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早朝の山に神々を見た話。 奈良県野迫川村【雲海の旅】-その①-

聖地・高野山からもほど近い、
奈良県野迫川村。

和歌山県との県境にあり、
隣は日本一広い村、十津川村だ。

ちなみに村の面積の98%が森で、
人口密度は驚きの2.18人/㎢だ。
日本一人口が少なく、たぶん鹿のほうが多い。

どこまで行っても山、山、山

人が住む集落と集落の間の距離が長く、
ひたすら山道が続く。
取材では何度か訪れていたが
とにかく遠い、という印象だった。

そんな野迫川村で取材した中で、
ひときわ印象に残っていたのが、
「雲海の里の宿」だ。

山道を走ってたら急に現れる雲海の里の宿

一見、普通の民家に見えるが立派な民宿だ。
土日には食堂もやっている。

2019年だったか、初めて出会った
女将のかあこさんは超元気だった。
朝イチの取材だったにもかかわらず、
全力のテンションだった。

元気いっぱいの女将・かあこさん

「雲海の見えるスポットまでは
車で10分くらいかなぁ」といいながら、
今まで撮影した雲海の写真を見せてくれた。

雄大で壮大で、あまりに美しい景色。

いつか、ここに泊まって
雲海を見に行きたいなぁ
という気持ちが芽生えた。

それから、コロナが始まって、
コロナが終わったら4年が経っていた。

あの時の想いを叶えるべく
盟友のカメラマン、
soulnoteのスズキさんを連れ、
野迫川村へと車を走らせた。

奈良・奥大和の旅路ではよく鹿に出会う

おいしいランチや日帰り湯に立ち寄りつつ、
「雲海の里の宿」に到着したのは16時前。

看板の雲海写真も見事

久しぶりに会った女将のかあこさんは
若干風邪気味だったが
相変わらずの笑顔で迎えてくれた。

翌早朝の雲海撮影に向けて
ビュースポットを教えてくれたので、
早速ロケハンに向かった。

教えてくれたのは、
・天狗木峠の近くの雲海景勝地
・高野辻休憩所の展望所
・立里荒神社(たてりこうじんしゃ)
の3つ。

高野辻休憩所から。巨大ラピュタ雲に遭遇

夏の空は美しい。
特に湧き上がる入道雲は
カオスが凝結して形作られた
巨大な生命体のようで、
ついつい見入ってしまう。

立里荒神社の参道から

どのスポットからの景色も素晴らしく、
緑の山々が連なる様は雲海が無くても絶景だ。
明日の雲海撮影が楽しみになった。

山頂に本殿があるということなので、
立里荒神社に参拝することにした。

立里荒神社の入り口

立里荒神社は、高野山開山の際に
弘法大師空海が修業したと伝わる神社。
日本三大荒神のひとつで、
近年はパワースポットとして
全国から参拝者が集まっている。

参道には木製の鳥居が幾重にも連なる

木立ちに囲まれた参道は
傾斜のゆるい階段が続く。
だんだんと息が切れてきたが
なかなか頂上に着かない。
カメラマンのスズキさんは、
途中で登るのを諦めたようだ。

山頂にある本殿

ようやく到着した本殿。
周囲には巨大な杉の木が
お社を守るようにそびえている。

夕陽に照らされた山頂からの景色も
また神々しいものだった。

清々しい神社の空気に癒されつつ、
ロケハンを終えて宿へと戻った。

その②へ続く

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