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暑い日にぴったり!冷たいお料理と冷たい日本酒の組み合わせ

前回のおさらい

日本酒とお料理の素敵な組み合わせをマリアージュと呼んでいますが、前回は、「4つのマリアージュの基本の考え方」のなかの3つ目、「料理と日本酒の温度を合わせる」について、特に温かいお料理と温かい日本酒の組み合わせをお伝えしました。
今回は、「料理と日本酒の温度を合わせる」という考え方の中でも、特に暑い日にぴったりな、冷たいお料理と冷たい日本酒の組み合わせについてお伝えします。

冷やして飲むのに向いている日本酒の種類

みなさん、普段日本酒を選ぶ時に、何を基準に選んでいますか?選び方が良く分からない、という方も多いんじゃないでしょうか?
今回は、冷たいお料理に合わせる冷たい日本酒の話、ということで、まずはどんな種類の日本酒が冷やして飲むのに向いているのかをお伝えします。

1:スパークリングタイプの日本酒は雪冷え(約5℃)に向いています。
爽やかですっきりとしたキレを楽しむには持ってこいの温度です。シュワシュワとしたガス感を最大限に楽しむためには、フルートグラスに注ぐとより一層爽やかさを演出できます。

天山(てんざん) SPARKLING Dosage Zéro

2:次に、精米歩合の低い大吟醸や純米大吟醸は、花冷え(10℃)から涼冷え(15℃)がおススメです。特にたくさん磨いたお米を使って造られたこのタイプの日本酒は、香りが華やかで、甘みや柔らかさが特長的なものが多いため、燗酒よりも冷酒がオススメ。

石鎚 純米大吟醸 VANQUISH

3:また、加熱殺菌処理を施していない生酒も冷たい温度帯に向いています。特に冬場に搾られた直後に販売される新酒の生酒などは、雪冷え(約5℃)から花冷え(10℃)の温度帯で、そのフレッシュさを楽しんでいただきたいです。

五十嵐 別誂 純米 無濾過生原酒 直汲み

4:変わった種類でいえば、ワイン酵母を使用した日本酒や、アルコール度数が低く甘みの強い日本酒なども、冷たい温度帯に向いています。
しっかり冷やすことで甘みを上品に感じられ、日本酒ビギナーの方に特におすすめの日本酒の飲み方として提案できます。

萩の鶴 Gradation 無濾過生原酒

暑い日にぴったりな冷たいお料理と日本酒の実例

暑い日には、特にビールやスパークリングワイン、ハイボールやレモンチューハイのような、シュワシュワとしていて爽快感抜群のお酒が飲みたくなりますよね。日本酒にも、夏にしか出回らない、夏酒というカテゴリーがあって、色々な酒蔵からそれぞれの蔵元が思う夏酒がリリースされています。

なかでも、私たちが運営するオンラインショップ『零下』で、特に人気の夏酒が、宮城県で造られている『あたごのまつ ひと夏の恋 純米吟醸』

お造りとひと夏の恋

グレープフルーツにも似た心地良い酸味と控え目な甘みが、夏にぴったりの爽やかさを演出する「ひと夏の恋」に合わせたいのは、色々な鮮魚のお造り。
写真は初かつおのたたきの土佐酢漬け(奥)と、真鯛・アオリイカ・ばい貝(肝醤油を別添え)の盛り合わせ(手前)。

さすがは「究極の食中酒」を目指す新澤醸造店さんの造るお酒らしく、色々な種類の鮮魚の、味わいを引き立ててくれます。
とりわけ、ばい貝の肝醤油の濃厚な磯の香りやボリュームのある旨味を、日本酒の上品な甘みで受け止めつつ、後味はキリっとドライに切れ上がらせてくれて素晴らしいマリアージュでした。
冷たい温度では、甘みは感じづらくなるとともに苦みや辛さを感じやすくなる、という味覚の特性を利用して、特にお造りにはドライな日本酒をしっかりと冷やして組み合わせると、相性が良いのでぜひお試しください。

まとめ

今回は、日本酒のマリアージュの基本の考え方の中でも、3番目の「料理と日本酒の温度を合わせる」における、冷たいお料理と冷たい日本酒の組み合わせについてお伝えしました。
次回は、「料理と日本酒の温度を合わせる」という考え方をあえて外した、温かいお料理(揚物)と冷たい日本酒の組み合わせの話をお伝えします。お楽しみに!

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