入していきます。。

ここまでお読みくださりありがとうございました!

今後、以下などについて投稿をしていきたいと思います。
・修士論文の進め方
・第2セメスターのテストラッシュの切り抜け方
・イギリスでの就職活動→内定まで

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